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2015年12月30日 (水)

シルヴィ・ギエム ファイナル

2015年12月30日(水) 神奈川県民ホール
http://www.nbs.or.jp/

正直なことを言うと、シルヴィ・ギエムより東京バレエ団初演の『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』がお目当てのワタクシ。ってことで、若干、アウェイな空気を感じながらの鑑賞。

『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』 *東京バレエ団初演
[振付]ウィリアム・フォーサイス
[音楽]トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
[演出・照明・衣裳]ウィリアム・フォーサイス
[振付指導]キャサリン・ベネッツ

川島麻実子、渡辺理恵、秋元康臣
河合眞里、崔美実、高橋慈生、伝田陽美、松野乃知、吉川留衣

今回のツアーで躍り込んできただけあって、予想以上の出来。中でも、秋元康臣が一頭地を抜いていたかな。オフバランスの溜めや粘りが誰よりも際立っていて、すっげー格好よかったです。川島麻実子、松野乃知、伝田陽美あたりもそれなりに。この先、遊び心や太々しさが出てくると、尚、よいかと。

パリ・オペラ座からすればマリインスキー・バレエも「別物」なわけで、東京バレエ団は東京バレエ団の『イン・ザ・ミドル』を踊っていけばいいのではないかしらん。

『TWO』
[振付]ラッセル・マリファント [音楽]アンディ・カウトン
[照明デザイン]マイケル・ハルズ

シルヴィ・ギエム

前に観た時ほどの興奮は感じられなかったけど、興味深い作品であることに変わりなはい。マイケル・ハルズによる照明デザインが出色。

『ドリーム・タイム』
[振付・演出 ]イリ・キリアン [振付助手]エルケ・シェパース
[音楽]武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)
[装置デザイン・衣裳デザイン]ジョン・F・マクファーレン
[照明デザイン]イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作)
[技術監督・装置照明改訂]ケース・チェッベス

吉岡美佳、乾友子、小川ふみ
木村和夫、梅澤紘貴

夢と現のあわい──黄昏時、あるいは、逢魔時──を描いたような美しい作品。この手の世界観には吉岡美佳の儚さがハマるハマる。木村和夫のラインの美しさとシンプルで繊細な美術も印象に残る。

誰が聴いてもすぐわかる“武満節”はここでも健在。

『ボレロ』
[振付]モーリス・ベジャール [音楽]モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
森川茉央、杉山優一、永田雄大、岸本秀雄

シルヴィ・ギエムの『ボレロ』を最後に観たのはいつだっけ? と思って調べてみたら、まさに2005年の“最後の『ボレロ』”だった(その後も何度か踊ってますけど)。

その時よりさらに苛烈さや峻厳さは影を潜め、ただ粛々と踊っていたような。いや、違うな。ギエムの引退に特別な感慨がないだけに些かシニカルな表現になってしまうけど、観る者の感情を投影する器と化していた……とでも言えばいいのか。

カーテンコール。観客は事前に配られたオタク棒サイリウムを一斉に点灯。そんな中、花束やプレゼント、手紙などを渡そうと、大勢のファンが舞台に押し寄せる。それをまた、ひとりひとり丁寧に握手をして受け取るギエム。彼女が持ち切れなくなると、後方に控えていたリズム隊が順番に受け取りに行き、円卓の上に並べていく。

その後、ホリゾントにギエムのステージ写真が映し出され、彼女の来し方を一頻り振り返ると、最後に東京バレエ団のダンサーたちが一輪の花を次々と渡してhug。ンが、あまりに時間がかかり過ぎるので、最後はまとめて円卓に乗せるよう指示し、それに投げkissで応えるギエム。

そう言えば、吉岡が花を渡した時だけ、ギエムが彼女を前に押し出していたンだけど、もしかして吉岡もそろそろ引退?(単に付き合いが長いから、ってだけかも知れないけど)

何はともあれ、あの場に立ち会えたことは素直によかったな、と思いましたです。はい。

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