« マリインスキー・バレエ 2012年日本公演『白鳥の湖』 | トップページ | 中村屋逝く »

2012年12月 2日 (日)

マリインスキー・バレエ 2012年日本公演《オールスター・ガラ》

2012年11月15日(木)〜12月2日(日) 東京文化会館 ほか
http://www.japanarts.co.jp/

[指揮]アレクセイ・レプニコフ [管弦楽]マリインスキー劇場管弦楽団

終わっちゃったよ……。
今回の日本公演で唯一の心残りは、イワンチェンコを観られなかったこと。
若手のマナー(主に男性)とプロポーション(主に女性)に若干の不安を感じつつ、次回2015年11月を楽しみに待つといたしましょう。

【第1部】

『レニングラード・シンフォニー』
[音楽]ドミトリー・ショスタコーヴィチ(交響曲第7番)
[振付]イーゴリ・ベリスキー [デザイン]ミハイル・ゴルドン

娘:スヴェトラーナ・イワーノワ
青年:イーゴリ・コールプ
侵略者:ミハイル・ベルディチェフスキー

非常に珍しい作品を上演していただき、ありがとうございました。
音楽は、大祖国戦争が始まり、レニングラードがドイツ軍に包囲される中、ショスタコーヴィチが驚異的なスピードで書き上げた交響曲第7番(1942年初演)。
まんま、社会主義リアリズムでございます。当然、バレエも“ファシズムに対する戦いと勝利”をテーマにしております。些かプロパガンダ臭は気になりますけど、そんなところも含めて、後世へ伝えていくべき作品ではないかと思います。

ンで、青年のコールプですよ。もしかして、あなた、ここにピークを持ってきてたンですか?
爽やかな好青年ぶり。侵略者に激しく抵抗する姿。穏やかな微笑みも、峻烈な跳躍も、ほんっとに素敵でした〜。

娘のイワーノワも、金髪で愛らしいお顔が如何にも“娘”って感じでGood! プロフィールによると1993年1996年入団(いつの間にか書き換えられていました)だそうな。決して若くない、ってゆうか、軽く30歳を過ぎてる? 小柄で細いのに、驚くほどパワフル。ベテランの手堅さを感じました。

オーケストラは日本人のエキストラが多かったような。1部が終わったら、ごっそり帰っていった。

【第2部】

『アルレキナーダ』よりパ・ド・ドゥ
[音楽]リッカルド・ドリゴ [振付]マリウス・プティパ

ナデジダ・バトーエワ、アレクセイ・ティモフェーエフ

う〜む、すでに記憶がございません。可もなく不可もなく、って感じ?

『グラン・パ・クラシック』
[音楽]ダニエル=フランソワ=エスプリ・オーベール [振付]ヴィクトル・グゾフスキー

アナスタシア・ニキーチナ、ティムール・アスケロフ

ニキーチナは決して悪いダンサーではないンだけど、上半身が逞しくて、わさわさ踊ってるように見えてしまう。もう少し身体を絞るといいンじゃ?
アスケロフを観るのは今日が初めてかしらん? エレガントでよかったと思います。

それにしても、音楽のテンポ、遅くないっすか?

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(『白鳥の湖』より)[振付]ジョージ・バランシン
[舞台指導]フランシア・ラッセル [衣装デザイン]カリンスカ

マリーヤ・シリンキナ、ウラジーミル・シクリャローフ

しなやかに音と戯れるシリンキナ。すんばらしかったです!

それに引き換え、シクリャローフの天然全開猛烈自己アピールの踊りときたら。あなた本当にマリンスキーのプリンシパルですか? と、説教すること小一時間……じゃ、全然、足りません。あぁ、嘆かわしい。

『海賊』よりパ・ド・ドゥ
[音楽]アドルフ・アダン、リッカルド・ドリゴ [振付]マリウス・プティパ

オクサーナ・スコーリク、アンドレイ・エルマコフ

あほぼんの後だったので、控え目なエルマコフがとても魅力的に見えました。
やはりスコーリクはポーズのひとつひとつが美しい。後半はちょっと疲れが出たかな。

『ビギニング』
[音楽]エリック・サティ(グノシエンヌ第1番)[振付]ウラジーミル・ワルナワ

イーゴリ・コールプ

今年の6月に初演されたばかりの新作。
題材(ルネ・マグリット『人の子』)も音楽(エリック・サティ『グノシエンヌ第1番』)もポピュラーだからか、非常に取っつきやすい。あまり長くないのもいい。
今後は、こうしたコンテンポラリー作品を振付家と共に創作していくことに、より一層、力を入れていくのかしらん?

カーテンコール。一旦消えた照明が再びついた時のコールプのリアクションが面白かった。

ちなみに、10月30日付の記事で本作の動画を紹介しております。

『ディアナとアクテオン』
[音楽]チェーザレ・プーニ [振付]アグレッピナ・ワガノワ

エレーナ・エフセーエワ、キム・キミン

久しぶりだよ、エフセーエワ。ワタクシ的には、エフセーエワと言えば『バヤデルカ』のガムザッティ(ミハイロフスキー劇場の頃ね)。だから、それ以外の彼女はすんごく新鮮。弓を手にしたポーズが勇壮で素敵でした。

キミンは手脚がほんっとに長いっすね〜。伸びやかな肢体から繰り出される跳躍が、実に、実に実に爽快。ンが、勢い余ってよろけるのは如何なものかと。まだ若いから仕方ないか……。

【第3部】

『パキータ』よりグラン・パ
[音楽]ルードヴィヒ・ミンクス [振付]マリウス・プティパ
[復刻制作協力]ピョートル・グーセフ、リディア・ティウンティナ、ゲオルギー・コニシチェフ
[装置デザイン]ゲンナジー・ソトニコフ [衣装デザイン]イリーナ・プレス

ソリスト:ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニーラ・コルスンツェフ
ヴァリエーション:ダリア・ヴァスネツォーワ、スヴェトラーナ・イワーノワ、マリーヤ・シリンキナ、アナスタシア・ニキーチナ

正直、途中までは新国立劇場バレエ団の方がいいンじゃ?(プロポーションも含めて)と、思いましたですよ。パ・ド・トロワもないし。時間的な問題? それとも、人がいない? そう言えば、ヴァリエーションを踊ったイワーノワは、わざわざ着替えてコリフェも踊ってましたよね? やっぱ今回の来日メンバーって、かなり層が薄かったのかしらん?

そんなdown気分を払拭してくれたのがロパートキナの存在でした〜。登場した瞬間の輝き。完璧なプロポーション。どの一瞬を切り取っても一幅の絵になる美しさ。眼福。
コルスンツェフも完璧なサポートで、これまた眼福。
《オールスター・ガラ》と銘打っておきながら、その実、スターは数えるほどしかいなかったけど、最後は何とか帳尻を合わせた……かな(笑)。

最後にオーケストラについて。自前のオケを連れてきた割には、あまりよくなかった。指揮も、前回の来日で『イワンと仔馬』を振った人とは思えないほどムラがあったし。特に、《オールスター・ガラ》の2部は全体的にテンポが遅く、ダンサーの足を引っ張っていた気がしないでもない。

|

« マリインスキー・バレエ 2012年日本公演『白鳥の湖』 | トップページ | 中村屋逝く »

2012年鑑賞記録」カテゴリの記事

イーゴリ・コールプ」カテゴリの記事