« 松橋登さんの今後の予定 | トップページ | 第十二回 伝統歌舞伎保存会 研修発表会 »

2013年12月14日 (土)

国立劇場 十二月歌舞伎公演 知られざる忠臣蔵

2013年12月3日(火)〜26日(木) 国立劇場 大劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/

四十七士討ち入りの日だし、夜の研修発表会にも行くし……ってことで、終日、国立劇場で過ごす。「上演の機会の少ない名作」らしいけど、どれも面白かったです〜。

『主税と右衛門七 −討入前夜−』

矢頭右衛門七:中村歌昇
大石主税:中村隼人
娘お美津:中村米吉
大石内蔵助:中村歌六

若手3人、それぞれ健闘していたけど、右衛門七の歌昇が頭ひとつ抜けた印象。恋と討ち入りに揺れる青年をきっちり演じて見事。
主税の隼人もお美津の米吉も、ちゃんと自分で楽器を演奏していたような。違うかな?

内蔵助の歌六は立っているだけで大きさを感じさせる。
主家の娘と右衛門七を取り持とうとあれこれ算段する乳母を京蔵が好演。

『いろは仮名四十七訓 弥作の鎌腹』

百姓弥作:中村吉右衛門
千崎弥五郎:中村又五郎
百姓畦六:澤村由次郎
百姓田吾作:大谷桂三
柴田七太夫:嵐橘三郎
弥作女房おかよ:中村芝雀

「義士の協力者や肉親などが主人公となる〈忠臣蔵外伝物〉」の一場面で、慎ましく暮らす善良な百姓が、ふとしたきっかけで人を撃ち殺し、自らも壮絶な最期を迎えることとなる悲劇を、笑いを交えて描いていく。狂言の『鎌腹』も踏まえているそうな。

前半で慎ましく善良な弥作をきっちり見せておくからこそ、後の悲劇がより鮮明になるわけで。そのあたり、吉右衛門はさすがに巧い。花道で百姓仲間を何度も呼び止めるところとか、こぼした飯粒を拾って食べたりするところとか、思わず笑みがこぼれる。

芝雀の甲斐甲斐しい世話女房ぶり、又五郎のすっきりとした武士ぶり、橘三郎の吝嗇な代官ぶりなど、脇も揃って見応えのある一幕に仕上がっておりました。
ただひとつ残念だったのは、鎌腹の仕掛けがわかりにくかったこと。それでも、幕切れの切なさ、やり切れなさは、充分、伝わってきたけどね。

河竹黙阿弥没後百二十年
『忠臣蔵形容画合 −忠臣蔵七段返し−』

大星由良之助:中村吉右衛門
斧定九郎、与市兵衛:中村歌六
遊女おかる:中村芝雀
高師直、奴武平:中村又五郎
寺岡平右衛門:中村錦之助
狸の角兵衛:中村松江
桃井若狭之助、奴桃平、めっぽう弥八:中村歌昇
塩冶判官、奴半平、種ヶ島の六蔵:中村種之助
腰元おかる:中村米吉
腰元吉野:大谷廣松
早野勘平:中村隼人
大星力弥:中村鷹之資
おかや:中村東蔵
顔世御前:中村魁春

『仮名手本忠臣蔵』の大序から七段目までのダイジェスト版というか、好いとこ取りというか、とにかく、早替り、人形振り、三人上戸、盆踊りといった様々な趣向が楽しく、もっと上演すればいいのに……と、思った次第。
歌六の一人二役(殺す者と殺される者の両方を演じるのが面白い)と芝雀と錦之助の人形振りが印象に残る。

力弥の鷹之資への拍手が一際大きく、期待の高さを窺わせる。まだ小さいけど、口跡に富十郎を感じるンだよね〜。さすが親子。

|

« 松橋登さんの今後の予定 | トップページ | 第十二回 伝統歌舞伎保存会 研修発表会 »

2013年鑑賞記録」カテゴリの記事