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2013年5月18日 (土)

溝口健二ふたたび

本日よりシネマヴェーラ渋谷にて「最新の溝口健二著作集の刊行を祝して!」特集上映。故・中村雀右衛門が若い頃(当時は大谷友右衛門)に出演した『噂の女』を観るために行ってきました。

まずは、山田五十鈴主演の『浪華悲歌』から。
会社の金を横領した父のために社長の妾になり、兄の学費のために美人局まがいのゆすりを働くアヤ子。そうまでしてもなお、家族からは“不良少女”と蔑まれ、恋人には裏切られ、ただひとり、夜の街へと消えていく……。
えっと、1936年製作だから、山田五十鈴はまだ19歳っすか!? えらい迫力ある19歳やな。トレンチコートを着た彼女の姿を真っ正面から捉えたラストシーンの、なんと格好いいこと。キャロル・リード監督『第三の男』のラストシーンも目じゃないね。いや、まぢで。

続いて、お目当ての『噂の女』。
京都は島原の置屋・井筒屋を舞台に、母(田中絹代)と娘(久我美子)が同じ男(大谷友右衛門)を取り合うという、何ともえぐいお話でございます。ンが、そこは溝口。最後は倒れた母の代わりに店を切り盛りする娘の颯爽とした姿を描いて清々しく。と同時に、どんなに時代が変わろうとも、身を売る女が絶えることはない現実をも抉って見事。
しっかし、ぬらりとしたダメ男が恐ろしくハマっていたな、大谷友右衛門。すべてバレた後で、しれーっとお金を受け取るのには驚いたよ。いやはや。

ところで、『浪華悲歌』では文楽を、『噂の女』では鴨川をどりや能・狂言を、物語に巧みに織り込んでいるンだけど、当時は普通の娯楽だったンでしょうね(いろんな意味で、どこぞの市長を思い出したり)。

しまった。書店に寄るのを忘れたー! 読む本が1冊もないよ。トホホ。

◎本日の読書
 なし

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