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2007年7月 2日 (月)

ルジマトフのすべて 2007

2007年6月29日(金)〜30日(土) 新国立劇場 中劇場
2007年7月2日(月) 東京国際フォーラム ホールC
http://www.koransha.com/

いや〜、無理して行ってよかった! 鬱々とした気分が一掃されました。ついでに、イーゴリ・コルプに完全に陥落されました(はぁと)。

本日は当日券を購入。残っていたのは2〜3階席のみ。そういう時に限って、オペラグラスを忘れるのよ。借りればいいと思っていたら、会場での貸し出しもなし。
ってことで、細部はよくわからなかったけど、それはそれで趣ありました(笑)。

【第1部】

『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]L. ミンクス [振付]M. プティパ

エレーナ・エフセーエワ、ミハイル・シヴァコフ
ヴァリエーション:アリョーナ・ヴィジェニナ

いきなり『ドン・キ』で始まるというのが嬉しい。たとえ録音だとしても、音楽が始まった途端、気持ちが沸き立つのが自分でもよくわかる。『ドン・キ』って、何でこんなに幸せな気分になるンだろう。そのうえ、エフセーエワがすんごく華やかで開放感があって、こちらのボルテージはさらにup! 初っ端から盛り上がるわ〜。彼女の踊りにはちょっとしたタメがあって、それが次のポーズの美しさを際立たせるのね。
シヴァコフはもうちょっと弾けてもよかったような。
ヴァリエーションはひとりだけ。ヴィジェニナは見せ方が未熟なのかしらん? 美人なんだけど、イマイチ印象が薄い。

『シェヘラザード』よりアダージョ
[音楽]N. リムスキー=コフサコフ [振付]M. フォーキン

ユリア・マハリナ、ファルフ・ルジマトフ

遠目だったせいか、ルジマトフが性を超越した存在に見えて、そんなにエロエロじゃなかった。ってゆうか、むしろ清冽な印象を受けたというか。
とは言え、このふたりのパートナーシップが素晴らしいのは確かで、いいもの見せてもらったな、と。

『マラキ』 *世界初演
[音楽]J. ボック [振付]D. ピモノフ

イーゴリ・コルプ

背中に羽根を背負ったコルプ。妖しさと可愛らしさが同居するevil cuteな天使。途中でコートを脱いだり、眼鏡をかけたり。


素敵……


淀みなく動き続けているのに、どの一瞬を切り取っても美しい。あと、ユニークだと思ったのが、“軽さ”の感覚。「空気のような」とか、「重力を感じさせない」とは、ちょっと違う。肉体の重さを感じさせながら、それでもなお、軽やか。何なのでしょうね、あれは。

『白鳥の湖』より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]P. チャイコフスキー [振付]M. プティパ、L. イワーノフ

ヴィクトリア・クテポワ、アルチョム・プハチョフ

プロフェッショナルな集団の中に生徒がひとり入っちゃいました、って感じ? プハチョフ先生、ご苦労様です。彼、踊りは端正なんだけど、生え際はすんごいことになっておりました。

『牧神の午後』(『ニジンスキーの肖像』より)
[音楽]C. ドビュッシー [振付]V. ニジンスキー
[改訂振付・演出]F. ルジマトフ

ユリア・マハリナ、ファルフ・ルジマトフ

初見。非常にセクスィで大人の雰囲気。衣裳もお洒落。『シェヘラザード』よりもこっちの方に、より濃厚なエロティシズムを感じた。

【第2部】

『道』
[音楽]T. アルビノーニ [振付]D. メドヴェージェフ

ユリア・マハリナ

私は《アルビノーニのアダージョ》に弱いのよ。あの旋律が聴こえてくると、条件反射のように泣きたくなるのよ。はぁ、困った。
それはそれとして。
内容は、マハリナの半生を描く……みたいな? 彼女の長い手脚とシャープなラインを活かした洒脱な小品、とでも言いましょうか。

『海賊』よりグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]R. ドリゴ [振付]M. プティパ、V. チャブキアーニ

イリーナ・ペレン、イーゴリ・コルプ

ペレンが出てくると、パーッと舞台が明るくなる。洗練の極みのようなマハリナの後には、これぐらい屈託のないダンサーじゃないと気分が変わらないさね。
その屈託のないペレンの背後で、あまりにも妖しいコルプ。アリ? ねぇ、これアリ?
メドーラを売り飛ばして一儲けしようと企んでいるのとも違う。『海賊』の物語などどうでもよくなってしまうような、何かそんな妖しさ。しかも、時に悲哀すら漂わせ。なんつーか、ブラックホール? それでいて隅々まで優美で、サポートは万全。完全に化けましたね、この人。

『阿修羅』
[音楽]藤舎名生 [振付]岩田守弘

ファルフ・ルジマトフ

ミリ単位にまでこだわって磨き上げた彫像のような身体の持ち主であるルジマトフに阿修羅を踊らせてみたくなる気持ちはよくわかる。アイデアは悪くないと思うンだけど、邦楽の使用とか、「阿修羅」の書とか、ベタ過ぎるのかしらん?
途中、1階席のあたりで携帯電話が鳴ったのよね。しかも、かなり長時間。お願いだから、劇場では電源を切って下さい。
ここで一旦、カーテンコール。

【第3部】

『ブレリア』
[音楽]P. ガルシア [振付]R. C. ロメロ

ロサリオ・カストロ・ロメロ、リカルド・カストロ・ロメロ
ホセ・カストロ・ロメロ

まるでセッション。できれば、音楽もLIVEで聴きたかった。リカルドのサパテアードがそれはそれは見事で、思わず声を上げそうになる。

『ボレロ』
[音楽]M. ラヴェル [振付]R. C. ロメロ

ファルフ・ルジマトフ
ロサリオ・カストロ・ロメロ、リカルド・カストロ・ロメロ
ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ、アナ・デル・レイ・グエラ
ハビエル・ロサ・フランシスコ、ホセ・カストロ・ロメロ

一定のリズムを刻みながら単純なメロディを繰り返し、最高潮を迎えた直後でお終い……という曲の構成上、振付も繰り返しが多くなってしまう(特に後半)ところを、パルマやサパテアードが彩りを添える。何だかんだ言って、スペインの三拍子は血が騒ぐわ。
ダンサーとしての出自の違いやルジマトフのカリスマ性を前提にした作りはよかったかも。設定を神話の世界に置いたことで、バレエとフラメンコ、それぞれの差異をあるがままに受け入れることができた気がする。

客席の盛り上がりに応えて、後半のみ踊ってくれました。カーテンコールもたっぷり。ファンの花束攻勢もたっぷり。いろんな意味でお腹一杯でございます。

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