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2009年4月28日 (火)

Bunkamura20周年記念企画 シアターコクーン・オンレパートリー2009 音楽劇『三文オペラ』

2009年4月5日(日)〜29日(水) Bunkamura シアターコクーン
http://www.bunkamura.co.jp/

[作]ベルトルト・ブレヒト [音楽]クルト・ヴァイル
[翻訳]酒寄進一 [演出]宮本亜門 [音楽監督]内橋和久
[歌詞]三上博史 [美術]松井るみ [照明]小川幾雄
[衣裳]岩谷俊和 [音響]山本浩一 [振付]上島雪夫

メッキ・メッサー:三上博史
ジェニー:秋山菜津子
ポリー・ピーチャム:安倍なつみ
シーリア・ピーチャム:松田美由紀
ルーシー:明星真由美
モリタート歌手、女王:米良美一
タイガー(ジャッキー)・ブラウン:田口トモロヲ
ジョナサン・ジェルマイヤ・ピーチャム:デーモン小暮閣下

MUSICIANS;
青木タイセイ (Trombone/Bass/Keyboard)
内橋和久 (Guitar/Daxophone)
エミ・エレオノーラ (Piano/Accordion)
坂本弘道 (V.Cello/Musical Saw)
塩谷博之 (Clarinet/Sax/Flute)
高良久美子 (Marimba/Vibraphone/Percussion)
芳垣安洋 (Drums/Percussion)

緞帳代わりにぶら下がるのは、ベニヤを繋げただけの仕切り板。大音量で序曲が流れると同時に、その板に次々と映像が映し出される。あまりに速くて何が映っているのか判然としない。
板が上がると、下手奥のイントレ(でいいのか?)にミュージシャン。後はほとんど何もない、ってゆうか、コクーンの劇場機構をそのまま見せたような、不思議な空間が広がる。美術の松井るみは、いつもいい仕事をしますね。

舞台は19世紀のロンドン。出てくるのは悪党ばかり。盗みも殺しも何でもありのギャングに、薄汚れた乞食と半裸の娼婦。彼らは、顔に白塗りメイクを施し、どぎつくて下品な衣裳を身にまとい、ただ己の欲望のままに生きている。
そんな混沌を絵に描いたような物語世界が、“今”と激しく切り結び、観る者に驚くほどのリアルさで迫ってくる。

フィナーレ。金色テープがドサッと落ちてくる中、三上博史と米良美一以外の出演者がキティちゃんのお面をつけて歌い踊る、あの無理矢理なハッピーエンド。その瞬間、三上が浮かべる激しい嫌悪の表情が、「こんなハッピーエンド、実際にはないンだぜ」というブレヒトの皮肉を見事に表出する。

こういうエキセントリックな役を演じさせたら、三上博史の右に出る者はいないね。この先、彼のメッキを超える人は二度と出てこないンじゃ? っていうぐらいハマっていた。また、声がいいのよ〜。
驚いたのが、ポリーの安倍なつみ。キュートで強かな美少女を好演しておりました。《モー娘。》、侮り難し。
ジェニーの秋山菜津子とルーシーの明星真由美は、いつもながら安心して観ていられる。

内橋和久率いる7人のミュージシャンたちも面白かった(中でも、坂本弘道の「チェロで火花を散らすパフォーマンス」に大爆笑)。以前から聴いてみたい人たちばかりだったので、ワタクシ的にはとっても嬉しかったです。
歌はほとんどハンドマイクを使用。音響的なこともあるのかも知れないけど、やはり異化効果を狙ってるンでしょうね。

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