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2010年10月23日 (土)

ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演 ロシア・バレエのスターたち

◆プログラムA
2010年10月23日(土)、26日(火) 東京文化会館
http://www.japanarts.co.jp/

[指揮]パーヴェル・クリニチェフ(ボリショイ劇場)
[管弦楽]ロイヤルメトロポリタン管弦楽団
[ピアノ]リュドミラ・スヴェシニコワ(マリインスキー劇場)

14時開演で終演は18時近く。約4時間。ンが、全然疲れてない。ってゆうか、まだまだイケそう(笑)。
コールプのファン的には言いたいこともございます。「すっげー衣裳だな、おい」とか、「結局、今日はサポート要員かよ」とか、「Bプロだってひとつしか出ないし、それも色物だし」とか。
ま、でも、それはそれとして、ほんっとに楽しかったです〜。

【第1部】

『パ・ド・カトル』
[振付]アントン・ドーリン [音楽]チェーザレ・プーニ

ルシール・グラーン:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
カルロッタ・グリジ:アンナ・ニクーリナ
ファニー・チェリート:ガリーナ・ステパネンコ
マリー・タリオーニ:ウリヤーナ・ロパートキナ

まず最初に思ったのは、「ロパートキナって、ほんっとに大きいンだな」。
4人のバレリーナによる競演。水面下では鍔迫り合いを演じていたり? う〜む、リアルに想像すると、ちょっと怖いかも。
腕の長さによって、ポジションに微妙な違いが生じるのが興味深い。

『眠れる森の美女』第3幕のパ・ド・ドゥ
[振付]マリウス・プティパ [音楽]ピョートル・チャイコフスキー

アリーナ・ソーモワ、レオニード・サラファーノフ

長い手脚を持て余している感のあったソーモアだけど、かなりコントロールできるようになってきたかな。若いダンサーが成長していく様を目にするのは嬉しいものです。
トゥール・ザン・レールの着地が相変わらずピタリと決まるサラファーノフ。マリインスキーでの彼はこれが見納めなのね……。

『海賊』よりパ・ド・ドゥ
[振付]アレクサンドル・チェクルィギン、ワフタング・チャブキアーニ
[音楽]リッカルド・ドリゴ

ナターリヤ・オーシポワ、イワン・ワシーリエフ

ワシーリエフが出てきた瞬間、あまりの男臭さに「これ、誰?」状態のワタクシ。身体もひと回り大きくなった? 時折、“俺様”が覗くのが、奴隷として如何なものか。
オーシポワの衣裳がチュチュじゃなくて、ちょっとがっかり。
“技”の連発で、客席は大いに盛り上がっておりました。

『愛の伝説』よりモノローグとアダージョ
[振付]ユーリー・グリゴローヴィチ [音楽]アリフ・メーリコフ

ヴィクトリア・テリョーシキナ、イーゴリ・コールプ

前のペアによって生じた客席の雰囲気を、一瞬で変えるテリョーシキナ。メフメネ・バヌーの狂おしいまでの恋情がひしひしと伝わってくる。
コールプはサポートに出てきただけですか? いや、ま、それはそれで完璧なサポートなんですけど。しっかし、恐ろしく珍妙な衣裳だな。
レヴェランスで、一旦、袖に捌けたパートナーをゆっくりと呼び戻すその姿が、私は大好きです。

『ジゼル』よりパ・ド・ドゥ
[ 振付]ジュール・ペロー、マリウス・プティパ [音楽]アドルフ・アダン

スヴェトラーナ・ルンキナ、アレクサンドル・ヴォルチコフ

いつも思うことだけど、ガラ公演での『ジゼル』は難しい。どうしたって抜粋にならざるを得ず、中途半端な印象で終わってしまう。ルンキナは健闘していたと思うけど。
ヴォルチコフは可もなく不可もなく。

【第2部】

『ナルシスへのレクイエム』
[振付]ユーリー・スメカーロフ [音楽]クリント・マンセル

ウラジーミル・シクリャローフ

まだまだ周囲への目配りができず、ナルシスティックな踊りに終始してしまうシクリャローフには、何とも相応しいテーマだったような。
小道具の使い方がベタというか、センスが感じられないというか。あ、でも、モスクワ国際バレエ・コンクールの振付第1位ですか、そうですか。

『ライモンダ』よりパ・ド・ドゥ
[振付]マリウス・プティパ、ユーリー・グリゴローヴィチ
[音楽]アレクサンドル・グラズノーフ

ガリーナ・ステパネンコ、アレクサンドル・ヴォルチコフ

何年ぶりでしょう、ステパネンコ。滋味溢れるライモンダ。哀愁を感じさせるヴァリアシオンが忘れ難い。
ヴォルチコフは白いマントがよく似合っていたけど、騎士には見えなかったわ。

『別れ』
[振付]ユーリー・スメカーロフ [音楽]ジョン・パウエル

エフゲーニヤ・オブラスツォーワ、アレクサンドル・セルゲーエフ

大人っぽい表情を見せるオブラスツォーワが新鮮。ンが、作品としては取り立てて語るほどのものはなく。
2006年の来日公演で気になっていたセルゲーエフ。ようやく再会できたよ〜。男前だけど、振れ幅は広いと見た。これからがちょっと楽しみ。

『タリスマン』よりパ・ド・ドゥ
[振付]マリウス・プティパ、ピョートル・グーセフ
[音楽]リッカルド・ドリゴ

アンナ・ニクーリナ、ミハイル・ロブーヒン

マリインスキーのワイルド担当だったロブーヒン。ボリショイに移籍して、紛う方ないワイルドになりましたね〜。水を得た魚のよう。
ニクーリナの繊細なラインがいい。

『タランテラ』
[振付]ジョージ・バランシン
[音楽]ルイス・モロー・ガチョーク、ハーシー・ケイ

ヴィクトリア・テリョーシキナ、レオニード・サラファーノフ

去年のマリインスキーの来日公演でも、このふたりが踊っていた。
テクニックの応酬なので、もっと思いっきりハジケちゃってもいいような。あ、でも、その抑制がマリインスキーなのか。

【第3部】

『黄昏のヴェニス』
[振付]ユーリー・ヴィスクベンコ
[音楽]ニンファ、フレーム、ヘーフェルフィンガー

スヴェトラーナ・ルンキナ、アンドレイ・メルクーリエフ

長髪のメルクーリエフ。う〜む。踊りとは、全然、関係ないンだけど、でも、微妙。
シルエットとして浮かび上がるルンキナの脚のラインが、それはそれは美しい。

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
[振付]ジョージ・バランシン [音楽]ピョートル・チャイコフスキー

アリーナ・ソーモワ、ウラジーミル・シクリャローフ

だ、か、ら、このふたりにバランシンを踊らせちゃいけませんぜ。お互いに好き勝手やっちゃってるよ。純粋に踊りだけで魅せる作品より、ストーリーのある作品の方が、“役”という桎梏がある分、まだマシなんじゃ?

『スパルタクス』よりデュエット
[振付]ユーリー・グリゴローヴィチ [音楽]アラム・ハチャトゥリャン

アンナ・ニクーリナ、ミハイル・ロブーヒン

この作品は、フリギアが腕を広げたり脚を上げたりした瞬間にドラマが立ち上がらないとつまらないわけで。ニクーリナはまだそこまでの域には達していなかったかな。今後に期待。
ロブーヒンはこういう役を踊りたかったのかしらん? スパルタクスは、結構、ハマってました。

『シンデレラ』よりデュエット
[振付]アレクセイ・ラトマンスキー [音楽]セルゲイ・プロコフィエフ

エフゲーニヤ・オブラスツォーワ、アレクサンドル・セルゲーエフ

オブラスツォーワはほんっとに可憐。そして、音楽性も抜群に優れている。
このふたりで全幕を観てみたい。

『カルメン組曲』より
[振付]アルベルト・アロンソ
[音楽]ジョルジュ・ビゼー、ロジオン・シチェドリン

ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・メルクーリエフ

ステパネンコの明晰な脚捌き。雄弁。こんなに面白い作品だったのかと、改めて。
メルクーリエフのシャープでエレガントなホセも素敵でした。

『ジュエルズ』より“ダイヤモンド”のパ・ド・ドゥ
[振付]ジョージ・バランシン [音楽]ピョートル・チャイコフスキー

ウリヤーナ・ロパートキナ、イーゴリ・コールプ

完全にロパートキナの“ダイヤモンド”でした(それはもちろん、コールプのサポートがあってのことなんだけど)。そして、そのことに私は戸惑う。何故なら、《マラーホフの贈り物》でのマラーホフの“ダイヤモンド”の記憶が、未だ鮮明に残っているから。

『ドン・キホーテ』よりパ・ド・ドゥ
[振付]マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
[音楽]レオン・ミンクス

ナターリヤ・オーシポワ、イワン・ワシーリエフ

このふたりを観てると、もう笑うしかない、って感じ。跳ぶわ、回るわ、すんごいっす。特に、ワシーリエフの跳躍は、一瞬、確実に止まっていたような。

その他、全体的に気になったこと。
ホリゾントに映像を投影するのは、作品によっては逆効果だったかも(却って踊りの邪魔になっていたり)。あと、レヴェランスの時のロゴの投影も、親切と言えば親切だし、やり過ぎと言えばやり過ぎだし。
ま、でも、それより何より、オーケストラっすよ。ほんっとにどうにかして欲しい。音が捩れる、弾き間違える、挙げ句の果てに、出をとちる。それでもプロかと、小一時間ほど説教したい気分。いや、マヂで。

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