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2015年8月16日 (日)

第14回 世界バレエフェスティバル ガラ・パフォーマンス

2015年8月16日(日) 東京文化会館
http://www.nbs.or.jp/

[指揮]ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
[管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団
[ピアノ]フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(『三人姉妹』、『椿姫』、『ル・パルク』)

何だかんだで約5時間。お腹一杯だよん。終演後、ホワイエにファニー・ガラのキャスト掲示あり。これまでもあった?

【第1部】

序曲『戴冠式行進曲』(ジャコモ・マイヤベーア作曲)

『ドリーブ組曲』
[振付]ジョゼ・マルティネス [音楽]レオ・ドリーブ

リュドミラ・コノヴァロワ、マチアス・エイマン

エイマンの音の取り方──時に大きなgrooveだったり、時に小さなgrooveだったり──が気持ちよく。まさに緩急自在。ほんっとに音楽性の高いダンサーだわ〜。
とは言え、今更、彼にパリ・オペラ座エトワール養成プログラムみたいな作品を踊らせなくてもいいンじゃ?

『三人姉妹』
[振付]ケネス・マクミラン [音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ

これって、次女マーシャとヴェルシーニン中佐の“別れのパ・ド・ドゥ”よね? どうしてもムンタギロフがヴェルシーニンには見えず。
半年ほど前に見たケラリーノ・サンドロヴィッチ演出の舞台を思い出しているうちに終わってしまったよ。トホホ。

『雨』
[振付]アナベル・ロペス・オチョア [音楽]ヨハン・セバスチャン・バッハ

ヤーナ・サレンコ、ダニール・シムキン

淀みなく動くふたりが小気味よく。

『椿姫』より 第1幕のパ・ド・ドゥ
[振付]ジョン・ノイマイヤー [音楽]フレデリック・ショパン

マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ

リアブコのアルマンを再び観られるとは! はあぁ、感泣。一途で、性急で、残酷で、迸る激情に自分自身も翻弄されるアルマン。リアブコが踊ると『椿姫』がオム・ファタルの物語だとすんなり納得できるのだ。
そんなアルマンに相応しいのは、プロフェッショナルな娼婦なわけで。アイシュヴァルトが造型するマルグリットはまさにそう。ふたりとも文句のつけようのない名演でございました。

それにしても、ピアニストのクニッテルは今日も演奏がボロボロだった。昨年のパリ・オペラ座バレエ団 日本公演『椿姫』では、1幕と2幕は演者として舞台で演奏し、3幕のみオケピで演奏していたので(この時は音色もショパン向きでよかった)、1幕は弾き慣れていないのかしらん? それとも、ただ単に不調なだけ?

【第2部】

『ヌアージュ』
[振付]イリ・キリアン [音楽]クロード・ドビュッシー

ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス

う〜む、あまりに流麗にまとめられていて、何だかキリアンっぽくなかった。
瞬間瞬間で違う世界を見せてくれるような空間の支配力を今のヴィシニョーワからは感じられなくて、それがとても寂しい。あれこれ手を出し過ぎているような気がするンだけど……。

『カルメン組曲』
[振付]アルベルト・アロンソ
[音楽]ジョルジュ・ビゼー、ロディオン・シチェドリン

ヴィエングセイ・ヴァルデス、ダニーラ・コルスンツェフ

脚のラインがこんなにごついカルメンは、到底、受け入れられません。フリンジだらけの衣裳も古臭いし、片足だけつけたアンクレットも如何なものかと。

ってことで、終始、コルスンツェフだけを観ておりました。衛兵にしては些かノーブルではあるものの、純朴さの中に色気を湛えたホセで、軍服の襟元をきゅっと掴む姿に萌える萌える(笑)。

『ル・パルク』
[振付]アンジュラン・プレルジョカージュ
[音楽]ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

己の身体をなぞる指。たっぷりとした重みを感じさせる黒髪。一歩一歩、床を掴むような足裏。そのすべてが、身の内に燠火のように燻る官能を思わせる。すげーよ、ゲラン。

彼女を前にしたら、さすがのルグリも小僧にしか見えん。いや、でも、今回のパートナーにゲランを選んだ慧眼には感服いたしましたです。はい。

『さすらう若者の歌』
[振付]モーリス・ベジャール [音楽]グスタフ・マーラー

オスカー・シャコン、フリーデマン・フォーゲル

フォーゲルはそれはそれは美しく踊ってるンだけど、ベジャールじゃない。ベジャールが苦手な私でもそれはわかる。ただ、本作ではふたりのダンサーの対比がある種の効果を生み出すことがあるので、これはこれでありかと。

【第3部】

『ウロボロス』
[振付]大石裕香
[音楽]ヤン・ティルセン、ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ、アレックス・バラナウスキー

シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

人形振りで始まり、マスクを外し、服を脱ぎ、徐々に人間らしくなっていく。アッツォーニとリアブコの人外感が半端ない。私には作品の帰着点が今ひとつ明確ではないように思えたけど、なかなか面白かったです。

カーテンコールには振付の大石も登場。

『白鳥の湖』より“黒鳥のパ・ド・ドゥ”
[振付]マリウス・プティパ [音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

アレクサンドロワはまだ本調子ではないのかな。彼女の伸びやかで押し出しのいい踊りや圧倒的な華と存在感はこんなものではなかった筈、という思いが強くて……。過去の記憶に囚われ過ぎるのもいかんよな。反省。

ラントラートフは立ち姿にこそ気をつけてくださいな。ジークフリートは立ってるだけで王子、じゃないとね。

『ハムレット』
[振付]ジョン・ノイマイヤー [音楽]マイケル・ティペット

アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

ノイマイヤーらしく換骨奪胎しているのかな。衣裳は現代風で、花冠が辛うじて原作を想起させる。

身を守るために愚鈍を装うハムレットを独活の大木のようなレヴァツォフが演じる。正直、木偶の坊なんだけど、この役に関して言えば、それなりにハマっていたと思われ。
ラウデールは普通によかったです(お座なり過ぎないか?>ぢぶん)。

『シェエラザード』
[振付]ミハイル・フォーキン [音楽]ニコライ・リムスキー=コルサコフ

上野水香、イーゴリ・ゼレンスキー

期待値が低かったせいか、上野はそれほど悪くなかった。とりあえず、プロポーションは抜群だし、柔軟性もあるし。ただ、踊りが途切れるというか、パとパの繋ぎが下手というか、散文的な印象は相変わらず。

それより何より、ゼレンスキーですよ。腰から背中、肩、腕にかけて硬くて硬くて、目も当てられない(泣)。そういうところに年齢が現れるのね……。

『ヴォヤージュ』
[振付]レナート・ツァネラ [音楽]ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフの旅はまだまだ続く。幸多からんことを──

しっかし、今年の世界バレエフェスティバルではモーツァルトの〈ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章:Adagio〉を何度聴いたことか。振付家を刺激する何かがあるのかしらん?

【第4部】

『ジゼル』
[振付]ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー [音楽]アドルフ・アダン

アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

緩やかなデヴェロッペと滑らかなパで精霊としての存在感を出しつつも、どこか暖かみを宿したジゼル。コボーとの息もぴったりで、見応えありました。

『タンゴ』
[振付]ニコライ・アンドロソフ [音楽]アストル・ピアソラ

ウリヤーナ・ロパートキナ

男装の麗人というか、宝塚の男役というか。正直、振付自体は一昔前のセンスなんだけど、ロパートキナがそれはそれはかっちょよく踊るので、観客は大喜び。
しっかし、ロパートキナの脚の長いこと! 3分の2は脚なんじゃ?

どーでもいいけど、誰の録音を使ってるのかしらん?(編曲がメチャメチャ気持ち悪い)

『椿姫』より 第3幕のパ・ド・ドゥ
[振付]ジョン・ノイマイヤー [音楽]フレデリック・ショパン

オレリー・デュポン、エルヴェ・モロー

ノイマイヤーの『椿姫』というより、パリ・オペラ座の『椿姫』。でも、いいの。作品として成立しているから。

『ドン・キホーテ』
[振付]マリウス・プティパ [音楽]レオン・ミンクス

ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー

ふたりとも白を基調とした衣裳で、“The Royal”って感じ。典雅でした。それでいて、小技大技いろいろ利かせて観客を楽しませようという心意気もあって、よかったンじゃないでしょうか。

【第5部/ファニー・ガラ】

前回から佐々木総監督に代わってNBSの高橋氏が前説(でいいのか?)を担当。いつの間にか喋りが巧くなっていてビックリ〜。次回2018年の後は、オリンピック・イヤーの2020年に番外編を開催したい、とのこと。

『カルメン組曲』より エスカミーリョのソロ

ヴィエングセイ・ヴァルデス

かなりオリジナルに忠実に踊っていたと思われ。ただ、脚のラインが……以下自粛。とりあえず、鼻下髭をつけたエロ男ぶりは可愛かった。

『瀕死の白鳥』

ダニーラ・コルスンツェフ、ワレリー・オブジャニコフ
エドウィン・レヴァツォフ

オリジナル同様、舞台下手から後ろ向きで登場。そのまま顔を見せずに上手へ捌ける。デカくて黒髪だからコルスンツェフかな? と思ったンだけど、こういうのをやるような人には見えないし……なんて考えているうちに、今度は上手から下手へ。捌ける前にレヴァツォフ扮する白鳥に押し戻され、ようやくコルスンツェフと判明。

床に頽れる振付になったら、「痛くて堪らない」と言わんばかりの素振りでポワントを脱ぎ、片足ずつ舞台袖に向かって投げつける。すると、今度は上手から1本のロープが飛んできて、それをコルスンツェフが引っ張ると、天使に扮した指揮者のオブジャニコが平台に乗ってハープを奏でる真似をしながら現れる。そのままロープを引っ張り続ける瀕死じゃない白鳥は、最後に天使に撃たれて絶命。

そう言えば、オブジャニコフは前々回も『眠れる森の美女』のブルーバード(扮するはアイシュヴァルト)を撃ってたよな。

コボーのInstagramより。ワタクシ的には一番の衝撃だったコルスンツェフ@瀕死。
https://instagram.com/p/6con3TD4r0/

『お嬢さんとならず者』

ウラディスラフ・ラントラートフ、マリーヤ・アレクサンドロワ

これはもう可愛い可愛いお嬢さんのラントラートフに尽きる。ならず者のアレクサンドロワが意外に華奢で驚いた。

コボーのInstagramより。ファニー・ガラ専属カメラマンと化してるね(笑)。
https://instagram.com/p/6coh62j4rg/
https://instagram.com/p/6corKMD4r6/

『こうもり〜Die Vladmaus』

ウラジーミル・マラーホフ、マリア・アイシュヴァルト
リュドミラ・コノヴァロワ、ディアナ・ヴィシニョーワ

ベラのマラーホフは白いナイトキャップに白いナイトウェアで黒縁眼鏡をかけている。そこへメイドには見えないヴィシニョーワが巨大なスマートフォンを持って登場。例によってウルリックを呼び出すと、でっぷりしたお腹を揺すってアイシュヴァルトがやって来る。お腹に詰め物をして、よくあれだけ軽々と踊れるよな、と感心しきり。ンで、ベラが着替えのためにパーティションの奥へ入ると、鼻下髭をつけたコノヴァロワが現れる。ヨハンが帰ってきた?

そんなこんなで、ゴージャス衣裳に着替えたベラが再登場。今回もマラーホフはすべてのエネルギーをこの一瞬に注ぎ込んでいたような(笑)。

またまたコボーのInstagramより。ちょっと怖いかも。
https://instagram.com/p/6coeAyD4rU/

ちなみに、Die Vladmausはドイツ語のタイトルDie Fledermausの捩りらしい。

『4羽の白鳥』×2

アレクサンドル・リアブコ、フリーデマン・フォーゲル、ダニール・シムキン、マチアス・エイマン、エドウィン・レヴァツォフ、エルヴェ・モロー、オスカー・シャコン、スティーヴン・マックレー

8人の並びは、下手からシムキン、レヴァツォフ、シャコン、エイマン、マックレー、フォーゲル、リアブコ、モローだったかな。ピカチュウの着ぐるみ姿のシムキンが最後に登場したのは覚えている。

ピカチュウにチュチュが縫いつけられていて、芸が細かい。
https://instagram.com/p/6cownYj4sD/

グダグダになりながらも、最後はそれぞれに決めポーズ。

『眠れる森の美女』オーロラ姫のお誕生日

マルセロ・ゴメス
ヤーナ・サレンコ、シルヴィア・アッツォーニ
マリア・アイシュヴァルト、ディアナ・ヴィシニョーワ

オーロラ姫のゴメスがデカいデカい。小姓のサレンコとアッツォーニが子供のよう。

今度はゴメスのInstagramより。ポワントで立つと、小姓との身長差がすんごいっす。
https://instagram.com/p/6feIxgiuco/

もしかして、ヴィシニョーワと主役の座を張り合ってる?(笑)
https://instagram.com/p/6cyCe1Cuc3/

こちらはヴィシニョーワのInstagramより。ヴィシニョーワが着ているのは衣裳じゃなくて私服です(笑)。
https://instagram.com/p/6cVrFyO5mq/

ゴメスが踊ったのはローズ・アダージオの後のヴァリアシオンかな。袖にいるマラーホフが、これまた麗しい立ち姿だこと。
https://instagram.com/p/6fgGtECuQq/

マネージュでゴメス姫に追い回され、悲鳴をあげて逃げ回るふたりの小姓がちょーLovely

最後は『こうもり』の出演者も合流して(キャスト表には載ってなかったけど、マラーホフとコノヴァロワもいたと思う)、観客も一緒にHappy Birthday to Youを歌い、ゴメス姫が巨大なケーキ(作り物)のロウソクを吹き消す。その横には小さなケーキ(本物)もあって、ヴィシニョーワがゴメス姫の顔を思いっきり押しつけて幕。

まさにこの場面がアレクサンドロワのInstagramに!
https://instagram.com/p/6kWyDeJIyf/

ってことで、全員揃ってのフィナーレと恒例の手拭い撒きでお終い。

ゲランのInstagramには集合写真がありました〜。一番前に座っている少女たちはゼレンスキーの子供かな?
https://instagram.com/p/6c8EkFi1bi/

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