« 赤いチームが消えたっ! | トップページ | 『くるみ』の季節 »

2011年12月11日 (日)

シス・カンパニー公演『その妹』

2011年12月2日(金)〜26日(月) シアタートラム
http://www.siscompany.com/

[作]武者小路実篤 [演出]河原雅彦
[美術]松井るみ [照明]小川幾雄 [衣装デザイン]伊藤佐智子
[音響]大木裕介 [ヘアメイクデザイン]勇見勝彦

野村広次:市川亀治郎
静子(広次の妹):蒼井優
芳子(西島の妻):秋山菜津子
高峯:鈴木浩介
女中、老婆(声のみ):水野あや
綾子(高峯の妻):内田亜希子
小間使:西尾まり
西島:段田安則

武者小路実篤の戯曲だし、かなり辛気くさいのかしらん? と、危惧しながら劇場に向かったけど、これがなかなか面白かった。
簡単に言ってしまえば、「妹が身売りをする話」。将来を嘱望された画家・野村広次は戦争で視力を失い、妹・静子は兄のために意に添わない放蕩者との結婚を承諾する……。

ンが、そう単純な話に見えないのは、静子を演じるのが蒼井優だから? だって、見るからに「かわいいふりしてあの子♪」ってタイプなんだもの。「〜ですわ」を繰り返す(蒼井はその独特な口調にかなり苦戦していたような)健気で芯の強い大正時代の女性には収まらない魔性が、ふとした瞬間に見せる微笑みから立ち上る。ある意味、これは魔性の女に翻弄される男たちの悲劇とも言えるわけで。彼女なら、皆が同情するほどの放蕩者に嫁いでも、巧いことやっていけそうな気がする……って、それじゃまったく違う芝居ですから(笑)。

豊かなのか貧しいのか、呑気なのか真剣なのか、イマイチよくわからない御曹司たち。それこそが“白樺派”の芸術家なんでしょうけど、しつこい繰り言に「働け、青年!」と言いたくなったり。

若いふたりを取り巻く段田安則、秋山菜津子、鈴木浩介、水野あやといった脇役たちが手堅い。

|

« 赤いチームが消えたっ! | トップページ | 『くるみ』の季節 »

2011年鑑賞記録」カテゴリの記事