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2004年4月11日 (日)

新国立劇場 演劇2003/2004シーズン『透明人間の蒸気(ゆげ)』シアター・トーク

2004年4月11日(日) 新国立劇場 中劇場

司会のNHK堀尾正明アナ登場。作・演出の野田秀樹、美術の堀尾幸男を呼び込む。まずは、客席の年代チェック。10代〜80代まで、それぞれ該当するところで拍手。一番多いのは30〜40代あたりか?

終演後、汗を流してすぐ登場した様子の野田は、堀尾アナに今の気持ちを訊ねられ、「少し休みたい」。美術の堀尾はトークショーは初めてらしい。

かなり早いタイミングで、衣裳の日比野克彦と舞台監督の矢野森一も呼び込む。ひととおり雑談が終わると、参加者の質問を受けて話は進む。かつて芝居をやっていた堀尾アナは、時に軽く暴走しつつも、出演者の雰囲気は、終始、和やか。

メモを取らなかったので、質問の順番が違っている可能性あり。ついでに、かなり大胆に要約しているような。ま、そのあたりは許容範囲ということで(笑)。

──クリエーター同士、妥協したりするのか?
日比野「何をやりたいか? をとにかく優先する。それを実現するのは別のスタッフの仕事。そういう優秀なスタッフに支えられている」
野田「優先順位はある。今回だったら、奥行きを使いたい、ということだけは譲れなかった。ってゆうか、オレが新国でやるのはそれしかないもん(笑)。今までスタッフと合わなかったのは一度だけ。日比野のカミさんのひびのこづえ。頑固だよ〜」
堀尾「演出家と美術は夫婦の関係だと思っている。演出家にイメージがあれば自分は引くし、そうでなければ逆にどんどん出ていく」
矢野「舞台監督はその子供。親の言うことを聞くだけ」

──衣裳の新聞記事にはこだわっている?
野田「もちろん。サリババ先生とヘレン・ケラの衣裳は韓国の新聞、ポルターガイストは死亡記事、軍関係は昭和16年頃の新聞、マダムナナはスポーツ新聞などなど。そういうことにこだわってくれる人、つまり職人がいるってことは有難い」

──脚本家、演出家としてアドリブをどう考えている?
野田「本当の意味でのアドリブはない。アドリブと見えるものも、すべて稽古場で生まれている。それを繰り返し再現できるのが役者だと、自分は考えている。だから、映像なら素人もOK。素人でも一回ぐらいなら面白いことができるので、それを撮ればいいし、それが味にもなる。でも、舞台では通用しない」

──ビデオと実際の舞台とでは印象がずいぶん違うが、ビデオに関してどう考えている?
野田「全然違うもの。最初の頃は収録は全部断っていた。画像も悪かったし、音も平均化されてしまう。それに、人間の目は全体を観ながら、部分も観られるが、カメラだと切り取られたものしか観られない」
堀尾アナ「では、最近、収録を許可しているのは何が切っ掛け?」
野田「遠方で舞台を観に来られない学生とかが、それでもいい、と言っているのを聞いてから。ベストではないけれど、それをわかって観るなら、それもいいかな。劇場に足を運ぶ切っ掛けになるかも知れないし。自分の姿は恥ずかしくて観ていられない。声が高いし、早口だし(笑)」

──歌舞伎についてどう考えている?
野田「自分は素人だが、向こうが知らないことも知っている。そういう立場で参加している。もっと面白くなるのに……という思いもかなり強い。これが様式美と決めつけてしまうのはよくない」

ここで、阿部サダヲ、宮沢りえ登場。宮沢りえは出演者に飲み物を配っていた。阿部サダヲも何か配っていたようだが、何を配っていたのかは不明。それぞれ一言ずつ挨拶。「いいウエイトレスになります〜」みたいな発言で軽くボケる宮沢りえ。

──鳥取砂丘にはもっと色があると思うが、今回は敢えて押さえたのか?
堀尾「後に出てくるブルー(透明人間になった透アキラの衣裳や髪の色)を引き立たせるため、他は押さえた」

──国旗の使用は演出、美術、どちらの意向?
野田「最初の日の丸は脚本にも書いてある。初演はそこに言葉を書いたが(生々しさを薄めるため)、今回は必要ないと判断した」
堀尾「その後の、落下傘から風呂敷の使い方は野田氏の発案。ただ、そういう使い方ができるという機能的な提案をしたのは自分」

──初演とラストを変えたのは?
野田「オレも変わったし、社会も変わった。オレ自身も社会も、言葉を信用できなくなっている、いわば、一種の“不信表明”かな。『北朝鮮のせいにしておきましょう』というセリフひとつとっても、当時と今とではまったく意味が違ってきている。その頃は、そういうセリフも気軽に書けていた。

──今後の予定は?
野田「今は白紙。来年はロンドンで新作を発表するので、再来年あたり、日本でも新作を発表できるかも」

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