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2005年7月31日 (日)

十一代目市川海老蔵襲名披露 松竹大歌舞伎 夜の部

2005年7月31日(日) 相模原市民会館

全国公立文化施設協会主催 松竹大歌舞伎(所謂、巡業)東コース千穐楽。客席は7割程度の入り。後方はかなり空席も目立つ。開演直前にいきなり上品なご婦人から声をかけられ、前方のチケットを譲っていただく。一緒に観る予定だった娘さんが病気で来られなくなり、空けておくのも勿体ないから、とのこと。端の方ではあったが、やはり間近は迫力ある。どうもありがとうございました〜。

『源平布引滝 実盛物語』

斎藤別当実盛:市川新之助 改め 海老蔵
御台葵御前:市川右之助
九郎助女房 小よし:市川升寿
百姓 九郎助:市川新次 改め 新蔵
矢走仁惣太:市川新七
瀬尾十郎兼氏:片岡十蔵 改め 市蔵
九郎助娘 小万:市村家橘

源平争乱の時代を舞台に、木曽義仲の誕生秘話を描く全五段の人形浄瑠璃『源平布引滝』の三段目。初演は寛延二年、並木千柳と三好松洛の合作。海老蔵は、新之助時代の平成十五年十二月に歌舞伎座で実盛を初演している。

平家全盛の時代。木曽義賢の子を宿す奥方の葵御前は京を落ち延び、百姓・九郎助の家に匿われている。ある日、網打ちに出かけた九郎助は、源氏の白旗を握りしめた女の片腕を持ち帰る。そこへ現れたのが、平家方の侍・斎藤別当実盛と瀬尾十郎兼氏。矢走仁惣太の訴えにより、葵御前がこの家に匿われていることが発覚、その詮議のためにやって来たのだった。

海老蔵の実盛、初役の時のハラハラするような緊張感はすでになく、安心して観ていられる。凛々しく颯爽とした実盛をたっぷり堪能。義太夫狂言の音遣いも進歩したような。太郎吉(後の手塚太郎光盛)と戦場での再会を約束する場面では、幼子に対する慈愛と共に男の色気さえ感じさせる。ただ、小万の腕を切り落とした様子を仕方話で語る見せ場は、ちょっとバタバタしていたかな。大音声を張り上げ、やけに大仰。

瀬尾の市蔵が平馬返りを鮮やかに決める。小よしの升寿も手堅い。ンが、九郎助の新蔵が若いので、全体のバランスは悪い。
浄瑠璃の葵太夫、声の状態がかなり悪そう。風邪かしらん?

『十一代目市川海老蔵襲名披露 口上』

市川新之助 改め 海老蔵
   ○
市川團十郎
市川右之助
片岡市蔵
市村家橘

下手から、右之助、海老蔵、團十郎、市蔵、家橘の順。
家橘のネタに場内大ウケ。とある巡業先で「家橘さんは何ジンですか?」と、訊かれたそうな。「カキツサン」と名前を呼ぶ声が「パキスタン」に聞こえ、パキスタン人に間違えられたとか。

さらに、CMタイムと称して、“お〜い、お茶”や“ヤマキのめんつゆ”の宣伝。皆が神妙に聞いている中、ひとり必死に笑いを堪える海老蔵。5人だけなので、あっという間に終了。
ちなみに、今回はにらみなし。残念。

『お祭り』

鳶頭 成吉:市川團十郎
若い者:市川新七
同  :市川升一
同  :坂東悟
同  :市川竜之助

文政九年、江戸市村座で初演された三変化舞踊『再茲歌舞妓花轢』のひとつ。江戸山王権現(日枝神社)の祭礼である山王祭を題材にして、「申酉の花も盛りの暑さにも……」で始まるところから、《申酉》とも呼ばれている。

鳶頭の團十郎。う〜む、かなりお疲れのような。粋でいなせな感じは、まったくなし。病み上がりの身体でこの時期の巡業はたいへんでしょう。くれぐれも無理はなさらずに。

若い者との立ち廻りの途中で「皆様、お手を拝借」があるものの、賑やかな江戸の祭り気分もそこそこに、あっさり終了。いささか物足りない気分だが、巡業はいつもこんなものかも。

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