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2008年5月25日 (日)

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』

2008年5月18日(日)〜25日(日) 新国立劇場 オペラ劇場(オペラパレス)
http://www.nntt.jac.go.jp/

[振付]マリウス・プティパ [演出・改訂振付]牧阿佐美
[作曲]レオン・ミンクス [編曲]ジョン・ランチベリー
[舞台美術・衣裳・照明]アリステア・リヴィングストン
[照明]磯野睦 [指揮]アレクセイ・バクラン
[管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団

ニキヤ:本島美和
ソロル:マイレン・トレウバエフ

ガムザッティ:西山裕子
ハイ・ブラーミン(大僧正):ゲンナーディ・イリイン
マグダヴェヤ:吉本泰久
黄金の神像:江本拓

トロラグヴァ:市川透
ラジャー(王候):森田健太郎
ジャンペの踊り:楠元郁子、堀口純

つぼの踊り:湯川麻美子
パ・ダクション
ブルー・チュチュ:川村真樹、寺島まゆみ、丸尾孝子、堀口純
ピンク・チュチュ:遠藤睦子、さいとう美帆、大和雅美、井倉真未
アダジオ:陳秀介、冨川祐樹

第1ヴァリエーション:丸尾孝子
第2ヴァリエーション:寺島まゆみ
第3ヴァリエーション:さいとう美帆

1幕1場 インドの寺院。ソロルの登場。
えっと、どうしてトレウバエフの日を選んだンだろう?>ぢぶん
しばし頭を悩ますぐらい昔に申し込んだセット券。あー、そうだ。本島 vs 西山による女の戦いが観たかったンだ。はいはい、思い出しました。

しっかし、メチャメチャ地味だぞ、トレウバエフ。テクニックがあって踊りもクリア、背が低い割にはサポートも無問題だけど、主役としての求心力に欠けるのよね〜。ってゆうか、そもそも勇猛果敢な戦士に見えないのがソロルとして致命的。

ニキヤの本島美和、ヴェールが取り払われた瞬間のオーラにはそれなりのものがあったけど、感情表現が大味なのか、気持ちが前に出てこない。容姿が華やかで、押し出しのいい踊りをするのに、勿体ないわ。そのくせ、どこか不穏な空気を漂わせていて、冒頭から悲劇を予感させたり。ま、ワタクシ的には、そんな彼女の芸風が好きなわけで(勝手に思っているだけですから、気にしないで下さい)。

ガムザッティの西山裕子は、とにかくマイムがわかりやすい。1幕2場のニキヤとの対決なんて、実際にセリフが聞こえてきそう。ただ、婚約式でのグラン・パ・ド・ドゥは、いまみっつ? ぐらいだったかな。期待していただけに、ちょっと残念。あと、あくまでも好みの問題とは思いつつ……少し可憐過ぎるような気がしないでもない。

《影の王国》は、ほんっとに素晴らしかったです。中でも、アラベスクで山を降りてくる際の、縦のラインの揃い方にはマヂで感嘆いたしました。立ち位置が揃っているだけでなく、手脚の高さや角度も見事に揃っていて、幻影たちが完璧なシンメトリーを描いているよう。あまりの美しさに陶然としてしまいました。

マグダヴェヤの吉本泰久が好演。
第2ヴァリエーションの寺島まゆみも、メリハリのある踊りで印象に残る。
黄金の神像の江本拓は跳躍の高さも踊りのキレも物足りなく、正直、期待外れ。

最後に牧阿佐美による改訂について。
「たぶん世界で一番短い『ラ・バヤデール』全幕」と言うだけあって、とても簡潔にまとまっていて、本作を初めて観る人でも充分楽しめると思われ。ンが、スピード感やわかりやすさを追求するあまり散文的な演出も目につき、なんつーか、“○曜サスペンス”みたいな2時間ドラマを観ている気分に襲われたり。
《影の王国》以外にダンス的見せ場がないのも、如何なものかと。

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