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2009年1月11日 (日)

レニングラード国立バレエ −ミハイロフスキー劇場−『白鳥の湖』

2009年1月3日(土)〜30日(金) 東京国際フォーラム ホールA ほか
http://www.koransha.com/

[作曲]ピョートル・チャイコフスキー
[台本]ウラジーミル・ベギチェフ、ワシーリー・ゲルツェル
[振付]マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
[改訂演出]リムスキー=コルサコフ記念レニングラード音楽院バレエ演出振付研究所
[美術]ヴャチェスラフ・オクネフ
[指揮]ミハイル・パブージン [管弦楽]レニングラード国立歌劇場管弦楽団

オデット/オディール:オクサーナ・シェスタコワ
ジークフリート:イーゴリ・コルプ(ゲスト・ソリスト)

ロットバルト:ウラジーミル・ツァル
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:アンドレイ・ブレクバーゼ
パ・ド・トロワ:イリーナ・コシェレワ、タチアナ・ミリツェワ、アントン・プローム

小さい白鳥:アンナ・クリギナ、ナタリア・クズメンコ、エレーナ・ニキフォロワ、ユリア・チーカ
大きい白鳥:タチアナ・ミリツェワ、ダリア・エリマコワ、ヴィクトリア・クテポワ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ
2羽の白鳥:ダリア・エリマコワ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ

スペイン:エレーナ・モストヴァーヤ、アンナ・ノヴォショーロワ、ミハイル・ヴェンシコフ、アレクサンドル・オマール
ハンガリー:オリガ・セミョーノワ、マクシム・ポドショーノフ
ポーランド:マリーナ・フィラートワ、エレーナ・フィールソワ、ナタリア・グリゴルーツァ、ユリア・カミロワ、アルチョム・マルコフ、ロマン・ペトゥホフ、デニス・サプローン、ニキータ・セルギエンコ
イタリア:ナタリア・クズメンコ、アントン・アパシキン

んー、昨年の記憶は幻だったのかと思うほど、今日は凡庸な出来。いや、ま、「凡庸」は言い過ぎかな。ワタクシ的には不完全燃焼だったけど、それなりのレベルには達していたと思うし、昨年がspecial過ぎたンでしょう、きっと。

今年もコルプは本を片手に登場。全身からロマンティックな雰囲気をまき散らす純情王子路線。しかも、この王子、やたらと逃亡願望が強い。隙あらばいなくなる。王子の姿が見えなくなっちゃ、家庭教師やパ・ド・トロワが「どこに行ったのかしらん?」と訝しがる。なんつーか、「ここではないどこか」を常に夢想している……そんな感じ。
1場では、少々、内省的にも思えた王子が、オデットと出会った途端、直情的に突き進む。それはそれはストレートな愛情表現。悪くはないけど、昨年の繊細な愛情表現の方がエロティシズムを感じた(笑)。
ちなみに、今年は湖に行くのに弓は持ってなかったです。

対するシェスタコワは、王女らしさが増したというか、儚げな中にも芯の強さを感じさせる、如何にもオデットらしいオデット。あ、もしかして、シェスタコワがそういうオデットだったから、コルプの王子も直情型になったのかも。

踊りに関しては、どちらも絶好調ではなかった模様。ふたりの間に微妙な齟齬が生じていたのも気になった。今日の席もかなり前方で(センターからは少し外れていたけど)、ピルエットのサポートがバタバタしていたり、思っている位置に相手が来なかったり、嫌でも細部が目に入るわけで。コルプの手にシェスタコワの手がすんなり収まらないことも何度か。う〜む、リハーサルの時間が足りなかったのかしらん?

そんな私のモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれたのが、ロットバルトのツァル。素敵でした〜。
パ・ド・トロワのコシェレワとミリツェワもよかった。特に、音と戯れているかのようなミリツェワは、『ジゼル』の時とは比較にならないぐらい素晴らしかった。

2幕は主役ふたりのパートナーシップもかなり持ち直していたと思われ。
コルプのヴァリアシオンは何度観てもいいね〜。音をたっぷり使ったアラベスク。一呼吸おいて次の動きへ移る、その余裕に惚れ惚れ。演技にしても、特別なことは何もしていないのに、王子の心の揺れや迷いが見事に伝わってくる。改めて、巧い人だな、と。

グラン・フェッテでは無理にダブルを入れたりせず、終始、シングルで通したシェスタコワ。ンが、最後の決めポーズと音楽が合わない……。
それぐらい合わせてあげて下さいな。>パブージン

そう言えば、コーダは観客の拍手を待たずにぶっ飛ばしていたけど、これはさすがに、指揮者の判断じゃなくて演出の意図よね? あれよあれよの展開に、ちょっと置いてかれた気がしないでもない。

昨年は、いつの間にかロットバルト御一行様がいなくなる通常版(シェスタコワ)と、花束と高笑いありのセルゲーエフ版(ペレン)の両方を上演。今回はどうくるか楽しみにしていたら、普通に通常版だった。この版だと、王子の途方に暮れた姿が、より一層、強調されるね。

スペインのモストヴァーヤが柔らかくて色っぽくて魅力的。ヴェンシコフは、少々、他のメンバーから遅れながらも、押し出しの良さ(ってゆうか、ただ単に恰幅がいいだけ?)が印象に残る。
イタリアとハンガリーは淡白、ポーランドはヤケ気味。総じて、キャラクターダンスは物足りなかった。

予備知識なしの昨年は、カタルシスがなくてどうしたもんだか? と思った3幕。今日は意外と胸を打たれた。中でも、コール・ドを挟んで上下(かみしも)に離れ離れになったオデットと王子が合わせ鏡状態(この表現でいいンだろうか?)で踊る、その見事なシンクロ度合いに感激いたしました。

席が前過ぎてよくわからなかったので、コール・ドの評価は保留。
小さな白鳥はほとんどメンバーが変わったせいか、以前のような見事な調和は感じられず。あと、何気に白鳥たちの化粧が濃くて、大きな白鳥にミリツェワを見つけられなかったよ。トホホ。
化粧が濃いと言えば、パ・ド・トロワのプロームの化粧は如何なものか。

帰り道、ちょっと反省。やっぱ、過度の期待は禁物ですね。舞台は一期一会なんだから、次の『海賊』はニュートラルな気持ちで臨みましょう。

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