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2009年4月23日 (木)

エスプリ −ローラン・プティの世界−

2009年4月2日(木)〜24日(金) Bunkamura オーチャードホール ほか
http://www.koransha.com/

今日は3階席。なるべくオペラグラスは使わず、身体そのものから伝わってくるものを楽しむ。すると、昨日とはまた違ったドラマが見えてきて興味深い。
そうそう、NHKの収録が入っておりました。放送日や番組は確認してません。あしからず。

【第1部】

アルルの女 『アルルの女』より
[音楽]ジョルジュ・ビゼー

草刈民代、マッシモ・ムッル

ヴィヴェットの草刈民代。踊りの精度はかなり落ちているし、手脚の使い方とか、全然、プティじゃないンだけど、それでも、フレデリへのひたむきな愛情とそれが受け入れられない悲哀はきちんと伝わってきた。

フレデリのムッルは、終盤のファランドールに切迫感がなくて、最後のダイブが唐突。

ヴァントゥイユの小楽節 『プルースト 失われた時を求めて』より
[音楽]セザール・フランク

タマラ・ロホ、イーゴリ・コルプ

コルプの突出した柔軟性って、プティ作品ではあまり目にすることがない資質なので、何か新鮮。

コッペリウスと人形 『コッペリア』より
[音楽]デオ・ドリーブ

ルイジ・ボニーノ

ぞんざいな人形扱いに泣けてくる。

タイス パ・ド・ドゥ 『マ・パヴロヴァ』より
[音楽]ジュール・マスネ

タマラ・ロホ、リエンツ・チャン

片手でロホを高くリフトしたまま、ゆっくりと回転するチャン。あのラストシーンが今でも目に焼き付いている。
このパ・ド・ドゥは、ほんっとに“女性を下にも置かない”ね。女性は自分で立っているより、パートナーに抱えられている時間の方が長いンじゃ?

『オットー・ディックス』より 〜切り裂きジャック〜
[音楽]アルバン・ベルク『ルル組曲』より

草刈民代、イーゴリ・コルプ

遠くで観ていると、テーマの割におマヌケなユーモラスな振付が多いことに気づく。それに、殺人の動機も怒りがベースになっていて、割とステレオタイプな造型って感じ。
ってことで、快楽殺人者としての“切り裂きジャック”はあまり意識せず、あくまでもその時代を象徴する人物……ぐらいに捉えておけばいいのかも。

オットー・ディックスの作風は知っているけど、プティがバレエを創作する際にモティーフにした10枚の絵画って、どれなんだろう?(そういうことこそ、解説に載せて下さいな)

【第2部】

『白鳥の湖』1幕2場より 男性のソロ/パ・ド・ドゥ
[音楽]ピョートル・チャイコフスキー

草刈民代、マッシモ・ムッル

ムッルの白鳥は大きくて優雅。ソロで見せた滑らかで淀みないムーヴメントに、思わず嘆息。
パ・ド・ドゥになると、草刈民代の身体の硬さが気になる。

エスメラルダとカジモドのパ・ド・ドゥ 『ノートルダム・ド・パリ』より
[音楽]モーリス・ジャール

タマラ・ロホ、リエンツ・チャン

久しぶりに全幕が観たくなりました。

ティティナを探して/小さなバレリーナ 『ダンシング・チャップリン』より
[音楽]レオ・ダニデルフ、チャールズ・チャップリン

ルイジ・ボニーノ

確かに、発想のユニークさや見せ方の巧さは秀逸。

ジムノペディ 『マ・パヴロヴァ』より
[音楽]エリック・サティ

草刈民代、リエンツ・チャン

観れば観るほど不思議な作品。そこがまたプティらしいわけで(笑)。

モレルとサン=ルー侯爵 パ・ド・ドゥ 『プルースト 失われた時を求めて』より
[音楽]ガブルエル・フォーレ

マッシモ・ムッル、イーゴリ・コルプ

今日はちゃんとサン=ルーとモレルの対峙に見えた。今までと何が違うンだろう? 舞台との距離感がちょうどよかったのかしらん?

同じ『プルースト』でも、〈シャルリュス男爵の地獄〉におけるゲイの描き方は、結構、生々しいのに、このパ・ド・ドゥは実に抽象的というか。ま、だからこそ戦争の暗い影と悲劇性が強調され、より一層、甘美さが増すのかも。

ワタクシ的には、コルプの左肩甲骨あたりにある痣(かな?)に萌え〜。あれを目にすると、いつもドキドキするの(笑)。

チーク・トゥ・チーク
[音楽]アーヴィング・バーリン

草刈民代、ルイジ・ボニーノ

バレエダンサーの引退公演を締めくくる作品が、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース主演のミュージカル映画から想を得た『チーク・トゥ・チーク』というのも、考えてみれば妙な話だよな。でも、引退公演らしからぬワクワクした気分のまま家路につくというのも、それはそれで乙なものです。

この曲は全員で2回踊るンだけど、2回目に音楽が流れると困惑した表情を見せるダンサーもいて、それが演出なのか、本当に疲れているのか、すんごく気になる。

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