« 気合い入っています | トップページ | 夏の終わりのひとりごと »

2007年8月30日 (木)

ロシア・バレーのスターたち〜ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演

◆プログラムA
2007年8月30日(木)、9月1日(土) 新国立劇場 オペラ劇場
http://www.japanarts.co.jp/

[指揮]パーヴェル・ソローキン(ボリショイ・バレエ)
    アレクサンドル・ボリャニチコ(マリインスキー・バレエ)
[管弦楽]東京ニューシティ管弦楽団
[ピアノ]アレクサンドラ・ジーリナ(『3つのグノシエンヌ』のみ)

1部がボリショイ、2部がマリインスキーと、きっちり分かれた構成(Bプロは逆になるそうな)。ふたつのバレエ団をシャッフルするのも、それはそれで難しそうだものね。初日のせいかハジけっぷりが少々足りない気もしたけど、全員集合のフィナーレで一気に盛り上がる。カメラが数台入っていたので、TV放映あるかも〜。

【ボリショイ・バレエ】

『エスメラルダ』
[振付]ニコライ・ペリオソフ
[音楽]リッカルド・ドリゴ、チェーザレ・プーニ、ロムアルド・マレンコ

エカテリーナ・クリサノワ、ドミートリー・グダーノフ

初日の初っ端だからかな、ふたりともメチャメチャ固かったですね。タンバリンを打ち鳴らすクリサノワのヴァリアシオンとか、もっとハジけて欲しかった〜。
グダーノフのサポートがグダグダ(洒落じゃないですぅ、念のため)なのに驚いた。どちらかと言うと小柄な方だし、サポート苦手なタイプ?

『マグリットマニア』
[振付]ユーリー・ポーソホフ
[音楽]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ユーリー・クラサーヴィン

ネッリ・コバヒーゼ、アルテム・シュピレフスキー

これはもう、コバヒーゼの脚に尽きる。深いスリットの入った赤いドレスから覗く美脚にうっとり〜。思わず溜息が漏れる。
ベートーヴェンと「アヴァンギャルド(死語?)の作曲家」クラサーヴィンが混在する音楽がなかなか笑える。

『海賊』より〈奴隷の踊り〉
[振付]マリウス・プティパ [音楽]オリデンブルク公爵

ニーナ・カプツォーワ、アンドレイ・メルクーリエフ

カプツォーワ、可愛いー! 踊りもと〜ってもチャーミング。ンが、あの衣裳は何ですか? チロリアンというか、アルプスの少女ハイジというか、とにかく妙に牧歌的。少なくとも海の雰囲気じゃないよな……って、衣裳にばかり気を取られてしまったお馬鹿なワタクシ。

『ジゼル』
[振付]ジュール・ペロー、ジャン・コラーリ、マリウス・プティパ
[音楽]アドルフ・アダン

スヴェトラーナ・ルンキナ、ルスラン・スクヴォルツォフ

『ジゼル』って、正直、あんまりガラで観たいとは思わないなぁ。登場してすぐあの世界観に観客を引き込めるだけの技量があるダンサーならともかく、そうでないと中途半端な印象で終わってしまうような。今回もそんな感じ。ルンキナの儚げな美しさはよかったけど。

『ファラオの娘』
[振付]ピエール・ラコット [音楽]チェーザレ・プーニ

マリーヤ・アレクサンドロワ、セルゲイ・フィーリン

見事に揃ったクリアな脚捌きに惚れ惚れ。ってゆうか、細かい脚捌きしか見所ないンだよね、これ。でも、そんな退屈な振付もアレクサンドロワとフィーリンが踊ると何だか凄そうに見えてくる不思議。いや〜、ふたりともさすがだわ。

『パリの炎』
[振付]ワシーリー・ワイノーネン [音楽]ボリス・アサフィエフ

ナターリヤ・オシポワ、イワン・ワシーリエフ

テクニックてんこ盛りで、如何にもガラ向きな演目。それをまた、ふたりともケレン味たっぷりに踊って、1部の最後を盛り上げていた。
最後、ワシーリエフの左膝に血が滲んでいたような。着地の時にタイツが破れて擦りむいたのかしらん?(それぐらい激しかったわけで)

【マリインスキー・バレエ】

『ばらの精』
[振付]ミハイル・フォーキン [音楽]カール・マリア・フォン・ウェーバー

イリーナ・ゴールプ、イーゴリ・コールプ

今回もコールプは噎せ返るような妖艶フェロモンをだだ漏れさせておりました。ンが、初見の時(マリインスキー・バレエ|オールスター・ガラ【第2部】)ほどインパクトがなかったのは、ゴールプ(ふたりとも似たような名前でややこしいわ)の濃さ故? 小麦色の肌に真っ青なアイシャドー。あれでは、いくら何でも社交界にデビューしたばかりの少女には見えないだろう。ちなみに、日焼けしたダンサーは他にもいたけど、このふたりが一番焼けていたような(そうなのよ、コールプも日焼けしていたのよ)。

『サタネラ』(ヴェニスの謝肉祭)
[振付]マリウス・プティパ [音楽]チェーザレ・プーニ

エフゲーニヤ・オブラスツォーワ、ウラジーミル・シクリャローフ

ほんっとにキュートだし、楽しそうに踊っているのはわかるンだけど、サポートはもっと頑張りましょう!>シクリャローフ
オブラスツォーワがお気の毒。彼にペースを乱されたのか、途中まで見事なバランスやポワント・ワークを披露していたのに、フェッテの最後で思いっきりよろけちゃったのよね。残念。

『3つのグノシエンヌ』
[振付]ハンス・フォン・マネン [音楽]エリック・サティ

ウリヤーナ・ロパートキナ、イワン・コズロフ

ロパートキナはもちろん、7月に移籍したばかりのコズロフが、これまた素敵。長身で頼り甲斐のあるパートナー。しかも、サポートも洗練されている。まだ若いのに、立派なものだわ。
それにしても、ロパートキナは何を踊っても音楽的。もうねぇ、最初の1小節からサティなのよん。カーテンコールで引っ込んでも拍手は鳴り止まず、再度登場。ある意味、ロパートキナ・ガラのような。

『ディアナとアクテオン』
[振付]アグリッピーナ・ワガーノワ [音楽]リッカルド・ドリゴ

エカテリーナ・オスモールキナ、ミハイル・ロブーヒン

すみません。前後の印象が強烈過ぎて、ほとんど記憶に残っておりません。

『グラン・パ・クラシック』
[振付]ヴィクトール・グゾフスキー
[音楽]ダニエル・フランソワ・オーベール

ヴィクトリア・テリョーシキナ、アントン・コールサコフ

メチャメチャ男前やわ、テリョーシキナ。でも、その押し出しの良さが決して下品にはならず、実に、実に実にエレガント。
対するコールサコフは最初こそ地味な印象で、「テリョーシキナの引き立て役かい?」などと思ってしまったけど、どうしてなかなか健闘していたわ。
この組も鳴り止まぬ拍手に、再度登場。

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
[振付]ジョージ・バランシン
[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

アリーナ・ソーモワ、アンドリアン・ファジェーエフ

う〜む、ソーモワは何か勘違いしていないか? 「私を見て!」どころか、「音楽も振付もパートナーも、すべて私のためにある」と思っていそう。いや、実際そう思っているかどうかは知らないけど、そう見えてしまうのよ。顔は小さいし、手脚は長いし、素材としてはいいものを持っていると思うンだけど。
ってことで、ファジェーエフは割を食っちゃった感じ。

『瀕死の白鳥』
[振付]ミハイル・フォーキン [音楽]カミーユ・サン=サーンス

ウリヤーナ・ロパートキナ

たった2〜3分の小品なのに、何ともドラマティック。指先から爪先まで精緻にコントロールされた動き。迸る詩情。堪能させていただきました。やっぱり彼女は特別な存在なのね。
拍手が鳴り止まなかったのは言うまでもない。

『ドン・キホーテ』
[振付]アレクサンドル・ゴールスキー [音楽]ルードヴィヒ・ミンクス

オレシア・ノーヴィコワ、レオニード・サラファーノフ

サラファーノフがノリノリ。相変わらず、涼しい顔で超絶技巧をバシバシ決めておりました。美しいトゥール・ザン・レールの連続には今回も感嘆しきり。ほんっとに軽いよね、この人。
それに比べて、ノーヴィコワは少々おとなしかったような。撓り具合はいい感じなんだけど、踊りにもうちょっとタメがあると嬉しいな。フェッテの途中で一度落ちちゃったのを見事に持ち直した根性はさすが。

この組が終わると、いきなりフィナーレに突入。それぞれの組が次から次へと技を披露して、最後は全員集合で決めポーズ。公式ブログのリハーサルレポートに載っている一番下の写真からご想像下さい(この写真のロパートキナ、正座姿が何とも愛らしい)。

終わってみれば、皆がそこそこ及第点を叩き出したボリショイと、「をを!」と「あちゃ〜」が交互に出てきたマリインスキー、って感じ。そこはかとなく日焼けしているダンサー、若干名。いいのかなぁ?
ワタクシ的には、「やっぱ、バレエはロシアだな」ということと「やっぱ、ガラより全幕だな」ということを認識したAプロでした。

|

« 気合い入っています | トップページ | 夏の終わりのひとりごと »

2007年鑑賞記録」カテゴリの記事

イーゴリ・コールプ」カテゴリの記事