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2007年9月 2日 (日)

ロシア・バレエのスターたち〜ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演

◆プログラムB
2007年9月1日(土)〜2日(日) 新国立劇場 オペラ劇場
http://www.japanarts.co.jp/

[指揮]アレクサンドル・ボリャニチコ(マリインスキー・バレエ)
    パーヴェル・ソローキン(ボリショイ・バレエ)
[管弦楽]東京ニューシティ管弦楽団


えがったー!


今日は興奮したなぁ。やっぱ最終日に向けて、皆さん、調子を上げてきたような。これぐらい粒揃いなら(ひとりだけ、要サポート特訓なのには目を瞑ろう)ガラ公演もいいわ〜。

【マリインスキー・バレエ】

『アルレキナーダ』
[振付]マリウス・プティパ [音楽]リッカルド・ドリゴ

エフゲーニヤ・オブラスツォーワ、アントン・コールサコフ

コロンビーナとアルレキンでいいのかな? オブラスツォーワがキュート。本物のお人形さんみたい。ただ、ポール・ド・ブラがイマイチ優雅さに欠けるような。
さすがに今日は、ステージも客席も初っ端からリラックスしていた。

『病めるばら』
[振付]ローラン・プティ [音楽]グスタフ・マーラー
*録音テープによる演奏

ウリヤーナ・ロパートキナ、イワン・コズロフ

冒頭に流れるのはウィリアム・ブレイク『The Sick Rose』のフランス語訳と思しき朗読(詩の内容はこちらをご覧下さい)。
この詩は単純に「害虫にやられて薔薇が枯れちゃったよ〜」ってだけの話じゃなくて、愛を謳った象徴詩でもあるそうな。そこはかとなく官能的で、プティが好きそうでしょう(笑)。
ロパートキナにしては珍しく、ほんの一瞬ふらついたンだけど、「彼女も人の子だったのね」と、変な納得の仕方をしてしまった。
薔薇の花びらが散りゆく様が美しい。残念なのは、録音の状態があまりよくなかったこと。

『眠れる森の美女』第3幕より
[振付]マリウス・プティパ [改訂振付]コンスタンチン・セルゲーエフ
[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

アリーナ・ソーモワ、アンドリアン・ファジェーエフ

ソーモアに華があるのは確かだけど、なんつーか、非常に派手派手しいというか。まだ若いし、too muchな部分が削ぎ落とされればよくなるのかな……ってゆうか、よくなることを願いたい。
ファジェーエフは実に真っ当な王子様。だ・か・ら、金髪を靡かせながら踊るのは反則だってば。

『ジゼル』
[振付]ジュール・ペロー、ジャン・コラーリ、マリウス・プティパ
[音楽]アドルフ・アダン

オレシア・ノーヴィコワ、ウラジーミル・シクリャローフ

シクリャローフのサポートは、“苦笑”や“失笑”の域は超えているよね、完全に。ジゼルとしての評価はおいといて、ノーヴィコワの体重の消し方はほんっとに見事で、「もしかしてワイヤーで釣っている?」ってなぐらい軽いのに、シクリャーロフがサポートした途端、重く見えちゃうンだもの。あれではいくら何でもヤバいでしょう。
カーテンコールで見せたノーヴィコワの冷ややかな表情は、ジゼルのキャラになっていたからだけではないと思われ。

『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』よりアダージョ
[振付]ウィリアム・フォーサイス [音楽]トム・ウィレムス
*録音テープによる演奏

イリーナ・ゴールプ、イーゴリ・コールプ

いや〜、面白いもの観たな。以前、NHK教育で放送された『スーパーバレエレッスン』で、マニュエル・ルグリが「キーロフ・バレエの『イン・ザ・ミドル〜』は別物」みたいなことを語っていたけど、確かに別物に見えた(ん? あれはソロに関して語っていたンだっけ?)。
それはともかく、どうしてアダージョだけなのさ。もっと踊ってくれよぉ(泣)。

『タリスマン』
[振付]マリウス・プティパ [音楽]リッカルド・ドリゴ

エカテリーナ・オスモールキナ、ミハイル・ロブーヒン

Aプロでは前後の印象があまりにも強烈で、全然記憶に残らなかったオスモールキナとロブーヒン。今日は大丈夫。ふたりとも躊躇いのない踊りが気持ちいいっす。
ロブーヒンはマリインスキーのワイルド担当なのかしらん? 確か、前回(マリインスキー・バレエ|オールスター・ガラ【第2部】)も片肌脱いでいたような……と思ったら、あの時もオスモールキナと『タリスマン』を踊っていたのね。すっかり忘れておりました。

『瀕死の白鳥』
[振付]ミハイル・フォーキン [音楽]カミーユ・サン=サーンス

ウリヤーナ・ロパートキナ

今日もいいものを見せていただきました。
ンが、カーテンコールのロパートキナを撮影している人がいた。上の階でフラッシュが光ったぞ。それも1度や2度じゃなかったような。

『海賊』より〈第2幕のパ・ド・ドゥ〉
[振付]ピョートル・グーセフ [音楽]リッカルド・ドリゴ

ヴィクトリア・テリョーシキナ、レオニード・サラファーノフ

もしかして、アリは7月のコールプ(ルジマトフのすべて 2007【第2部】)がデフォルトになってしまった? いくら何でもそれはマズかろう。>ぢぶん
でも、サラファーノフがどんなに素敵に跳んだり回ったりしても、ちっとも満足できないンだよね。うー、困った。
そして、テリョーシキナの踊りはどこまでも正しく美しい。

【ボリショイ・バレエ】

『ばらの精』
[振付]ミハイル・フォーキン [音楽]カール・マリア・フォン・ウェーバー

ニーナ・カプツォーワ、イワン・ワシーリエフ

ワシーリエフはテクニック的には無問題だと思います。ただ、全然、薔薇の精には見えないだけで。ってゆうか、これもコールプが私のデフォルトになってしまっているのよ。彼の腕。そこだけ別の生き物のように蠢くあの妖艶な腕がないと、この作品を観た気にならない……って、何故にボリショイの『ばらの精』でコールプを語る?>ぢぶん
カプツォーワの少女は、社交界にデビューしたての初々しさと異性に対する淡い憧れ、どちらもよく出ていた。

『ライモンダ』よりアダージョ
[振付]マリウス・プティパ [改訂振付]ユーリー・グリゴローヴィチ
[音楽]アレクサンドル・グラズノフ

ネッリ・コバヒーゼ、アルテム・シュピレフスキー

長身のシュピレフスキーが白いマントを翻す。ただそれだけで絵になる。2005年に観たベルリン国立バレエ団の『ラ・バヤデール』『ニーベルングの指輪 −“指輪”をめぐる物語−』では、デカイだけであまりいい印象はなかったけど、少なくともあの時よりはよくなったような気がする。「気がする」というのは、A・Bプロともサポートがメインで、ほとんど踊りらしい踊りがなかったから。
コバヒーゼは去年の来日公演では『ラ・バヤデール』の幻影を踊っていた。あの時も思ったけど、彼女のほっそりした優美なラインはまさに私のツボ。

『白鳥の湖 』より〈黒鳥のパ・ド・ドゥ〉
[振付]マリウス・プティパ [改訂振付]ユーリー・グリゴローヴィチ
[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

エカテリーナ・クリサノワ、ドミートリー・グダーノフ

ここはグリゴローヴィチによる改訂版が続くのね。
クリサノワの奇を衒わない踊りに好感を抱く。Aプロとは違って、グダーノフは普通にサポートしていた。でも、たまに腰が引けたり、表情が固かったり。

『スパルタクス』
[振付]ユーリー・グリゴローヴィチ
[音楽]アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン

スヴェトラーナ・ルンキナ、ルスラン・スクヴォルツォフ

Aプロではイマイチと思ったルンキナが、と〜ってもよかった。ちょっと大袈裟だけど、腕を広げた瞬間、脚を上げた瞬間、そこに世界が広がるのよ。身体が語るというか、紛れもなくドラマがあるというか。とにかくメチャメチャ興奮した!

『ミドル・デュエット』
[振付]アレクセイ・ラトマンスキー [音楽]ユーリー・ハーニン

ナターリヤ・オシポワ、アンドレイ・メルクーリエフ

う〜む、『イン・ザ・ミドル〜』の亜流って感じ?
オシポワは精密機械のよう。見事なボディコントロール。男女でイキを合わせるのって、結構、たいへんそうね。
「アヴァンギャルド(←また出た)の作曲家」ハーニンの音楽がなかなか笑える。意外とジャズとか現代音楽とかに妙な作曲家が多いンだよな、ロシアって。

『ドン・キホーテ』
[振付]マリウス・プティパ [改訂振付]アレクサンドル・ゴールスキー
[音楽]ルードヴィヒ・ミンクス

マリーヤ・アレクサンドロワ、セルゲイ・フィーリン

とりあえず、ハープ奏者は謝ろう。あの場にいたすべての人たちに謝ろう。Aプロで弾けていなかったのは「ま、初日だし」と許したけど……最終日になっても弾けないのか、己はっ!(怒)
ンが、そんなことも吹っ飛ぶぐらい素晴らしい『ドン・キホーテ』でございました。ゴージャスでエレガントで大人な雰囲気のキトリとバジル。アレクサンドロワの正確なテクニックとたっぷり効かせたタメが気持ちよく、フィーリンも床屋には見えないぐらい典雅(えっと、彼は跳躍系は苦手なのかしらん? そこはかとなくシンプルになっていたような)。この公演の最後に相応しい踊りを見せていただきました〜。

カーテンコールでの盛大な紙吹雪&紙テープが、これまた楽しかった。ダンサーの姿が見えないぐらい大量に、それも2回も降らせて。一瞬、「こんなに素晴らしい公演なのに、どうして完売しない?!」と、ジャパン・アーツが自棄を起こしたのかと思ったよ(笑)。

2008年はボリショイ・バレエ、2009年はマリインスキー・バレエ、ってことは、2010年にはこの合同ガラ再び?

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