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2012年11月26日 (月)

マリインスキー・バレエ 2012年日本公演『ラ・バヤデール』

2012年11月15日(木)〜12月2日(日) 東京文化会館 ほか
http://www.japanarts.co.jp/

[音楽]ルードヴィヒ・ミンクス [振付]マリウス・プティパ
[改訂振付]ウラジーミル・ポノマリョフ、ワフタング・チャブキアーニ
[振付増補]コンスタンチン・セルゲーエフ、ニコライ・ズプコフスキー
[台本]マリウス・プティパ、セルゲイ・フデコフ
[舞台装置]ミハイル・シシリアンニコフ(アドルフ・クワップ、コンスタンチン・イワノフ、ピョートル・ランビン、オレスト・アレグリの元デザインに基づく)
[照明]ミハイル・シシリアンニコフ [衣装]エフゲニー・ポノマリョフ
[指揮]アレクセイ・レプニコフ [管弦楽]マリインスキー劇場管弦楽団

ニキヤ(寺院の舞姫):ディアナ・ヴィシニョーワ
ドゥグマンタ(藩主):アンドレイ・ヤコヴレフ
ガムザッティ(藩主の娘): エカテリーナ・コンダウーロワ
ソロル(戦士):イーゴリ・コールプ
大僧正:ソスラン・クラーエフ
トロラグワ(戦士):カレン・イオアンニシアン
奴隷:コンスタンチン・ズヴェレフ
マグダヴェヤ(托鉢僧):ミハイル・ベルディチェフスキー
アイヤ(ガムザッティの召使):エレーナ・バジェーノワ
ジャンペの踊り:ヴィクトリア・クラスノクツカヤ、ユリアナ・チェレシケヴィチ
マヌー(壺の踊り):エレーナ・フィルソーワ
舞姫たち(バヤデルカ):アンナ・ラヴリネンコ、エレーナ・チミリ、ナデジダ・バトーエワ、スヴェトラーナ・イワーノワ
グラン・パ・クラシック:ヴィクトリア・クラスノクツカヤ、ダリア・ヴァスネツォーワ、ヴィクトリア・ブリリョーワ、ユリアナ・チェレシケヴィチ、アンドレイ・エルマコフ、アンドレイ・ソロヴィヨフ
インドの踊り:アナスタシア・ペトゥシコーワ、イスロム・バイムラードフ
太鼓の踊り:オレグ・デムチェンコ
金の仏像:キム・キミン
精霊たち:マリーヤ・シリンキナ、アナスタシア・ニキーチナ、ダリア・ヴァスネツォーワ

ヴィシニョーワがほんっとに神々しかった! 前回の『眠れる森の美女』といい、今回の『ラ・バヤデール』といい、彼女には、毎回、驚かされるわ〜。ここ数年、彼女の踊りにときめかなくなってはいたンだけど、でも、深化し続けるその姿からは、やはり目が離せない。

1幕。かつてあんなに生々しかった彼女が、その身に静謐さを湛えて登場。透明な悲しみに包まれているような、何とも不思議な雰囲気がその後の悲劇を予感させる。大僧正を拒絶する時も、ソロルからの伝言を伝えられた時も、どこか控えめというか、寂しげというか。

2幕の婚約式でも、絶望と歓喜を過度に表すことはせず、静謐な空気を身に纏ったまま死んでいく。
背を向けていたソロルが振り返り、ニキヤとソロルが見つめ合い、ニキヤが瓶を捨てる。ソロルが駆け寄るも、一瞬早くニキヤが崩れ落ち、嘆くソロルで幕。ダンサーによって流れは微妙に変わるけど、見つめ合うふたりがお互いの中に現実を見出すあの瞬間、あれが堪りません。

3幕はとにかく神々しい。と言っても、こちらを圧倒するわけではなく、ただただ静かに美しい。完璧なテクニックが、さらに神々しさを強調する。いや、もう、彼女の踊りに言葉はいりません。
あのニキヤによってソロルは天上界へと導かれていったンだな……だから寺院崩壊の場は必要ないンだな……と、ひとり勝手に納得しておりました。

コールプは、「やっぱ不調?」と「いや、大丈夫そう」を繰り返してた感じ。
1幕ではヴィシニョーワをリフトするのも不安定に見えたり、普段に比べて上体の柔らかさが足りないように感じられたのが、2幕の婚約式では跳躍のタイミングから高さ、後ろ足の角度までコンダウーロワと見事に揃っていて、テンション上がる上がる……と喜んだのも束の間、その後は省エネっぽくて、跳躍にもポーズにも伸びやかさが感じられず。
あと、弓を手にして踊るのは前にも観た記憶があるンだけど、どの公演だったか思い出せず(2008年のミハイロフスキー劇場『バヤデルカ』でしょう、たぶん)。

しっかし、踊り以外ではメチャメチャ楽しませてくれるコールプでございました。端であれこれやってるから、センターそっちのけで観てしまう(笑)。あの大胆で独創的、しかも繊細な演技、私は大好きです。

ガムザッティのコンダウーロワはほんっとに大きい。ポワントで立つとコールプより大きい。それなのに、ジュテの着地は静かで、長い手脚もよくコントロールされて抑制が利いている。
ニキヤとの対決では、長身を活かした上から押さえつけるような迫り方が恐かった〜。

インドの踊りのペトゥシコーワがすんばらしかったです! その代わり、バイムラードフはちょっと雑だったかな。
コール・ドはまずまず。多少、荒っぽいところもあったけど、心配していたほどではなかった。ただ、精霊たちが降りてくる坂が2段しかないのは寂しいぞ。
そして、今日も気になるトロラグワのイオアンニシアン。もっとがっつり踊る役で観たかった。

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