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2004年11月17日 (水)

K-BALLET COMPANY『ドン・キホーテ』

2004年11月17日(水) Bunkamura オーチャードホール

[演出・再振付・美術]熊川哲也 [原振付]マリウス・プティパ
[音楽]ルードヴィッヒ・ミンクス
[指揮]アンソニー・トワイナー[演奏]グランドシンフォニー東京

K-BALLETは初めて。そう言えば、熊川哲也もすんごい久しぶり……と、しばし遠い目になるワタクシ。ってゆうか、よく考えてみたら、仕事絡みで舞台袖から観たことはあっても、客席で観たことなかったよ。いい加減なヤツ!>ぢぶん

当日は、仕事が忙しいうえ、風邪で体調ボロボロ。こんなことなら、もっとよく考えてチケット取ればよかった(すみません、一部、記憶が欠落しております)。

キトリ:荒井祐子
バジル:熊川哲也
ドン・キホーテ:ルーク・ヘイドン
ガマーシュ:サイモン・ライス
サンチョ・パンサ:ピエトロ・ペリッチア
メルセデス:松岡梨絵
エスパーダ:スチュアート・キャシディ
ロレンツォ:ハーベイ・クライン
花売り娘:康村和恵、長田佳世
ドルシネア:徳井美可子
闘牛士:芳賀望、アルベルト・モンテッソ、輪島拓也、宮尾俊太郎、カルロス・マーティン・ペレズ、スティーブン・ウィンザー

妖精の女王:松岡梨絵
キューピッド:神戸里奈

闘牛士:アルベルト・モンテッソ、宮尾俊太郎、リッキー・ベルトーニ、ディヴィット・スケルトン、カルロス・マーティン・ペレズ、スティーブン・ウィンザー
アントレ:康村和恵、長田佳世、神戸里奈、小林絹恵、副智美、井野口恵、東野泰子、中平絢子、芳賀望、輪島拓也
第1ヴァリエーション:康村和恵
第3ヴァリエーション:長田佳世

【プロローグ〜第1幕】

今回、初めて熊川哲也自身が美術も担当したそうだが、下町は下町でも、イギリスの下町みたい。地味な色合いもそうだけど、何より明るい陽光が感じられないのだ。おまけに、オケももっさりしているし、コール・ドも人数的に寂しいし、舞台全体からラテンの雰囲気がすっぽりと抜け落ちている。

その中で、主役ふたりの踊りだけが、『ドン・キホーテ』の物語を成立させていた。安定したテクニック、惚れ惚れするような小気味良さ。特に、荒井祐子の踊りは、そのまま勝気なキトリのキャラクターを造型していて、何とも快感。

エスパーダのスチュアート・キャシディとメルセデスの松岡梨絵が並ぶと、おやぢと若いお姉ちゃん、って感じで、どうみても恋人同士には見えない。それに、踊りはともかく(カパ捌きも堂に入ったもの)、白い衣装がキャシディのムチムチ感を「さらに倍!」。あれでは、現役マタドールというより引退したマタドール。おまけに、蛍光ピンクのソックスだもの。笑っちゃったよ〜。いや、ま、たぶん、カパに合わせたと思われ。実際、こういう色合いの衣装、よくあるし。

ただ、物語の進行にほとんど関係ないエスパーダの造型はGood。時代背景的には納得。

ドン・キホーテを筆頭にキャラクテールはすべてゲスト? プログラムを買わなかったので(だって、3,000円もするンだもの、ハードカバーが2冊は買えるじゃん……って、セコいかしらん?)よくわからん。ま、自前で賄えなくても、それなりのゲストを呼んでこれちゃうあたり、芸術監督、さすが元ロイヤルのプリンシパルってか?

ドン・キホーテのルーク・ヘイドン、タイトル・ロールの存在感がちゃんとある。

【第2幕】

この幕は、結構、オリジナル色が強かった。一番印象に残るのが、ドルシネアとキトリを別人に描いているところ。ドン・キホーテの混乱を、より一層、強調すると共に、3幕のラストで彼が別の女性を追いかける伏線にもなっている。巧いなぁ。たぶん、テキストの解釈をちゃんとしているンでしょう。確かに、“ドルシネアとキトリの一人二役”なんて、物語的には何の意味もないわけで。う〜む、熊川哲也って、結構、合理的?

巷で話題の神戸里奈はキューピッド。この役、若くて可愛けりゃいい、ってわけでもないのね

しっかし、ここの女性陣は皆さんスタイル抜群で、手足もほっそりと長く、優雅だわ。その中で、荒井祐子の下半身のごつさが目についてしまった(いや、以前のバレエ団では全然気にならなかったンだけどね)。

【第3幕】

居酒屋での大騒ぎから狂言自殺。人数少ないぶん、手拍子やら掛け声やら、盛り上げる工夫が随所に見られる。ホント、よく考えられているわ。
最後はロレンツォの許しを得て、何とか結婚式に漕ぎ着けるキトリとバジル。ンが、場所はお屋敷ではなく街角。経費節約? ってゆうか、下町で繰り広げられる若者たちの恋物語に終始したと思われ。

さらに、全員揃ったフィナーレの後に、さり気なく日常(舅のヒゲを剃るバジルや、別の女性を追いかけるドン・キホーテなど)を描いてみたり、熊川哲也は演出家としてのセンスがかなり高いのではないかしらん?

正直言って、全幕バレエを観た興奮は薄いが、テキスト解釈にオリジナリティがあり、もともと芝居好きな私には、これはこれで、結構、面白かった。数年後、もう少し人材が揃ってきた頃に、また観てみたいかも。

【補足】

●ミハイル・バリシニコフの『ドン・キホーテ』
後日、アメリカン・バレエ・シアターの公演(1983年 メトロポリタン・オペラ・ハウス)を収録したDVDを観て、熊川版はバリシニコフ版を踏襲していただけだと判明。勉強不足ですみません。

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