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2009年5月 6日 (水)

Bunkamura20周年記念企画 シアターコクーン・オンレパートリー2009『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』

2009年5月6日(水)〜30日(土) Bunkamura シアターコクーン
http://www.bunkamura.co.jp/

[作]清水邦夫 [演出]蜷川幸雄 [美術]中越司
[照明]室伏生大 [音楽]門司肇 [振付]広崎うらん
[音響]井上正弘 [衣裳]小峰リリー [ヘアメイク]鎌田直樹

新村久:古谷一行
坪田英次郎:磯部勉
六角始:山本龍二
畑米八:石井愃一
北村英一:横田栄司
北村次郎:ウエンツ瑛士

風吹景子:三田和代
弥生俊:鳳蘭
弥生理恵:真琴つばさ
加納夏子:中川安奈
直江津沙織:毬谷友子
花丘和美:衣通真由美
渚京子:市川夏江

人は何かしらの妄想なくして幸せになれない。妄想は現実と同じくらい幸せに欠かせないものなのだ。

クリスチャン・ネステル・ボヴィー

『クリミナル・マインド シーズン3』#18における格言(このドラマは最初と最後に必ず格言が出てくる)。この芝居にピッタリだったから、思い出してしまったよ。

北陸の某地方都市。そのメインストリートに建つ某百貨店の肝煎りで創立された石楠花少女歌劇団。時はまさに太平洋戦争に突入しようとしていた時代。歌劇団は若き男女の間で熱狂的に迎え入れられ、中でもヒロインスター風吹景子と男役スター弥生俊の人気は凄まじく、ついにはファンの会“バラ戦士の会”が結成されるに至る。
それから40年。歌劇団の再結成を呼び掛ける新聞広告が出され、ひとり、またひとりと、百貨店に集まってくるかつての仲間たち……。

周りの人間をことごとく巻き込み肥大していく風吹景子の狂気。その醜さ、その美しさを、卓抜したスキルでもって三田和代が演じれば、幻の男役スター弥生俊を、圧倒的な存在感、カリスマ性でもって鳳蘭が具現化する。舞台中央の大階段に佇み、かつての相手役に向かって手を差し出す鳳の立ち姿。もうそれだけで、狂ってまでも待ち続ける景子の気持ちが納得できてしまうのだ。いやはや、これが「大人の演技者の凄さ」なのか。

歌劇団OGを演じた女優たちも素晴らしかった! ひとりひとりの人生がちゃんと感じられるンだよね。百貨店に集うシーンでは、何だかよくわからないまま落涙してました。
古谷一行をはじめとする“バラ戦士の会”の面々も手堅く、ウエンツ瑛士の女装もなかなか魅力的(だからキャスティングされたのかしらん?)。

残念だったのは、俊の妹・理恵の真琴つばさがあまりにも宝塚の男役っぽかったことと、加納夏子の中川安奈が最後に叫ぶ台詞に説得力がなかったこと。あれでは景子の狂気はとてもじゃないけど受け継げない。あと、中川の踊りは如何なものか。一応、振付家という設定なんだし。

カーテンコールの音楽は先頃亡くなった忌野清志郎の『デイ・ドリーム・ビリーバー』。当初からこの曲だったのか、それとも、清志郎が亡くなったからこの曲になったのか、ちょっとだけ気になった。
最後はほぼオール・スタンディング・オベーション。客層はいつもの蜷川作品と違って、宝塚ファンとウエンツ瑛士ファンが多かったような。

清水邦夫と蜷川幸雄のコンビによってシアターコクーンで上演された舞台のうち、私が観たのは『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』『タンゴ・冬の終わりに』『わが魂は輝く水なり』に続いて、本作で4作目。
毎回必ずノスタルジーを感じる。今回の歌劇団再結成も清水と蜷川の再会の隠喩なわけで、それはそれで非常に興味深いンだけど、そろそろ「俺たち自身の話」ではない舞台を観てみたい気もする。

なお、上演時間は20分の休憩を挟んで約3時間です〜。

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