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2005年11月 1日 (火)

ウーマンリブ vol.9『七人の恋人』

2005年11月1日(火) 下北沢本多劇場

[作・演出]宮藤官九郎 [舞台監督]青木義博 [照明]佐藤啓
[音響]山口敏宏、Sound ConcRete [PA]瀬谷正夫
[音楽]宮藤官九郎、星野源 [舞台美術]武藤晃司 [衣装]戸田京子
[ヘアメイク]大和田一美 [振付]八反田リコ
[映像]ムーチョ村松、トーキョースタイル
[映像デザイン]吉田りえ、トーキョースタイル
[ピアノ演奏]門司肇 [ナレーション]薬師丸ひろ子、松尾スズキ

久しぶりの本多劇場。そう言えば、ここの柿落とし公演(『秘密の花園』[作]唐十郎[演出]小林勝也[出演]緑魔子、柄本明、他)を観ているのよね……と、思わず遠い目になるワタクシ。懐かしモードで客席に入れば、通路から階段まで人人人で「消防法って何?」な状態だし、客入れ音楽は80年代の角川映画主題歌だし、ここだけ時代は変わっていない?

オレンジの恋人:阿部サダヲ
青い恋人:三宅弘城
緑の恋人:少路勇介
黄色い恋人:星野源
赤い恋人:宮藤官九郎
黒い恋人:尾美としのり
白い恋人:田辺誠一

パステルカラー基調のポップな舞台美術。下手にバンドのセッティング。編成はGuitar&Drums。なんつーか、アイドル全盛、華やかなりし頃の歌番組のような。

Seven Love Stories。愛をめぐる7本のエピソードが、絡み合っているようないないようなオムニバス構成で綴られていく。舞台転換の時間を映像や生演奏で繋ぎ、テンションを途切れさせない工夫が嬉しい。

幕開けは、田辺誠一&尾美としのりのKISSシーンで始まる〈FIRST・KISS〉。
放課後の音楽室。音楽の先生に憧れる転校生・尾美クンに、クールでカッコイイ田辺クンがKISSの手解き。田辺の白い学生服姿と「メントス!」(メントスを包み紙ごと食べちゃう)が素敵。二枚目なのに、とことんヘタレ。それがまた妙に清々しい。これで掴みはOKだ。

星野源のGuitarに聞き惚れているうちに、次の〈ナンバーワン・イン・ザ・UNKO〉。
巨大UNKOに埋まる歌舞伎町No.1ホストの阿部サダヲ。身動き取れない彼を甲斐甲斐しくお世話するのは、後輩ホストの少路勇介。何を言っているンだか、全然わかんないっす(笑)。
「お前がこれをUNKOだって言ったから、UNKOだって認識しちゃったよ」
あら、哲学している? 意外と深いじゃん(嘘です)。
三宅弘城の女装がツボ。マリアッチな星野のGuitarも素晴らしい。

〈マタニティ堀内〉は妊婦さん対象のエアロビ教室が舞台。ド派手衣裳のインストラクター阿部。「まず始めに言っておきますが、私は同性愛者ですっ!」と、薄い眉でテンション高くて、メチャメチャ恐い(笑)。妊婦1の星野、ハマり過ぎ。可愛い。「次長課長!」と突っ込まれる妊婦2の三宅。確かに似ている〜。
白衣を翻し、産婦人科の田辺先生登場。少路看護婦に爽やかにセクハラ。でも、ゲイ。そういうオチですか?

〈ほとんど×三宅マン〉は、変身ヒーローもの。
悩み多き阿部少年は、今日も三宅マンに助けを求める。ンが、全然頼りにならない三宅マン。だって、“ほとんど”三宅マンだもん(“ほとんど”って?)。三宅マンへのダメ出しは、毎回、違うみたい。この日は……す、すみません、あんまり覚えていません。顔の表情が乏しいとか、手脚が短いとか。違ったかな?
鬼店主・尾美&巨乳子ちゃん宮藤の父娘がすんごい迫力。

華麗なヒップホップ系ダンスで始まる〈SHOW-Z.com〉。「やべ。オレ、マヂ、かっけー」な少路。いや、マヂ、かっちょええわ〜。
それも、ゴスロリ阿部の登場で軽く吹っ飛ぶ。最初、本当に誰だかわからなかったよ。金髪縦ロールに角、フリル盛大なドレスに黒白ストライプのソックス。仕上げは可愛い厚底靴。恐さで言えば、〈マタニティ堀内〉の比じゃない。夢に出てきそう。阿部は、イタタな役をやらせたら天下一品だわ。

〈むねさん〉は、ヘッドギアを装着した尾美をfeaturing。
諸々の事情で彼女の実家にひとりで先乗り、家族と飼い犬に囲まれ、間がもたなくて困り果てている星野青年。母親役の宮藤が絶妙。そこまでやって大丈夫? と、心配になるぐらい壊れている尾美。勇者だ。
幕切れ、むねさんから手渡されたカエルに気づく星野のリアクション、何かもうひとつインパクトが欲しかった。頑張れ!

最後は、薬師丸ひろ子のナレーションと共に、七色の恋人と夢のようなひとときを過ごす〈七人の恋人〉。舞台の役者とナレーションの掛け合いなのに、笑いの間がすんごくいい。タイミングをきちんと合わせているンだろうな。

どこまでも清々しいヘタレの田辺。決して巧い役者ではないが、不思議と目が離せない。いぢられ上手?
阿部、三宅、宮藤の巧さは言うに及ばず、少路と星野の若手ふたりも大健闘。さらに、尾美が見事な壊れっぷりを披露すれば、田辺が浮世離れした雰囲気で観客を和ませ、全体のバランスはメチャメチャGood!

「最近、筆が荒れている」との噂もある宮藤だが、今回は面白かった。役者を野放しにしているようで、要所要所はきっちりコントロール。少人数、しかも、お馴染みの皆川猿時や荒川良々に頼らず、若手や劇団以外の役者を起用したことが効を奏したような。心から素直に笑わせていただきました〜。

プログラムが気合い入っていて、ハードカバーの絵本付き。ってゆうか、そっちが本命かも(笑)。

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