« あんまり思い出したくないけど | トップページ | 『牧阿佐美の椿姫』のチラシ »

2007年6月16日 (土)

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』

2007年6月15日(金)〜17日(日) ゆうぽうと簡易保険ホール
http://ambt.jp/

[作曲]ピョートル・I・チャイコフスキー
[脚本]マリウス・プティパ、イワン・フセボロージスキー(シャルル・ペローの原作より)
[演出・振付]テリー・ウエストモーランド(マリウス・プティパによる)
[美術]ロビン・フレーザー・ペイ
[指揮]アンドレイ・アニハーノフ
[管弦楽]ロイヤルメトロポリタン管弦楽団

オーロラ姫:伊藤友季子
フロリモンド王子:逸見智彦
リラの精:笠井裕子
カラボス:本多実男
フロレスタン24世王:京谷幸雄
王妃:坂西麻美

リラの精のカバリエール:塚田渉
水晶の泉の精(美):佐々木可奈子
そのカバリエール:徳永太一
魅惑の庭の精(勤勉):奥田さやか
そのカバリエール:中島哲也
森の聖地の精(優雅):小橋美矢子
そのカバリエール:今勇也
歌い鳥の精(雄弁):坂本春香
そのカバリエール:邵智羽
黄金のぶどうの精(活気):吉岡まな美
そのカバリエール:菊地研
カタラブット:山内貴雄

フランス王子:菊地研
インドの王子:塚田渉
ロシアの王子:徳永太一
スペインの王子:今勇也

ギャリソン(王子の副官):今勇也
公爵夫人:橋本尚美

金の精:今勇也
銀の精:奥田さやか
サファイアの精:中島哲也
ダイアモンドの精:小橋美矢子
白猫:茂田絵美子
長靴をはいた猫:保坂アントン慶
フロリン王女:佐藤朱実
ブルーバード:菊地研
赤ずきん:森脇友有里
狼:塚田渉

いささか盛り上がりに欠ける舞台でございました。一番の要因は、オーロラ姫の伊藤友季子の資質でしょう。幸薄そうで、愛されて育った姫という感じがしないのよね。う〜む、彼女には悲劇の方が似合うのかも。
踊りに関しては、2幕《幻影の場》で滑ってしまったこと以外、大過なかったような。ま、あれはアクシデントのようなもので、却って緊張が解けたのか、目覚めのパ・ド・ドゥから結婚式にかけては実にのびやかに踊っていた(怪我の功名?)。
課題は演技かな。全体的に平板で、ヒロインの成長に合わせた演じ分けはまだまだこれから。

フロリモンド王子の逸見智彦は普通によかったと思われ。ノーブルさも着地の甘さも相変わらず。うん、素敵でした。グラン・パ・ド・ドゥの途中で取れてしまった逸見のエクステ(?)を、慌てず騒がず優雅に拾う邵智羽。偉いぞ。

リラの精の笠井裕子は緊張していたのかしらん? プロローグはちょっと固かったかな。舞台に君臨するような存在感も足りなかった。とは言え、長い手脚を活かした美しいアラベスクや時折こぼれる上品な色気は魅力的。
カラボスの本多実男が、これまた小さくまとまっちゃって全然面白くない。善と悪の対立が明確にならなかったことも、今回の舞台が盛り上がらなかった一因かも。

全幕フル稼働の菊地研はイマイチ冴えなかったわ。中でも、一番期待していたブルーバードが一番凡庸な出来。別にミスがあったわけではないけど、今の彼ならもっと踊れる筈……たぶん。フランス王子をノーブルにまとめていたのはGood! どの幕にも必ず出ているのはファンとして嬉しいけど、働かされ過ぎという気がしないでもない。他にも、塚田渉や今勇也も酷使されていたし、『眠り』を上演するには人手不足?
そう言えば、前回(感想はこちら)、スペイン王子に扮した菊地研はイヤリングやらリングやらアクセサリーをじゃらじゃらつけていたのに、今勇也は何もつけていなかった。ま、大して意味はないけど、気になったので。

顔と名前が一致しないダンサーが多くて、未だ世代交代真っ最中、って感じ。コール・ドは揃えることばかりに汲々として音楽的じゃないし、以前からスパスパした踊り方だったのがより顕著になってマスゲーム化しているし。ただ、プログラムを見たら、志賀三佐枝がバレエミストレスにクレジットされていたので、これから徐々に改善されていくことを祈りましょう。

フロリン王女の佐藤朱実が素晴らしい〜。ポーズの美しさは格別っす。
橋本尚美が気品溢れる公爵夫人を好演。黄金のぶどうの精(活気)の吉岡まな美もダイナミックな踊りで印象に残る。
指揮のアンドレイ・アニハーノフはさすがですね。あのロイヤルメトロポリタン管弦楽団をよくここまでコントロールしたわ、と感心しきり。

|

« あんまり思い出したくないけど | トップページ | 『牧阿佐美の椿姫』のチラシ »

2007年鑑賞記録」カテゴリの記事