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2014年7月 9日 (水)

東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ 第2回グラン・ガラ・コンサート 私たちはひとつ!!

2014年7月9日(水)〜14日(月) 東京エレクトロンホール宮城 ほか
http://blog.kahoku.co.jp/events/
http://www.tbs.co.jp/event/

[舞台監督]アラ・ラゴダ [プロデューサー・演出]田北志のぶ

昨年に引き続き、田北志のぶプロデュースによるチャリティ・バレエを仙台と東京で開催。自身が暮らすウクライナも大変な時期にあるというのに、有り難いことです。ダンサーの気持ちが真っ直ぐに伝わってくる、いい公演でした。

前の席に体格のいい女性が座っていたので、若干、ストレスを感じつつ。日頃の行いが悪いせいかしらん?(苦笑)

【第1部】

『赤と黒』よりパドドゥ
[音楽]エクトル・ベルリオーズ [振付]ウヴェ・ショルツ

エカテリーナ・マルコフスカヤ、アレクサンドル・ザイツェフ

スタンダールの小説『赤と黒』のバレエ化作品より、野心家で美しい青年ジュリアンと侯爵令嬢マチルドとの寝室でのパ・ド・ドゥ。いや〜、初っ端から濃厚です(笑)。

身分の違うふたりによる駆け引きに満ちたやり取り。昨年(『コッペリア』と『ラ・シルフィード』)の甘美な世界とは打って変わって、今回は情念の世界。日本では滅多に観られない作品を選んでくれたのが嬉しい。

『パリの炎』よりパ・ド・ドゥ
[音楽]ボリス・アサーフィエフ [振付]ワシーリー・ワイノーネン

オレーサ・シャイターノワ、ブルックリン・マック

ガラの定番。やっぱこの作品は盛り上がる〜。

マックは、昨年に比べて少し落ち着いたというか、貫禄が出てきたというか。身体能力の高い跳躍系を得意とするダンサーにしては、エレガントで音楽性も高く、いいダンサーだと思います。国際コンクールで受賞しまくっているのも納得。ただ、私はこの手のダンサーには興味ないので……すみません。

日本初お目見えのシャイターノワもテクニックがあって優美でよかったです。「キエフ・バレエ団、期待の新星」だそうな。

『Beginning』
[音楽]エリック・サティ(グノシエンヌ第1番)[振付]ウラジーミル・ワルナワ

イーゴリ・コルプ

エレーナ・エフセエワの降板により追加されたソロ、その1。

ルネ・マグリットの絵《人の子》から抜け出して、またそこへ戻っていくのかと思いきや、そのまま終わってしまう……というのがユニークでもあり、収まりの悪さでもあり。
途中で帽子が落ちちゃったのはアクシデントよね? 小さなお団子ヘアをしていて、帽子の下はそうなっていたのかと(笑)。それにしても、スモーク焚き過ぎ。折角のコルプが見えないじゃん。

好きな作品なんだけど、正直、王子なコルプが観たかった。

『La rose malade(病める薔薇)』
[音楽]グスタフ・マーラー [振付]ローラン・プティ

田北志のぶ、ニキータ・スハルコフ

田北のしなやかな長い腕を堪能するにはうってつけの作品。ただ、プティらしさはあまり感じられず。彼女はどの程度プティを踊ってるのかしらん???

ウィリアム・ブレイクの詩をベースにした官能的な作品でありながら、スハルコフの持つ透明感によって、とてもピュアな印象を受ける。

ご参考までに、ウィリアム・ブレイクの詩を。

The Sick Rose

O Rose thou art sick.
The invisible worm,
That flies in the night
In the howling storm :

Has found out thy bed
Of crimson joy :
And his dark secret love
Dose thy life destroy.

病める薔薇

おお薔薇よ、おまえは病んでいる。
夜にまぎれて飛ぶ
眼に見えない虫が
荒れ狂う嵐のなかで

深紅の歓喜の
おまえの寝床を見つけた。
そして彼の暗いひそかな愛が
おまえの生命を滅ぼす。

『対訳 ブレイク詩集』松島正一編(岩波文庫)より

『Les bourgeois』
[音楽]ジャック・ブレル [振付]ベン・ファン・コーウェンベルグ

アレクサンドル・ザイツェフ

エレーナ・エフセエワの降板により追加されたソロ、その2。

新橋で飲んだくれている仕事帰りのサラリーマンのような。いや、違うって。
ザイツェフは愛嬌があって、程よく砕けていて、それでいて下品にならず、絶妙ですな。

『ラ・バヤデール』第三幕よりパ・ド・ドゥ
[音楽]レオン・ミンクス [振付]マリウス・プティパ

マリア・アラシュ、ルスラン・スクヴォルツォフ

最初、スクヴォルツォフは狭い舞台に苦労しているのかと思ったけど、単に調子が悪かったのかも。所々、ふらついたりしていたし。

それに引きずられたわけではないだろうけど、昨年はあんなに輝いて見えたアラシュもいまひとつパッとせず。期待し過ぎてしまったか?

【第2部】

『エスメラルダ』よりパ・ド・ドゥ
[音楽]チェーザレ・プーニ、リッカルド・ドリゴ、他 [振付]マリウス・プティパ

オレーサ・シャイターノワ、ニキータ・スハルコフ

シャイターノワはタンバリンを打ち鳴らしながら踊るヴァリアシオンが見事でした。これからが楽しみなダンサーですね〜。

そのままジークフリート王子も踊れるような白地に金の刺繍を施した衣裳で登場したスハルコフが、そりゃもう素敵でございました。

いやいやいやいや、キエフ・バレエ、侮り難し。

『As above, So below(天にあるごとく、地にも)』
[音楽]ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、アレッサンドロ・マルチェロ
[振付]エドワード・ライアン

ブルックリン・マック

淀みないムーヴメントと、ソロで踊っていても決して内省的にならず、常に開かれた印象を受けるマック。彼はコンテ作品の方が魅力的かと。

本来はデュエットで踊られる作品らしい。オリジナルのヴァージョンも観てみたいな。

『Como Neve al Sore(太陽に降り注ぐ雪のように)』
[音楽]フレデリック・ショパン、シンドラー [振付]ローランド・アレシオ

エカテリーナ・マルコフスカヤ、アレクサンドル・ザイツェフ

いやーん、懐かしい。2003年の世界バレエフェスティバルで、アリシア・アマトリアンとフリーデマン・フォーゲルが踊って、後々までの語り種になった作品じゃないですか。観るのはあれ以来かしらん?

伸縮素材のTシャツを使った振付が特徴で、思わずクスッと笑ってしまうユーモア漂う佳品。

『黄金時代』よりリタとボリスのアダージョ
[音楽]ドミートリー・ショスタコーヴィチ [振付]ユーリー・グリゴローヴィチ

マリア・アラシュ、ルスラン・スクヴォルツォフ

久しぶりに〈タンゴ〉が観たかったンだけど、アレクサンドル・ヴォロチコフの降板が発表された時点で、〈リタとボリスのアダージョ〉になっちゃったのよね。残念。

ま、でも、しっとりとした抒情的なパ・ド・ドゥで、これはこれでよかったかな。

『シェヘラザード』よりデュエット
[音楽]ニコライ・リムスキー=コルサコフ [振付]ミハイル・フォーキン
[改訂振付]ヴィクトル・ヤレーメンコ

田北志のぶ、イーゴリ・コルプ

予想通り、田北に妖艶さが足りない。衣裳も白のハーレムパンツだし、何だかやたらと清潔感に溢れておりました。う〜む。

ってことで、野性味溢れるコルプの熱演もやや空回り気味。観てるだけで妊娠しそうなディアナ・ヴィシニョーワとの『シェヘラザード』が恋しくてなりませぬ。もう二度とあのペアでは観られないのかな(泣)。

チラシでは「お互いに一緒に組んだことが無く、今回のチャリティ・ガラのみで実現する」とあったけど、7月1日付の記事でご紹介したように、キエフ・バレエにコルプをゲストに迎える形で、一度、踊ってます。

『ディアナとアクテオン』
[音楽]チェーザレ・プーニ [振付]アグリッピナ・ワガノワ

ブルックリン・マック、全員

エレーナ・エフセエワの降板により、マックのヴァリアシオンで始まり、全員でコーダを踊るという構成(確か、スハルコフ、田北&コルプ、マルコフスカヤ&ザイツェフ、アラシュ&スクヴォルツォフ、シャイターノワだったかな……一部、順番が入れ替わっているかも)に変更。

それぞれが踊った作品の振付を取り入れていて、短いながらも見応えあり。観客を喜ばせようという心意気に感謝!

【フィナーレ】

『花は咲く』

昨年同様、NHK復興支援ソング『花は咲く』でダンサーが1組ずつ登場し(マックだけひとり)、最後に数本の花を手に客席まで降りてきて、観客にプレゼント。ダンサーが舞台に戻る際に客席で観ていたアラ・ラゴダも一緒に舞台に上がり、皆と並んでカーテンコール。鳴り止まない拍手にスタンディングオベーション。今回も大盛況でした。18:30開演で終演は20:40頃だったかな。

最後のカーテンコール。幕が下り切る直前の狭い隙間から身を屈めて手を振っていたスクヴォルツォフ。意外とお茶目なのね。

ちなみに、昨年の仙台公演の感想はこちら、東京公演の感想はこちらです。

【関連記事】
復興願い華麗に舞う バレエのチャリティー公演 仙台|河北新報オンラインニュース

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