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2006年12月31日 (日)

昨日のつづき

でもね、ミライから来たタマシイが言っているんだ。だから、まだ遅くはないのよ。私のミライは滅んだ。けれども、あなた達の未来はまだ、天気のいい朝に、四時間で滅んではいないのだから。

私たちは未来に可能性がないことを知っている。でも、本当にそうだろうか? 知った気になっているだけではないだろうか? そうして自らを諦めてしまっているのではないだろうか? タマシイの最後のセリフに、そんなことを思った。

キャストについて簡単に。
野田秀樹の作品は2度目の参加となる宮沢りえ。彼女の独擅場となる終盤も大きく崩れるようなことはなかったし、棒のように細い肢体も今回の役柄にはあっていた。ただ、声が掠れていたのが何とも残念。戦争の実況は無垢をイメージするような澄んだ声でやってこそ、語られている行為の残虐性が際立つ筈。あと、実況と地のセリフにもう少し差をつけて欲しかったかな。

同じく、野田作品2度目の藤原竜也。9月のギリシャ悲劇『オレステス』で身につけた太く朗々と響く声を多用していたけど、そればっかりじゃ面白くないわけで。身体のコントロールはかなりできていたので、声のコントロールも頑張って下さいな。そう言えば、顔に湿疹らしきものがあったような。今回は前から4列目の席だったので、気になって気になって。体調悪いのかしらん?

80年代の小劇場ブームを共に支えてきた野田と久々の共演を果たした渡辺えり子は、正直、微妙。橋本じゅんは相変わらず巧い。『オイル』の時も思ったけど、藤原との並びが妙にいいのよね。宇梶剛士はプロレスラーとして悪態をついているだけなので、普段なら気になる欠点が目立たなかった。三宅弘城、松村武、中村まこと、野田秀樹がきっちり脇を固める。明星真由美は見せ場が少なく物足りない(人によっては、三宅、松村、中村についても同じ様に感じたンじゃ?)。
1月にも観るので、感想はそれからまとめます〜。

過去を振り返るのは趣味じゃないし(前にも書いた?)、何にでも順位をつけたがるのは偏差値教育の弊害だと某文芸評論家も嘆いておられたし(これも前に書いた?)、今年も総括やランキングの類いは一切なし。
2007年、バレエは国内のカンパニーをそれなりに、演劇はお馴染みの野田や蜷川以外(若手の演出家や新国立劇場のシリーズなど)を積極的に観ていこうかと。

それでは、良き新年をお迎え下さいませ。

◎本日の読書
 『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水

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2006年12月30日 (土)

NODA・MAP 第12回公演『ロープ』

2006年12月30日(土)&2007年1月23日(火) Bunkamura シアターコクーン

[作・演出]野田秀樹
[美術]堀尾幸男 [照明]小川幾雄 [衣裳]ひびのこづえ

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今年最後の舞台

NODA・MAP『ロープ』を観る。
プロレスの意匠を借りた戦争の物語。際限なくエスカレートしていく暴力。その行き着く果ての戦争。私たちが生きているのは戦争の世紀。そんな現実を前に、野田秀樹は改めて言葉の力を信じようとしているのか。
宮沢りえ扮するタマシイは戦争を実況する。彼女の言葉は戦場の暴力を煽ると同時に、ひとりの青年に踏み止まる力をも与える。折しも今日は、フセイン元大統領の死刑執行日……。

そこで止まれないのか。
止まれるはずだ、人類ならば。

◎本日の読書
 『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水

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2006年12月29日 (金)

今年最後の映画

急に思いついて、天願大介監督『暗いところで待ち合わせ』を観る。
原作は乙一の同名小説、主演は田中麗奈とチェン・ボーリン。このふたりの顔合わせは、チェン・イーウェン監督『幻遊伝』に続いて2回目。

交通事故で視力を失ったミチル(田中麗奈)がひとりで暮らしている家に、殺人事件の容疑者として警察に追われるアキヒロ(チェン・ボーリン)がそっと忍び込む。こうして始まったふたりの奇妙な共同生活は……。

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2006年12月28日 (木)

♪ もういくつ寝るとお正月

この時期は忙しくて、なかなか感想が書けません。何とか牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形』だけupしたけど、歌舞伎座やミステリは来年になってしまうかも。↓で触れた“古典作品における現代性”についてもちゃんと書いておきたいものの、いつになることやら。はぁ。
ってことで、サイトトップからどうぞ〜。

◎本日の読書
 『水滸伝(3)』北方謙三

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2006年12月25日 (月)

古典作品における現代性

歌舞伎座で『紅葉狩』を幕見。
四階席から観ていると、海老蔵はシャープな鼻梁ばかりが目立って妙に男っぽい。鬼になっての引っ込みに思わず失笑。やっぱ大仰だわ。本性を現してからは、見得のたびに唸る唸る。あれでは鬼女というより怪獣。あんなに変えちゃって、いいのかしらん? 一応、九世團十郎が初演した新歌舞伎十八番だぞ。

ってことで、今年は“古典作品における現代性”について考えることの多い一年でした。

◎本日の読書
 『水滸伝(3)』北方謙三

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2006年12月23日 (土)

取り急ぎ

国立劇場『元禄忠臣蔵』の感想up。サイトトップからどうぞ〜。
時間がなくて、思いっきり流して書いています。誰が何の役で何回出たかチェックして、同じ役を演じた俳優たちを三ヶ月で比較するとか、少し遊んでみたかったンだけどね。

◎本日の読書
 『飛びすぎる教室』清水義範/え・西原理恵子

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2006年12月20日 (水)

宮本恒靖29歳、初の海外挑戦

あら〜、ガンバ大阪の宮本恒靖は海外移籍が決まったのね。オーストリアのザルツブルグですか。日本人DFが海外でプレーするのは初めてだし、すでに29歳だし、決して楽ではないだろうけど、何らかの結果が出せるといいね。
ザルツブルグの監督って、トラパットーニなのか。ふーん。ってゆうか、何故にトラパットーニがオーストリアにいるの?

予定通り『タンゴ・冬の終わりに』の感想up。サイトトップからどうぞ〜。次は国立劇場『元禄忠臣蔵』に取りかかるとしますか。

◎本日の読書
 『飛びすぎる教室』清水義範/え・西原理恵子

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2006年12月19日 (火)

早っ!

今年の舞台も30日のNODA・MAP『ロープ』を残すばかり。かなりきっつい内容らしいので、それまでに溜まっている感想はすべて片付けて、まっさらな状態で臨もうかと。
明日には『タンゴ・冬の終わりに』の感想をupできるかな。引用が多いので、それらの原典もチェックしたかったンだけど、さすがに時間がありません。来年はもう少し観る本数を減らして、テキスト解釈をきちんとやりたいわ〜。
とりあえず、新潮2007年1月号に野田秀樹の戯曲が掲載されているので、これは買っておこう。《三島由紀夫 十代書簡集(新発掘)》も面白そうだし。

数日前にエアコンのファンモーターを交換してもらったら、驚くほど暖房が効くようになった。設定温度を2〜3℃下げても全然平気。

◎本日の読書
 『飛びすぎる教室』清水義範/え・西原理恵子

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2006年12月17日 (日)

牧阿佐美バレヱ団創立50周年記念『くるみ割り人形』

2006年12月17日(日) ゆうぽうと簡易保険ホール

[音楽]ピョートル・I・チャイコフスキー
[演出・改訂振付]三谷恭三(プティパ、イワノフ版による)
[美術]デヴィッド・ウォーカー [照明デザイン]ポール・ピヤント
[指揮]デヴィッド・ガルフォース [管弦楽]東京ニューシティ管弦楽団
[合唱]東京少年少女合唱隊

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牧バレヱ『くるみ割り人形』

すんごく楽しかった!

菊地王子の『くるみ割り人形』は今年で3回目だけど、今回が一番充実していたような。いや、ま、単に自分が落ち着いて観ていられただけなのかも知れないけど(笑)。

ぢつは、五反田駅からゆうぽうとに向かう途中は憂鬱だったのよ。小さな子供を連れたママさんたちがあっちにもこっちにも。ンで、聞こえてくるのは「□◇のお教室が……」「○○ちゃんが……」「△▽先生が……」。それは客席に座っても同じで、内輪の客しかいないのかよ? と、内心キレそうになる。
そんなどんよりした私の気持ちを、すーっと引き上げてくれたのがオーケストラの演奏。いつもの堤俊作とロイヤルメトロポリタン管弦楽団じゃなくて、ほんっとに助かったわ。今日のデヴィッド・ガルフォースと東京ニューシティ管弦楽団には、序曲の始まりと共に舞台に集中させるだけの力があったし、何よりダンサーの踊りにきちんと合っていたもの(本来、それが当たり前なんだけど)。

ってことで、終わってみれば大満足。王子の菊地さんはもちろん、金平糖の精の伊藤友季子さんも雪の女王の青山季可さんも、子役たちも脇を固める皆さんも、と〜ってもよかった! スケジュールが合えば、来週の新国立劇場バレエ団『シンデレラ』に行こうかと思っていたけど、バレエはこれで見納め。今日のこの暖かい気持ちを抱えて、来年を迎えることにする。

それにしても、菊地さんは立派な王子になりましたね〜(感泣)。『リーズの結婚』では指先の表情がエレガントになっていて驚いたけど、今日はサポートが一段と巧くなっていて驚いた。ピタリと揃ったユニゾンの動き、高々と持ち上げふわりと下ろすリフト、パートナーを回して止めてポーズを決める一連の流れの美しさ、どれをとっても余裕が感じられる。これなら『眠れる森の美女』の王子も充分いけそうよ。来年やらないかしらん? ダメ?

伊藤さんは前に観た時の印象があまりよくなかったので、その後は主役を避けていたンだけど、清楚な雰囲気の中に芯の強さを感じさせる魅力的なダンサーになっていてビックリ。最後の一音までおろそかにしない丁寧な踊りも素晴らしかった。
青山さんの堂々とした美しさと指先の妖艶さに見惚れる。

その他、印象に残ったのは、逸見智彦さんと吉岡まな美さんの長身美男美女によるシュタールバウム夫妻、マント捌きも鮮やかな本多実男さんのドロッセルマイヤー、ダイナミックかつ端正な清瀧千晴さんのドロッセルマイヤーの甥(身長の割に腕が長いのか、軌跡が鮮やか)、プロポーションの良さで一際目を引く京當侑一籠さんのお客様(赤い軍服がよく似合っておりました)、見得のキリ方が思いの外かっちょよかった邵智羽さんのスパニッシュ、これを観ないと『くるみ』を観た気がしない保坂アントン慶さんと吉岡さん(権高さが素敵)のアラブ、ディヴェルティスマンで一番客席が沸いた塚田渉さん、徳永太一さん、清瀧さんのトレパック、そして、小嶋直也さんの花のワルツ。特に、小嶋さんは他のメンバー(京當さん、今勇也さん、中島哲也さん)と同じ振付を踊っていても、ひとりだけ鮮やかというか、クリアというか、見え方が全然違うのよ。
あ、そうそう、小さなコックやケーキ・ボンボンを踊った子供たちが、結構、揃っていて感心しました。

恒例のプレゼント投げ。菊地さんの最初の一投は途中で見失ってしまったので、2階席まで届いたのか不明。最後の一投は届きそうで届かなかった。若いンだから、もっとしっかり投げなきゃ(笑)。

◎本日の読書
 なし

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2006年12月16日 (土)

すっかり忘れていたけれど

チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦の組み合わせが決まりましたね〜。

◆2月20日
       PSV vs アーセナル
       リール vs マンチェスターU
  レアル・マドリー vs バイエルン
    セルティック vs ミラン

◆2月21日
       ローマ vs リヨン
     バルセロナ vs リバプール
      インテル vs バレンシア
       ポルト vs チェルシー

いきなりバルセロナとリバプールか、勿体ないなぁ。

さて、明日は牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形』の菊地王子です。今年一年の締めくくり……になるのかな? 何はともあれ、楽しみ〜。

◎本日の読書
 なし

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2006年12月15日 (金)

十二月大歌舞伎 夜の部

2006年12月15日(金)&25(月) 歌舞伎座

ただでさえ師走は忙しいのに、マリインスキー・バレエの日本公演があったものだから、結局、昼の部はパス。菊之助の八重桐や時蔵の滝夜叉姫も観ておきたかったな……。

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国立劇場開場四十周年記念『元禄忠臣蔵』第三部

2006年12月15日(金) 国立劇場

[作]真山青果 [演出]真山美保 [補綴・演出]織田紘二

三ヶ月にわたる連続上演も、いよいよ大詰め。第三部の今月は《吉良屋敷裏門》《泉岳寺》《仙石屋敷》《大石最後の一日》四編四幕九場で、赤穂浪士たちの討入り直後から最期の場に向かう直前までを描く。

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半蔵門から東銀座へ

国立劇場『元禄忠臣蔵〈第三部〉』十二月大歌舞伎 夜の部を観る。
さすがに半蔵門から東銀座のはしごは疲れたわ〜。とりあえず、歌舞伎座の『紅葉狩』についてのみ簡単に。更科姫に海老蔵、維茂に松緑。
困ったなぁ……いや、別に困ることじゃないンだけど……面白かったのよ、次どうなるかわからないハラハラドキドキがあって。明らかにこれまでの『紅葉狩』とは別物なのに、「これもありかも知れない」と思わせてしまう迫力。あー、もう何だかよくわからなくなってきた(笑)。

国立劇場では3ヶ月連続観劇の記念手拭い(大石内蔵助を演じた吉右衛門、藤十郎、幸四郎のサイン入り)を貰う。正直なことを言えば、内蔵助は吉右衛門で通して欲しかったな……。

◎本日の読書
 『天窓のある家』篠田節子

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2006年12月13日 (水)

戦後の歌舞伎発展に尽力

松竹会長・永山武臣氏、急性白血病のため都内の病院で死去。享年81。合掌。
以下、関連URL。
http://www.asahi.com/culture/update/1213/014.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061214k0000m060046000c.html
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061213NT003Y06813122006.html
http://www.sankei.co.jp/shakai/fuho/061213/fho061213005.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20061213i412.htm

マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』の感想up。かなりイーゴリ・コールプ中心で書いております(笑)。サイトトップからどうぞ〜。

◎本日の読書
 『天窓のある家』篠田節子

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2006年12月12日 (火)

次回は2009年だそうな

気がつくと、チャイコフスキーの音楽が頭の中で鳴っている。今回、何が残念だったかって、天下のマリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏がメチャメチャお粗末だったこと。サッカーに例えればJFLかJ2。決して、J1ではなかった。それでも弦楽器はまだマシだったかな。管楽器、中でも木管は酷かった。次回は2009年らしいけど、名前に相応しい演奏を期待しております。

あと、できれば公演日時の設定をもう少し考えていただきたいわ〜。私も昔は海外アーティスト専門のプロモーターで働いていたので、スケジューリングの難しさはわかっているけど(今回の“平日18:30開演”だって、呼び屋の都合ばかりじゃないでしょう)。
とりあえず、キャスト変更に次ぐキャスト変更と不誠実な対応に非難囂々だった前回の日本公演と比べれば、大きなトラブルもなく終わったわけで。次回はさらによくなることを祈っております。

あ、そうそう、《オールスター・ガラ》の感想は数日前にupしています。サイトトップからどうぞ〜。

◎本日の読書
 『ブラバン』津原泰水

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2006年12月11日 (月)

若者向け仕事ガイダンス番組

たまたまテレビをつけたら、NHK教育『あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑』に新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』衣裳製作アシスタントの方が出演していたので、そのまま観る。

デザイナーはデザイン画を描くだけで、具体的な素材や飾り付けを決めていくのは衣裳製作者の仕事なのか。意外。それにしても、師匠の大井昌子さんは74歳で現役バリバリ。すんごいですね〜。
主役を踊った寺島ひろみさんの衣裳合わせの様子や舞台映像(王子は逸見智彦さん)も出てきて、ちょっと得した気分。ちなみに、素の寺島さんは素朴であどけない印象でした。
しっかし、昨日のウリヤーナ・ロパートキナがあまりにも鮮烈だったから、寺島さんのオデットに物凄い違和感を覚えてしまったよ。この先、しばらくはそういう状態が続いてしまうのかしらん? う〜む、困った。

◎本日の読書
 『ブラバン』津原泰水

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2006年12月10日 (日)

ってことで、観てきました

オデット/オディールにウリヤーナ・ロパートキナ、ジークフリート王子にイーゴリ・ゼレーンスキー。小さな暖房器具を借りてみたものの、極寒状態は相変わらずなので、本日も簡単に。

ロパートキナは、ずいぶん昔のサントリー・ピュアモルト・ウイスキー〈山崎〉のCMコピーのよう。すなわち、「何も足さない。何も引かない」。ありのまま、ただそのままで、オデットであり、オディールである──観客にそう思わせてしまうほどクリアで美しい踊り。昨日のヴィシニョーワとはまったくの別物。同じカンパニーでもこんなに違うのね〜。

ゼレーンスキーは踊ってくれただけで有難い。見事に省エネ王子だったけど、物語が破綻していたわけではないし、2幕のソロはキッチリ踊っていたし(踊り終えた後に「はぁっ!」と深く息を吐いていたのにはビビった)、佇まいだけで魅せる歌舞伎役者・中村雀右衛門と同じだと思えばいいのか。
ただ、サポートは物足りなかったかな。昨日のコールプがほとんど吸い付くようなサポートだったので、尚更そう感じたのかも知れないけど。

《オールスター・ガラ》と比べると、オーケストラはJFLからJ2に昇格した感じ。

ロビーで上野水香を見かける。そう言えば、最近、東京バレエ団を全然観ていないなぁ。

◎本日の読書
 『ブラバン』津原泰水

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イメージの喚起

黒マスク もっと美しいのはこのライン……どこからともなく現われて、どこからともなく消えていくこのエメラルドのライン……(中略)……でも美しい、目暈がおそってきそう……あ、もっと力を抜いて……手はそんなふうにかけないで……そ、それでいい、それでやつの心は解き放たれる……そして、あとは待つだけ、例の驕慢であでやかなあの一閃を……

これは清水邦夫作『タンゴ・冬の終わりに』の終盤のセリフで、昨日、2幕のオディールと王子のパ・ド・ドゥを観ていたら、ふと口をついて出てきたの(もちろん、声には出していないですよ)。それはたぶん、黒地に青を配したヴィシニョーワの衣裳が孔雀を思わせたからで(このセリフも孔雀に関して語っている)、そういう妙なイメージが喚起されるってことは、やっぱ『白鳥の湖』としては独特だったンだよな。

たおやかなオデットの羽ばたき、カッと見開いたオディールの眼、どこまでも高く、どこまでも遠く、どこまでも美しい王子のジュテ……。昨日の舞台もやがては一瞬の記憶となり、心の奥底へと仕舞い込まれ、ふとした拍子に浮かび上がってくるのかな。

さて、上野に行くとしますか。

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2006年12月 9日 (土)

マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』

2006年12月9日(土)&10日(日) 東京文化会館

[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
[振付]マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
[改訂振付]コンスタンチン・セルゲーエフ
[台本]ウラジーミル・ベーギチェフ、ワシーリー・ゲーリツェル
[装置]シモン・ヴィルサラーゼ [衣裳]ガリーナ・ソロヴィヨーワ
[指揮]アレクサンドル・ポリャニチコ [管弦楽]マリインスキー歌劇場管弦楽団

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甘美な悪夢

Meiji presents マリインスキー・バレエを観る。
『白鳥の湖』ソワレ。オデット/オディールにディアナ・ヴィシニョーワ、ジークフリート王子にイーゴリ・コールプ。書きたいことはたっくさんあるンだけど、数日前からエアコンが壊れて極寒状態なので、ちょっとだけ。

やっぱヴィシニョーワにはコールプが合うわ〜。とにかくサポートが安定していて、ヴィシニョーワがほんっとに安心して踊っている感じなのよ。もちろん、特濃キャラ同士ってこともあるけど(笑)。
あぁ、でも、ヤバい。マヂでコールプに惚れたかも。小田島雄志は清水邦夫を「オクシモロン(矛盾形容法)の比喩でしか表現できないなにか」と評していたけど、今日のコールプもそんな感じ。毒を孕んだノーブルとでも言えばいいのか。決して下品ではなく、でも、ただのノーブルでもない……甘美な悪夢。

とりあえず、ウラジーミル・シクリャローフはもっとサポートを頑張りましょう。
それと、《オールスター・ガラ》の『レベランス』で気になっていたダンサーは、スペインを踊ったアレクサンドル・セルゲーエフだったような。

さて、明日のウリヤーナ・ロパートキナとイーゴリ・ゼレーンスキーはどんな『白鳥』かしらん?

◎本日の読書
 『ブラバン』津原泰水

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2006年12月 8日 (金)

ベスト16が出揃う

CLグループリーグ最終節の結果。

◆1日目
      バルセロナ 2-0 ブレーメン
      チェルシー 2-0 レフスキ
    スポルティング 1-3 スパルタク・モスクワ
バイエルン・ミュンヘン 1-1 インテル
     ガラタサライ 3-2 リバプール
        PSV 1-3 ボルドー
        ローマ 1-0 バレンシア
    オリンピアコス 1-1 シャフタール

◆2日目
   ディナモ・キエフ 2-2 レアル・マドリー
        リヨン 1-1 ステアウア
   マンチェスターU 3-1 ベンフィカ
    コペンハーゲン 3-1 セルティック
        ポルト 0-0 アーセナル
      ハンブルク 3-2 CSKAモスクワ
        ミラン 0-2 リール
    アンデルレヒト 2-2 AEKアテネ

ってことで、ベスト16はこんな感じ。

    グループ1位           グループ2位 
 チェルシー(イングランド)    バルセロナ(スペイン)
 バイエルン(ドイツ)       インテル(イタリア)
 リバプール(イングランド)    PSV(オランダ)
 バレンシア(スペイン)      ローマ(イタリア)
 リヨン(フランス)        レアル・マドリー(スペイン)
 マンチェスターU(イングランド) セルティック(スコットランド)
 アーセナル(イングランド)    ポルト(ポルトガル)
 ミラン(イタリア)        リール(フランス)
*組み合わせ抽選会は15日、スイス・ニヨンのUEFA本部にて。

53時間もメンテナンスに費やした挙げ句、「前の状態に戻させていただき……」って、どういうこと?>ココログ

◎本日の読書
 『ブラバン』津原泰水

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2006年12月 5日 (火)

ココログのメンテナンス

12月5日(火)10:00から12月7日(木)15:00までココログのメンテナンスが実施されます。閲覧は通常通り可能ですが、新規投稿やコメント/トラックバックの受け付けはできません。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

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2006年12月 4日 (月)

マリインスキー・バレエ《オールスター・ガラ》

2006年12月4日(月) 東京文化会館

[指揮]アレクサンドル・ポリャニチコ [管弦楽]マリインスキー歌劇場管弦楽団

前回(2003年)の日本公演は観られなかったので、楽しみにしておりました。まずは、《オールスター・ガラ》から。“オールスター”と銘打ちながら、終わってみれば、若手のお披露目ガラだったような。

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オールスター・ガラ

Meiji presents マリインスキー・バレエを観る。
上野に18:30はキツかった〜。開演には何とか間に合ったけど、最初の〈レベランス〉は気がついたら終わっていた感じ。ンが、劇場を出たのは22:00を回っていたので、19:00開演だったら、それはそれでたいへんだったよな。

いや〜、やっぱイーゴリ・コールプは興味深いダンサーだ。〈ばらの精〉の摩訶不思議な存在感といい、〈パヴロワとチェケッティ〉のさり気ない演技といい、一筋縄ではいかない感じ? “面妖”とでも言えばいいのだろうか? 妙に気になる。

〈グラン・パ・クラシック〉でのヴィクトリア・テリョーシキナの爽快感、〈エチュード〉でのアリーナ・ソーモア、レオニード・サラファーノフ、ウラジーミル・シクリャーロフの弾けっぷり、などが印象に残る。特に、〈エチュード〉は後半になるにつれて盛り上がっていったので、気持ちよく帰って来られた。
ディアナ・ヴィシニョーワは精彩に欠けていたような。途中でポワントが脱げかけて、踊りを止めて直していたし。それだけがちょっと残念。

ブログによると、イーゴリ・ゼレーンスキーは元気に来日したそうな。

◎本日の読書
 『水滸伝(2)』北方謙三

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2006年12月 2日 (土)

気が早いですが……

デザインをクリスマス仕様にしてみました。行間が詰まっているのは、こちらのブラウザの問題かしらん?

今月からスカパー!WOWOWも観られるようになったものだから、リーガ・エスパニョーラ目当てで視聴契約してしまったよ(いや、今でも本当はJ SPORTSにお願いしたいンだけどね)。

新橋演舞場 花形歌舞伎の感想up。サイトトップからどうぞ〜。

◎本日の読書
 『水滸伝(2)』北方謙三

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2006年12月 1日 (金)

巨星墜つ

11月20日、ロバート・アルトマン監督、癌に伴う合併症のためロサンゼルス市内の病院で死去。享年81。
11月29日、実相寺昭雄監督、胃癌のため都内の病院で死去。享年69。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

◎本日の読書
 『水滸伝(1)』北方謙三

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