« ヴィクトリア・テリョーシキナのガラ公演 | トップページ | 松竹創業百二十周年 三月大歌舞伎 夜の部 »

2015年3月22日 (日)

松竹創業百二十周年 三月大歌舞伎 昼の部

2015年3月3日(火)〜27日(金) 歌舞伎座
http://www.kabuki-bito.jp/

花形に幹部がちょこっと付き合うだけで「大歌舞伎」とするのはやめてくれませんかね。>松竹
夜の部なんて、「花形歌舞伎」で充分じゃん。

『通し狂言 菅原伝授手習鑑』

《加茂堤》
舎人 桜丸:尾上菊之助
桜丸女房 八重:中村梅枝
斎世親王:中村萬太郎
苅屋姫:中村壱太郎
三善清行:坂東亀寿

『菅原伝授手習鑑』の通しは13年ぶりだそうな(前回は菅原道真公没後千百年にあたる2002年)。ってことで、昼の部は初めて観る幕ばかりだわ。

まずは、序幕の《加茂堤》。菅丞相、彼に仕えた白太夫とその三つ子の息子である梅王丸、松王丸、桜丸、そして、武部源蔵らを巡る壮大な物語の発端となる出来事を描いている。

帝の弟宮・斎世親王と菅丞相の養女・苅屋姫の逢瀬の手筈を調える桜丸と妻の八重。桜丸の菊之助と八重の梅枝は共に色気が薄く、斎世親王の萬太郎と苅屋姫の壱太郎もやたらと子供っぽい。結構、際どい台詞も多いのに、どれもこれもサラサラ流れて面白みに欠ける。

《筆法伝授》
菅丞相:片岡仁左衛門
武部源蔵:市川染五郎
舎人 梅王丸:片岡愛之助
源蔵女房 戸浪:中村梅枝
腰元 勝野:澤村宗之助
左中弁希世:市村橘太郎
三善清行:坂東亀寿
荒島主税:坂東亀三郎
局 水無瀬:市村家橘
御台 園生の前:中村魁春

二幕の《筆法伝授》では、書道の大家としての菅丞相を描いている。

菅丞相の仁左衛門が、気品といい、貫禄といい、何とも見事。全身から漂う静謐さが、後の悲劇を予感させる。通しでなかなか上演できないのは、菅丞相を演じるに相応しい役者がいないからなのね。仁左衛門の後は、次、誰ができるのかしらん???

水無瀬の家橘に局としての貫禄があり、園生の前の魁春に御台としての格の高さがある。
源蔵夫婦は染五郎と梅枝。ふたりとも神妙に勤めていて、なかなかの出来。
忠義に厚い梅王丸を愛之助が好演。

幕切れで菅丞相の子息・菅秀才を預かる源蔵夫婦。これが《寺子屋》に繋がるのか(……と、今更なことを言ってみたり)。

《道明寺》
菅丞相:片岡仁左衛門
太郎女房 立田の前:中村芝雀
判官代輝国:尾上菊之助
奴 宅内:片岡愛之助
苅屋姫:中村壱太郎
贋迎い弥藤次:片岡松之助
宿禰太郎:坂東彌十郎
土師兵衛:中村歌六
菅丞相伯母 覚寿:片岡秀太郎

三幕の《道明寺》では、菅丞相と苅屋姫の親子の別れを描いている。

《筆法伝授》に引き続き、菅丞相の仁左衛門が絶品。憂いを含んだ佇まいといい、本物の菅丞相と木像の菅丞相(ぎくしゃくと歩く姿が何とも愛らしい)の演じ分けといい、苅屋姫への情愛といい、どこをとっても最高の菅丞相。
覚寿の秀太郎。次女・苅屋姫を折檻し、長女・立田の前を殺した宿禰太郎を成敗する気丈さ。と同時に、菅丞相を見送る深い情。いや〜、覚寿もなかなか難しい役ですね。

輝国の菊之助、すっきりとした爽やかさはあるものの、幕外の引っ込みはさすがに間が持たなかった。
苅屋姫はほとんど首を振ってるだけの役と言えなくもないけど、壱太郎のあれは振り過ぎでしょう。なんつーか、機械的というか、そこに気持ちがこもってないというか。う〜む。

【関連記事】
歌舞伎座「三月大歌舞伎」初日開幕|歌舞伎美人
仁左衛門が太宰府天満宮で「三月大歌舞伎」成功祈願|歌舞伎美人
ようこそ歌舞伎へ「尾上菊之助」|歌舞伎美人

|

« ヴィクトリア・テリョーシキナのガラ公演 | トップページ | 松竹創業百二十周年 三月大歌舞伎 夜の部 »

2015年鑑賞記録」カテゴリの記事