マリインスキー・バレエのブログ・レポーターなるものに応募してみました。以下、ジャパン・アーツから送られてきた『イワンと仔馬』の資料用DVDを観た感想です。あらすじはこちらをご覧下さい。
※写真提供:ジャパン・アーツ/撮影:瀬戸秀美
マリインスキー・バレエ『イワンと仔馬』
[振付]アレクセイ・ラトマンスキー [音楽]ロディオン・シチェドリン
[指揮]ワレリー・ゲルギエフ [管弦楽]マリインスキー歌劇場管弦楽団
イワン:ミハイル・ロブーヒン
姫君:ヴィクトリア・テリョーシキナ
仔馬:イリヤ・ペトロフ
寝殿侍従官:ユーリ・スカメロフ
皇帝:アンドレイ・イワーノフ
雌馬:エカテリーナ・コンダウーロワ
打楽器の扱いに秀でたロディオン・シチェドリンらしい勢いのある序曲。それだけで心が躍る。
幕が上がると、舞台中央に赤い立方体。その前には、老人と3人の息子たち。軽やかな音楽にマッチしたコミカルな振付(細かいステップが印象的)で、一気に引き込まれる。
ロシアで古くから親しまれている素朴でおおらかな民話を、振付家アレクセイ・ラトマンスキーがユーモアたっぷりにバレエ化。大胆な装置、カラフルな衣裳、カリカチュアされたキャラクターたち。ラトマンスキーの才気がたっくさん詰まった、実に面白い作品に仕上がっている。

ボリショイ・バレエ『明るい小川』を観た時にも思ったけど、ラトマンスキーの振付は主役から脇役、コール・ドに至るまですべてのキャラクターが立っていて、それがまたちゃんと踊りで表現されているのがいい。
とは言え、今回はカメラで切り取られた映像のため、振付家の意図を把握しきれていない部分も多い気がする。ってことで、来日公演を観るのがますます楽しみになってきた。
イワンのミハイル・ロブーヒンは冒険心に溢れた少年で、誰もが好きにならずにはいられない。いやいやいやいや、こんなに魅力的なダンサーだったとは。お見それいたしました。
ヴィクトリア・テリョーシキナは優美さと強靭さを兼ね備えたチャーミングな姫君。自分の足で立っている人だからこそ、イワンの自由闊達さに心惹かれるンだな、と。テクニックが相変わらず盤石で、その正しさ、その美しさに、感嘆する。

仔馬のイリヤ・ペトロフは軽やかに空を舞う様が実に爽快。ほっそりした肢体が、これまたキュート!

さらに、皇帝のアンドレイ・イワーノフと寝殿侍従官のユーリ・スカメロフが、見事なコメディアンぶりを発揮。特に、スカメロフの侍従官は小狡さと愛嬌が同居していて、ほんっとに素晴らしかった。
大団円。いわゆる古典のグラン・パ・ド・ドゥとは趣が違い、姫君はサポートしようとするイワンに向かってキッパリ拒否し、踊り終わると「今度はあなたの番よ」とでも言うようにイワンを促す。ンで、踊り始めたイワンは途中で振付を忘れて、最初からもう一度やり直したりして、そのうち仔馬も一緒に踊り始め、いつの間にか全員勢揃いして、そのままフィナーレに突入……と、最後まで遊び心が満載。
カーテンコールに登場したシチェドリンの姿に、「まだ生きてたの!」と驚く(歴史上の人物だと思っていたので)。どうぞいつまでもお元気で。
拙ブログの記事でマリインスキー・バレエの来日公演にご興味を持たれた方は公式HPへ──
