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2008年1月26日 (土)

レニングラード国立バレエ −ムソルグスキー記念/ミハイロフスキー劇場−『ドン・キホーテ』

2007年12月23日(日)〜2008年1月26日(土) Bunkamura オーチャードホール ほか
http://www.koransha.com/

キトリ:アナスタシア・コレゴワ(ゲスト・ソリスト)
キトリの友人:アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、サビーナ・ヤパーロワ
ガマーシュ:マクシム・ポドショーノフ
エスパーダ:デニス・モロゾフ
大道の踊り子:オリガ・ステパノワ
森の女王:オクサーナ・シェスタコワ
キューピット:エレーナ・ニキフォロワ
ファンダンゴ:アリョーナ・ヴィジェニナ、アントン・チェスノコフ
ヴァリエーション:オリガ・ステパノワ、イリーナ・コシェレワ
昨日と違うキャストのみ

以前と比べてプロローグがシンプルに。演出面の変更は他にもいくつかあって、このカンパニーの特徴でもあったベタな印象が一掃されたような。ルジマトフ芸術監督の意向なのか?

ドン・キホーテのシェミウノフは年齢の割によくやっていたと思うけど、如何せん、老人になっていない。そもそもドン・キホーテという人物は、騎士道物語に心酔し、理想の騎士たらんとするあまり現実との間に軋轢が生じてしまうだけで、ただのボケ老人ってわけではないンだから、無理に老人を強調するのではなく、あの長身を活かした独自のドン・キホーテ像を描いてみるのも面白いと思うぞ。
しっかし、まだ若くて背も高くてお顔も悪くないのに、こういう役ばかり(ドン・キホーテの他に『バヤデルカ』の大僧正や『白鳥の湖』のロットバルト)キャスティングされるって、よっぽど踊りに問題があるのかしらん?

キトリのコレゴワ。顔は小さいし(おまけに顔のパーツがどれも大きいので、華やかったらありゃしない)、長い手脚が描くラインは美しいし、テクニックもあるし、ダンス的には文句ないンだけど、演技がなぁ……。なんつーか、自己完結しちゃっている感じ。せめてコルプと視線を合わせるぐらいのこと、して下さいな。でも、マリインスキーではまだソリストでもないのよね? ←メールでファーストソリストだと教えていただきました。ありがとうございます〜。ま、今後に期待ということで。
今日のコレゴワを観たら、昨日のペレンはよくやっていたな、と。

2日目なのでバジルの衣裳にも耐性はできていたけど、1〜2幕の“お洒落にしようとしてしきれていない感”が狙いなのか、マヂなのか、どうにも判断つかず。
それはともかく、ワタクシ的な今日のツボは、カスタネットをつけて客席を睨め付けながら一周するコルプ。バジルにあるまじき怖さ。ってゆうか、彼のバジルはこれまで描かれてきたようなバジル──ロシアがイメージするスペインの若者、ある意味、それは憧憬のような──とは違うわけで、確かに「誰もやったことのないバジル像」ではあるンだけど、評価は分かれそう。
片手リフトはキトリのタンバリンなし。2回とも辛うじて成功していたかな。

大道の踊り子のステパノワが素晴らしい。踊り子としての人生を感じました。いや、マヂで。
エスパーダのモロゾフは、気持ちに踊りがついていけてないというか、頑張っているンだけど方向性を間違えているというか。

1幕ラストはキトリとバジルが普通に手をつないで逃げて行く。昨日のリフトはカンパニーのプリマに敬意を表して、とか?

2幕の野営地ではジプシーの踊りを見ながら抱き合ってみたりと、コレゴワもコルプの演技に応えていたかな。ジプシーのノヴォショーロワが、舞台の端でコルプ相手の小芝居(手相占い)を延々やっていたのがGood!
続く夢の場のコレゴワは素敵でした。ある種のあざとさが必要なキトリより、長い手脚を活かして優雅に踊る“麗しの姫君”の方が断然向いている。“ドン・キホーテの夢の中にのみ存在する”というところまでは表現しきれていなかった気もするけど、一緒に踊ったシェスタコワも、夢の世界に君臨する森の女王というよりは現世の女王って感じだったので、バランスは取れていたかも。
そして、今日もミリツェワ、ロマチェンコワ、ハビブリナ、コシュレワ、コチュビラ、ヴィジュニナ、カミロワと、超強力な布陣で眼福。

酒場では、メルセデスのモストヴァーヤが今日もノリノリ。
キトリのダイブは慎重でつまらん。パートナーを信用して(数年前ならともかく、今のコルプはサポート万全なんだから)、思いっきり飛び込んで欲しかったぞ。
結婚を許された後のコルプの超高速シェネからバジルの喜びが伝わってくる。ほんっとに嬉しかったンだね(笑)。

結婚式。ファンダンゴの振付がメチャメチャつまらない。全て残せばいいってものでもないような。
バジルのヴァリアシオンは、やっぱコルプ仕様でしたね〜。バジルとしてはイマイチ冴えないンだけど、彼の持ち味には合っていたかも(技の名前がわからないので、詳しく説明できません。あしからず)。
コレゴワのグラン・フェッテには音楽性が感じられず、少々、気持ち悪かったです。ちなみに、扇はなし。
ってことで、コルプ祭の〆にしては、いささか爽快感に欠ける『ドン・キホーテ』でございました。はい。

カーテンコールにはルジマトフも登場(あ、昨日もいました)。客席の盛り上がりが尋常じゃなくて、いつまでも続く拍手も、ぢつはルジマトフに対してなのでは? などと、思ってみたり。

それにしても、コルプくん、

長丁場、本当にお疲れ様でした。

楽しませてくれてありがとう!

コルプを呼んでくれたルジマトフ芸術監督、ならびに、レニングラード国立バレエの皆様にも心からの感謝を捧げます。

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