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2015年6月14日 (日)

ダンスの騎士たち:イーゴリ・コールプ、ダニーラ・コルスンツェフ、エフゲニー・イワンチェンコ

マリインスキー劇場
http://www.mariinsky.ru/

Середина Партер
平土間 中央

0614_1

完全に舞い上がり(19:30開演を19:00と間違え、えらく早く劇場に着いてしまった)、客席からの写真を撮るのを忘れてしまったので、外観など。あちこち修復中な感じ?

写真とキャスト表はclickで大きくなります。

夢のような一夜でした〜。あぁ、もう、言葉にならない。

“おっさんガラ”こと《ダンスの騎士たち》をやると知ったのが4月半ば。最初は行くつもりなんて、全然、なくて。でも、何となく旅行会社のサイトを覗いているうちに、あれよあれよという間にすべての手配が整い、気がつけばサンクトペテルブルクにいた、って感じ。いや、まぢで。ロシア旅行全般については別エントリーで書くつもりなので、とにかく感想を。

幕開けはコルスンツェフによる『お嬢さんとならず者』。彼もお相手のテリョーシキナもデビューです。
ノーブルなコルスンツェフだけど、大型犬のような人懐っこさも感じさせるので、この役は合うンじゃないかな……と思っていたら、果たして、ピッタリでした。

ロシア革命後の退廃した街を舞台に不良青年と女性教師の悲恋を描いた作品で、カジュアルな服装に帽子をかぶったコルスンツェフが驚くほど若々しい。テリョーシキナ扮する女性教師へ果敢にアタックする様も微笑ましく、それ故、最後の悲劇が、より一層、胸に迫ってくる。

テリョーシキナは、その美しいラインで、清楚な女性教師の心情を繊細に描き出していく。
ボスのクズミンは貫禄不足で、まだまだ修行中って感じ。情婦を妖艶に演じたイオシフィディの方がよっぽど迫力あったわ。

続いてコールプによる新作(『王の余興』とでも訳せばいいのかしらん?)。振付はマリインスキーのコール・ドで振付家としても活躍しているマキシム・ペトロフ。せっかくの機会だからと、若手振付家を起用して新作を用意してくるあたり、如何にもコールプらしいな、と。

“太陽王”と呼ばれ、積極的にバレエを奨励したルイ14世をテーマに、ラモーのバロック音楽を使用した宮廷舞踊風の振付。う〜む、目の付け所が面白い。コールプの優美さやしなやかさ、さらには面妖さも表現されていて、観ているうちにどんどん惹き込まれていく。

舞台は、クラーエフ扮する式典長のフランス語による台詞(電光掲示板にロシア語訳も表示)で進行していく。ンが、語られている内容がまったく不明なので、こちらの勝手な解釈というか、妄想というか。最初は王の余興と思って観ていたンだけど、そのうち王の幻想のようにも思えてきて、不可解な部分も多いけど、なかなか興味深い作品でした。

ま、でも、ワタクシ的には、コールプの踊りそのもの──高い音楽性、柔らかくしなやかなライン、それ自体が別の生き物のように蠢く腕……あぁ、もう、数え上げれば切りがない──を目にすることができて感泣。これよこれ、これが観たかったのよ〜。
さらに、カーテンコールでは、幕が降りてくるタイミングに合わせてちゃっちゃと前に出てきたりして。これもまたいつも通りで、またまた感泣。

1時間にも満たない短い作品とは言え、本拠地で踊るコールプを観ることができて、ほんっとに幸せでした(お蔭で今は抜け殻状態だけどな)。

そうそう。一緒に踊った4人の若手たちも、皆、優美で折り目正しくて素敵でしたよん。

最後はイワンチェンコによる『シェヘラザード』。ゾベイダのベリクはデビューです。
主役ふたりに関して言えば、ベリクは妖艶さが足りないし、イワンチェンコもコンディションと折り合いをつけつつ踊っているようで、正直、物足りなかったです。

それでもやはり、マリインスキーの『シェヘラザード』は格別というか、王のポノマリョーフをはじめとする脇の充実、長い腕と柔らかい背中を活かしたオダリスクの艶やかさ、大人数による群舞のど迫力など、終わってみれば満足満足。

カーテンコールもそこそこに舞台が暗転したかと思ったら、タンゴと言えばこの曲、『ラ・クンパルシータ』が流れ出し、タキシード? ブラックスーツ? に着替えた本日の主役3人によるタンゴが始まる。

最初にコルスンツェフが出てきて踊り、次にコールプが出てきて踊り(赤いカマーバンドが素敵)、ふたりが踊るところにイワンチェンコが割って入る、と。ンで、最後は3人一緒に踊って幕。
はあぁ、もう、メロメロでございます。このおっさんたちの色気には、若造が何人かかっても敵いません! 舞台装置が『シェヘラザード』のままというのも、妙な倒錯感があっていいのよね〜。

この日もカーテンコールが延々と。途中、シャンパングラスを片手に出てきたり、ジャケットを脱いで出てきたり、3人のいろんな表情を見せていただきました。あと、セリュツキー先生のお茶目な姿も。
結局、19:30開演で終わったのは23時過ぎ。それでも外はまだ明るくて、これが白夜なんだな、と。

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↓にはロパートキナ、ヴィシニョーワ、テリョーシキナ、シクリャローフの名前が見えます。

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反対側。こちらにはダンサーの名前はないようです。

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以下、キャスト表(解説ページは省いてます)。

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[指揮]クリスティアン・クナップ [管弦楽]マリインスキー歌劇場管弦楽団

『お嬢さんとならず者』
[音楽]ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
[振付]コンスタンチン・ボヤルスキー

お嬢さん:ヴィクトリア・テリョーシキナ
ならず者:ダニーラ・コルスンツェフ
ボス:アレクセイ・クズミン
ボスの情婦:アレクサンドラ・イオシフィディ

Дивертисмент короля
Le Divertissement du roi
[音楽]ジャン=フィリップ・ラモー [振付]マキシム・ペトロフ

王:イーゴリ・コールプ
式典長:ソスラン・クラーエフ
ワシーリー・トカチェンコ、デニス・ザイネトディノフ、アンドレイ・ソロヴィヨフ、エフゲニー・コノヴァロフ

『シェヘラザード』
[音楽]ニコライ・リムスキー=コルサコフ [振付]ミハイル・フォーキン
[振付復元]イザベル・フォーキン、アンドリス・リエパ

ゾベイダ:オリガ・ベリク
黄金の奴隷:エフゲニー・イワンチェンコ
シャリヤール王:ウラジーミル・ポノマリョーフ
王の弟:アンドレイ・ヤコブレフ
宦官長:ワシーリー・シェルバコフ
オダリスク:アナスタシア・ザクリンスカヤ、ズラータ・ヤリニチ、ユーリア・コブザーリ

Танго для троих
Tango for Three
[音楽]ヘラルド・ロドリゲス [振付]エミール・ファスキ

ダニーラ・コルスンツェフ
イーゴリ・コールプ
エフゲニー・イワンチェンコ

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