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2009年1月15日 (木)

レニングラード国立バレエ −ミハイロフスキー劇場−『海賊』

2009年1月3日(土)〜30日(金) Bunkamura オーチャードホール ほか
http://www.koransha.com/

[音楽]アドルフ・アダン、チェーザレ・プーニ、レオ・ドリーブ、リッカルド・ドリゴ、パーヴェル・オリデンブルグスキー
[台本]アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ、ジョゼフ・マジリエ
[改訂台本]ユーリー・スロニムスキー [振付・演出]マリウス・プティパ
[演出]ピョートル・グーゼフ [美術]シモン・ヴィルサラーゼ
[指揮]ミハイル・パブージン [管弦楽]レニングラード国立歌劇場管弦楽団

コンラッド(海賊の首領):マラト・シェミウノフ
メドーラ:ナタリヤ・マツァーク(ゲスト・ソリスト)
アリ(海賊):イーゴリ・コルプ(ゲスト・ソリスト)
ギュリナーラ:サビーナ・ヤパーロワ

ランゲデム(奴隷商人):アントン・プローム
セイード・パシャ(トルコの総督):アンドレイ・ブレクバーゼ
ビルバンド(海賊):アンドレイ・カシャネンコ

フォルバン:ヤニーナ・クズネツォーワ、エレーナ・モストヴァーヤ、オリガ・セミョーノワ、ニコライ・アルジャエフ、ロマン・ペトゥホフ

アルジェリアの踊り:エレーナ・モストヴァーヤ
パレスチナの踊り:オリガ・セミョーノワ

クラシック・トリオ:イリーナ・コシェレワ、ダリア・エリマコワ、ヴィクトリア・クテポワ

コルプは、コンラッドの後ろで控えるべきところは控えつつ、時折、仲間のような気安さも感じさせ、それでいて油断ならない側面もある、なかなか面白いアリでした。なんつーか、「はい、ご主人様」「さようでございます、ご主人様」「かしこまりました、ご主人様」と言いながら、トラブル解決のためには、そのご主人様を平気で犠牲にする有能過ぎる執事ジーヴスを思わせるような(いや、違うって)。
《ルジマトフのすべて 2007》で見せたブラックホールみたいな存在感は、全幕では却って邪魔だものね〜。

ワタクシ的には、座って控えている時の交叉させた脚の妖しさ(身体が柔らかいせいか、両脚が妙な具合に絡まり合っていて、有り得ないものを目にした時のような居心地の悪さを感じてしまった)、パ・ド・トロワの後で何気に飲み物を飲んでいる姿(「ふうぅ、疲れたぜ」という感じで呷っているのは、やっぱお酒よね?)、托鉢僧の扮装を一瞬だけ解いてギュリナーラに正体を現した時の大きく見開いた青灰色の眼(夢に出てきたら、絶対、うなされそう)……などがツボでした。

踊りは普通によかった。ただ、いつもより粘っこさが薄かった気もする。役柄を考えて控え目にしていたのか、あるいは、今日は上の階で観ていたので、そんなふうに見えたのか。

マツァークは、メドーラに相応しいテクニック、華、ケレン味、すべてを兼ね備えていて、実にゴージャズ。出てきただけで彼女が主役だとわかる反面、このバレエ団の中に入ると、かなり異質な存在でもあり。おまけに衣裳が持ち込みだから(たぶん)、1幕は特に浮いていた。
どちらかと言うと、優雅さよりキレが身上というタイプ? 私のツボにはハマらなかったけど、いいダンサーだと思います。《奇才コルプの世界》も期待できそう。
コルプのガラと言えば、客席にユリア・マハリナがおりました。

その他、思いつくまま。
コンラッドのシェミウノフは、まだどこか大味ではあるものの、踊りはずいぶん巧くなった。首領としての貫禄もついて、実に頼もしい。
ランゲデムのプロームが、踊りはもちろん、演技も濃くて、大健闘。奴隷のパ・ド・ドゥでギュリナーラのヴェールがほどけず、あたふたしてたのはご愛嬌。
ビルバンドのカシャネンコはまだ若いかな。

ギュリナーラのヤパーロワは何を踊らせてもソツがない。今回のような友人役には最適。ってゆうか、永遠の友人役って気がしないでもない。
フォルバンのモストヴァーヤが強力。この人が出てくると安心するわ。
クラシック・トリオのコシェレワ、エリマコワ、クテポワも悪くなかったけど、それ以上に、ピチカットが印象に残る。ほんっとに小気味よくて、可愛らしかったのよ。二人の踊りも含め、このあたりまでキャスト表に載せてくれると嬉しいぞ。

客席はメチャメチャ寂しかったっす。ま、その分、のんびり観れたし、何のかんの言っても楽しかったな、と。
ちなみに、前回観たのはいつかしらん? と、しばし記憶を探ってみたところ、現芸術監督ファルフ・ルジマトフにアクシデントがあった2005年でした。あの時と比べると、出演者はかなり若返ったのぉ。

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