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2008年8月 1日 (金)

PARCO PRODUCE『SISTERS』

2008年7月5日(土)〜8月3日(日) PARCO劇場
http://www.parco-play.com

[作・演出]長塚圭史 [美術]二村周作 [照明]小川幾雄
[衣裳]伊賀大介 [ヘアメイク]河村陽子 [音響]加藤温

尾崎馨:松たか子
神城美鳥:鈴木杏
尾崎信助:田中哲司
三田村優治:中村まこと
真田稔子:梅沢昌代
神城礼二:吉田鋼太郎

三田村操子:堂ノ脇恭子

う〜む、最近の長塚圭史には文句ばかり言っているような。特に、台本の方。今回も言葉が上滑りしていて、「あー、いろいろリサーチして書いたンだな」と思うばかり。全然、心に響いてこない。

そもそも長塚の魅力は、凄惨でグロテスクな作風なわけで。徹底した暴力描写やその行き着く果ての笑いによって、汚泥に咲く花の美しさを観客に示していたと思うンだよね、今までは。
ンが、ここ数作は、上澄みだけを掬っているというか、綺麗でロマンティックな部分だけに目を向けているというか。

キ・レ・イ・ゴ・ト

もしかして、表現方法を模索している、とか? だとしたら、本作終了後のロンドン留学が、いい結果をもたらしてくれることを祈るばかりでございます。
あ、でも、舞台を重層的に見せたり、本水を使ったり、演出面では評価すべきところもあったかな。音楽を含めた音の使い方も、相変わらず繊細だし。

父親による性的虐待。さらに、自分を残して父と妹が死ぬという、ダブルのトラウマを抱えた女を演じるには、松たか子は真っ当過ぎる。品の良さや汚れのなさといった、本来なら美点とも言える彼女の性質が、今回の役にはマイナスに働いたのかも知れない。かなり際どいセリフにも果敢に挑戦していたけど、なんつーか、ぶれがないというか、ゆらぎがないというか、とにかく、正気と狂気のあわいに生きる曖昧さが感じられなかった。

『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』の時にも思ったけど、田中哲司って、長塚にとっての理想の男を体現しているのかも。長塚が「こうありたい」という理想を託しているような、そんな感じ。何となくだけど。

そして、梅沢昌代と吉田鋼太郎のセリフ術に感嘆。

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