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2013年11月 3日 (日)

あうるすぽっとプロデュース[N/R]プロジェクト スガダイロー五夜公演『瞬か』

2013年10月30日(水)〜11月4日(月・祝) あうるすぽっと
http://www.owlspot.jp/

[音響]zAk [照明]高田政義(RYU)
[舞台監督]ニケステージワークス [宣伝美術]川上俊(artless)
[映像・宣伝写真]森孝介(velvetsun products)
[スガダイローマネジメント]ノイズ中村(velvetsun products)
[広報]小仲やすえ(あうるすぽっと)
[プロデューサー]ヲザキ浩実(あうるすぽっと)、清宮陵一(vinylsoyuz)

スガダイロー
酒井はな

音=聴覚は全方位だけど、動き=視覚は死角があるから、自ずと制約を受けるわけで。決して噛み合っていたわけではないけど、噛み合わないなりに面白かった。

舞台中央にピアノ。先端を少し舞台奥に振っている。ピアノ椅子の横にトイピアノ。床には岩と思しき張りぼてがいくつか。グリーンの布の塊もいくつか。舞台奥にバーと衣裳を吊るしたハンガーラックやらドレッサーやら。

客入れ中、酒井はなはバーレッスンでウォーミングアップをしている。時折、知人を見つけては、笑顔を見せたり、手を振ったり。衣裳はレッスン着にバレエシューズかな。
開演時間になるとスガダイローが下手から登場。まずはトイピアノを弾き始める。これが、結構、いい音してました。音に反応して酒井も踊り始め、本日のステージが始まる。

しばらく踊ると、酒井はポワントに履き替え、チュチュをつける。すると、スガもグランドピアノに移り、それを受けて酒井が『ライモンダ』と思しき振付を踊り始める。なるほど。ここまでは小手調べだったのね。
その後は、とにかく延々と弾き続けるスガに、次々と衣裳と役柄を変え(キトリ、マルグリット、シルフィードなどなど)、時には一発ギャグ的なことまで繰り出す酒井、といった趣。平たく言えば、なかなか振り向いてくれない男にあれやこれや仕掛ける女、って感じか(笑)。

1時間も過ぎ、終わらせ方をどうするのか考えながら観ていたら、酒井が袖に引っ込み(それまでにも酒井が袖に引っ込むことは何度かあった)、スタッフが張りぼてや小道具をすべて片付け、スモークを噴出。準備が整うと、バレリーナと言えば誰もが思い浮かべる白いチュチュに白い頭飾り姿の酒井が現れ、ひとしきり『瀕死の白鳥』を踊って終わり。そうきましたか。

ひとつの動きを精査して舞台に乗せるダンサー、それも長年クラシック・バレエを踊ってきたダンサーにとって、やはり即興は難しかったような。特に、ポワントを履いてしまうと、既成の振付を踊り、何らかの役を演じる、その傾向が強く出てしまう。ンが、即興は反応だから、役柄とか物語とは相容れない。そのため、ダンサーが過度に演技をすると、却ってピアニストの反応が薄くなり、単なる劇判になってしまう。

その反面、純粋なムーヴメントにはピアニストも反応する。興味深かったのは、ラストに踊った『瀕死』。クライマックスということもあるだろうけど、ピアニストがそれまでにないほど反応していて、改めて『瀕死』は情緒云々ではなくてムーヴメントなんだな、と。

「打ち合わせも一切なし」ということなので、それぞれがスタッフと打ち合わせをするだけなのかしらん? だとすると、照明はいつも以上に緊張するよね。今日は客電を落とさずに始まったので、いつ落とすンだろう? って、気になって気になって(笑)。

カーテンコールで酒井に手を取られ、やたらと照れまくるスガ。ジャズのコンサートでは、絶対、見られない姿だよな。

同じ業界でいろいろと評判も聞いてるし、スガについてはちょっと書きにくいンだけど、1時間以上も弾き続けるエネルギーには素直に感心いたしました。ただ、何であんなに空間を音で埋めないと気が済まないのかな? 兎角インプロヴァイザーは弾き過ぎるきらいがあるけど、引くこともして欲しいンだよね、私は。
ま、このあたりは、普段、どんなインプロを聴いているかにも因るのかも。世間的には、止め処なく弾きまくる/吹きまくる系(私にとっては面白くも何ともない)が受けるみたいだし。

開場前にホワイエでヴィヴィアン佐藤(非建築家、美術家、ドラァグクイーンなどなど肩書きがたくさんある方)と石井達朗(舞踊評論家)のトークショーあり。Ustreamのチャンネルでも配信してます。舞台映像もちょっとだけ観られます。
照明機器のトラブルにより開場時間が15分ほど押す。客席は思ったより入っていたかな。

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