« 現実とファンタジー | トップページ | ま、気長にいこうよ »

2007年12月16日 (日)

PARCO PRODUCE『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』

2007年12月7日(金)〜30日(日) PARCO劇場
http://www.parco-play.com

[作]マーティン・マクドナー [訳]目黒条 [演出]長塚圭史
[美術]二村周作 [衣裳]前田文子 [照明]佐藤啓
[音響]加藤温 [ヘアメイク]高橋功亘

モーリーン・フォラン:大竹しのぶ
マグ・フォラン:白石加代子
パト・ドゥーリー:田中哲司
レイ・ドゥーリー:長塚圭史(黒田勇樹 体調不良のため代役)

ラジオの声:岡田誠
アンダースタディ:杉野俊太郎

アイルランドの最西部コネマラ地方にあるに小さな町リナーンで、かつて「リナーン一の美女」と謳われたモーリーンと年老いた母親マグが、互いの憎しみをぶつけ合いながら暮らしている。

狭くて古めかしい田舎屋。窓の外には荒涼たる大地。丘の上にひっそりと立つその家を、訪れる者は少ない。そんな閉塞感いっぱいの居間兼台所で繰り広げられる悪意に満ちた言葉の応酬。名女優同士がっぷり四つの演技バトルに、終始、圧倒されっ放し。ってゆうか、ふたりのやり取りがあまりにも生々しく、そう遠くない未来、母親の世話をする自分を想像しては暗澹とし、途中で思考そのものを放棄してしまったような。う〜む。

日常生活の丁寧な描写と小道具の使い方が効いている。伏線の張り方も巧く、二幕では、パズルのピースがカチカチと嵌っていくような、オセロの石が一気に裏返っていくような、そんな快感を味わう。

終盤。レイがモーリーンに言う「あんた、お母さんにそっくりになってるよ」というセリフに背筋が寒くなる。パトと一緒にボストンで暮らすというファンタジーも潰えた今、彼女に残された道は、ただ母親のように老いていくことだけなのか……。

体調不良で降板してしまった黒田勇樹。レイ役が合いそうだっただけに、残念だわ〜。

|

« 現実とファンタジー | トップページ | ま、気長にいこうよ »

2007年鑑賞記録」カテゴリの記事