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2007年11月10日 (土)

新国立劇場バレエ団『牧阿佐美の椿姫』

2007年11月4日(日)〜11日(日) 新国立劇場 オペラ劇場(オペラパレス)
http://www.nntt.jac.go.jp/

[振付・演出]牧阿佐美 [作曲]エクトール・ベルリオーズ
[編曲・指揮]エルマノ・フローリオ
[舞台装置・衣裳]ルイザ・スピナテッリ [照明]沢田祐二
[管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団

マルグリット・ゴーティエ:本島美和
アルマン・デュヴァル:菊地研

デュヴァル卿(アルマンの父):ゲンナーディ・イリイン
伯爵:イルギス・ガリムーリン
プリュダンス:湯川麻美子
ガストン:中村誠

ナニーヌ(召使):堀岡美香
村人:高橋有里、さいとう美帆、八幡顕光

ジプシー:寺島ひろみ
メヌエット:マイレン・トレウバエフ、吉本泰久
アラブ:寺島まゆみ、冨川祐樹
チャルダッシュ:遠藤睦子、西山裕子、丸尾孝子
タランテラ:さいとう美帆、グリゴリー・バリノフ、福田圭吾

「開場10周年記念フェスティバル公演」と銘打たれた07/08シーズンのオープニングを飾る新制作の割には、何がしたかったのかよくわからない中途半端な作品でございました。

なんつーか、振付と演出と音楽に一貫性がなくて、物凄くチグハグな印象。
原作小説の設定を忠実に残しているけど、物語はヴェルディのオペラにほぼ依拠しました、とか。ただし、オペラの曲だと制約も出てくるので、音楽はベルリオーズにしました、とか。
でもって、マクミランあたりの演劇的要素は意識しつつ、やっぱりバレエは19世紀ロシアよね、みたいな。
中でも、2幕のディヴェルティスマンには我が目を疑いましたわ。「純愛に生きたマルグリットとアルマン」を描きたかったのなら、ふたりの恋愛に焦点を絞ればいいのに。とは言え、ダンサーの個性を的確に捉えていて、ここの振付が一番まともだったりするンだけど(苦笑)。

マルグリットの本島美和はとにかくキレイで、豪奢な暮らしをしている高級娼婦の華がある。ただ、いささか感情表現が大味というか、もう少し丁寧にマルグリットの心情を紡いでいって欲しかったな。ま、これは振付の問題もあるかも。娼婦と言えば“仰け反って哄笑”では、あまりにも芸がなさ過ぎです。

アルマンの菊地研は普段より押さえ気味だったような。アウェイだから慎重になっていたのかしらん?
「この程度の作品なら、別に彼が踊らなくてもよかったよー」と思う反面(失礼な発言ですね、すみません)、わざわざ牧阿佐美バレヱ団からゲストに迎えたことを、観客(特に、新国立劇場のファン)に納得させることができたかというと、それはそれで微妙だったり。
燕尾服にタイツという衣裳もねぇ……。もともとプロポーションがいいダンサーじゃないし、脚のラインもそれほど美しいわけではないから、かなり切ない気分になってしまった。
ンが、カーテンコールで安堵したように大きく息を吐く姿を目にしたら、それまでのもやもやは一気に吹っ飛び、「しんどかったよね、アウェイだものね、無事に終わってよかったね」と、ほとんど親戚のおばちゃん状態に(笑)。

とりあえず、今回の収穫はガストンの中村誠かな。メチャメチャ素敵で、川村真樹との『白鳥の湖』が俄然楽しみに。あと、ジプシーの寺島ひろみ。断トツの美しさ!
椅子に座る際、伯爵のガリムーリンはジャケットの裾を後ろにサッと払っていたので、さすがに細かいところまで気がつくな、と感心いたしました。

スピナテッリの舞台装置は、装置とは名ばかりで「緞帳幕やホリゾント幕に描いたフランス印象派の絵」ばかり。考えてみれば、牧阿佐美改訂振付『ライモンダ』牧阿佐美バレヱ団『ア ビアント』も似たようなものだったから、こういうタイプの舞台美術家なんでしょう。

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