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2011年9月19日 (月)

朗読劇場VOL.2 井上ひさし短編集

2010年9月18日(日)〜19日(月) かん芸館

『握手』 高橋弘幸
『半返舎一朱』 藤川千尋
『桃』 片山美穂
『他人の指』 松橋登

[朗読指導]松橋登

昨年(感想はこちら)から始まった朗読会の2回目です。
前回は2公演、今回は1日増えて3公演。それでも、客席はほぼ満席でした。今日も出演者が受付を担当。松橋さんも入口で客のお出迎えをなさっておられました。「最前列が空いてますよ」と言われたけど、さすがにそこは恥ずかしいので、中程の席に着席。いい具合に視界が開けていて、まったくストレスなし。ラッキー!

『握手』は、児童養護施設で育った〈わたし〉とその施設で園長を務めていたルロイ修道士との再会を描いた短編。〈わたし〉とルロイ修道士が交わす握手やルロイ修道士の指の動きが伏線となっている。
高橋さんは初めての朗読だそうな。太く響く声とテキストを持つ大きな手が印象的でした。舌足らずなのかしらん? 時々、気になりました。
どこかで観たことが……と思っていたら、美輪様版『愛の讃歌』の出演者でした。

『半返舎一朱』は、『東海道中膝栗毛』で有名な十返舎一九の二世をめぐるドタバタを、一九の娘・舞のモノローグで描いていく。
藤川さんは作品に合わせて和服で登場。もともとモノローグなので、朗読というより、一人芝居に近いかな。軽妙洒脱な江戸言葉が心地よかったです。
ちなみに、藤川さんは妊娠7ヶ月とのこと。元気なお子さんが産まれますように。

ここで15分の休憩。

『桃』は、婦人会のリーダーと児童養護施設の園長との往復書簡がそのまま短編になるという趣向。人の善意を問う作品で、いろいろと考えさせられます。
片山さんはVOL.1に続いての出演。好きなんですよ、彼女の声。私の中にすーっと入ってくる感じで。前回同様、今回も非常に印象に残りました。

『他人の指』は、うなぎ屋の職人がうなぎに指を噛まれ、やがて噛まれた指先が勝手に動くようになり……という、ちょっとエロティックな短編。男の性的欲望を畳み掛けるような文体で描いている。
松橋さんがこの短編を選んだというのが、まず驚き。終演後の挨拶で、片山さんが「一番挑戦したのは(今回はそれぞれが何かしらの挑戦を目標にしていたらしい)松橋さんだと思います」とおっしゃってましたけど、いや、ホント。
でも、さすがです。文体に相応しい畳み掛けるような語り口で、職人の日常を描いた冒頭から物悲しく滑稽なラストまで、あっという間!
それにしても、こういう作品を選ぶなんて、やっぱfunnyだわ、松橋さん。

井上さんの作風の多彩さ、文体へのこだわりなど、改めて気づかされることの多い朗読会でした。来年も楽しみにしております。

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