« 停電の余波 | トップページ | 下半期も何かと忙しい »

2008年7月16日 (水)

シアターコクーン・オンレパートリー2008『道元の冒険』

2008年7月7日(月)〜28日(月) Bunkamura シアターコクーン
http://www.bunkamura.co.jp/

[作]井上ひさし [演出]蜷川幸雄 [音楽]伊藤ヨタロウ
[美術]中越司 [照明]山口暁 [音響]井上正弘
[衣裳]小峰リリー [振付]前田清実 [歌唱指導]門司肇

主として道元に扮する男、男:阿部寛
主として懐奘に扮する男
 精神鑑定医A、良観、豪雲、公円、栄西、如浄、親鸞:木場勝己
主として義介に扮する男
 警官、赤橋政方、学生A、青年道元:北村有起哉
主として義演に扮する男
 精神鑑定医B、正覚尼の信男、源実朝、老典座、衆僧、日蓮:大石継太
主として義尹に扮する男
 鷹司兼平、学生B、明全、読書人、衆僧、壮年道元:高橋洋
主として禅僧一に扮する女
 彩雲、少年僧A、姑娘、衆僧、帝:神保共子
主として禅僧二に扮する女
 少年道元、赤橋の家来、姑娘、衆僧:栗山千明
主として禅僧三に扮する女
 正覚尼、男の妻、姑娘、衆僧、貴族A:横山めぐみ
主として禅僧四に扮する女
 玄雲、介添僧、少年僧B、姑娘、衆僧、貴族B:池谷のぶえ
主として禅僧五に扮する女
 泰雲、看護婦、姑娘、衆僧:片岡サチ

看護夫:手塚秀彰
観光バスガイドの女:茂手木桜子
御仏:金子文

シアターコクーン・オンレパートリー2005『天保十二年のシェイクスピア』シアターコクーン・オンレパートリー2007『藪原検校』に続く、井上ひさし×蜷川幸雄の第3弾。

寛元元年の興聖寺では、開山七周年を記念した余興芝居『道元禅師半世記』が、道元の同志たちによって上演されようとしている。やがて、彼らの芝居を観ながら、夢の世界に迷い込む道元。そこでの彼は、重婚罪の容疑で拘留中の名もなきひとりの“男”だった……。

現実と余興芝居、そこに道元の夢の世界までもが交錯する多重構造。役者は皆、早替りに次ぐ早替りでいくつもの役を演じ分け、時に、その趣向そのものをおちょくってみたりしながら、あれよあれよという間に物語は進んでいき、現実だと思っていた世界が鮮やかに反転して幕となる。いやはや、驚愕至極でございます。

才気溢れる台本と、ある意味、力技のような演出(クライマックスの対決シーンは如何なものか?)。

ヘロヘロになりながらも高いテンションを維持し続けた役者たち──ただもうひたすらに座禅をし続ける道元の阿部寛、ひたむきさを全身で表出する青年道元の北村有起哉、己の運命を受け入れる姿が胸に迫る源実朝の大石継太、座禅を言葉で表現しようとする熱意迸る壮年道元の高橋洋、小さい身体で誰よりも弾けていた神保共子、少年道元が清々しい栗山千明(セリフの間違えは多かったけど)、艶っぽい正覚尼が嵌り過ぎの横山めぐみ、とにかく声が魅力的な池谷のぶえ、蓮っ葉な看護婦が案外お似合いの片岡サチ、そしてそして、何をやらせても見事な木場勝己。

さらに、段取りを覚えるのが大変だったであろう坊主頭の裏方スタッフたちや、雑多な味わいに満ちた伊藤ヨタロウの音楽(宇崎竜童じゃなくて、ほんっとによかったよ)などなど、すべてが一丸となって作り上げた実に素晴らしい舞台だった。

|

« 停電の余波 | トップページ | 下半期も何かと忙しい »

2008年鑑賞記録」カテゴリの記事