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2016年10月22日 (土)

国立劇場開場五十周年記念 十月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』第一部

2016年10月3日(月)〜27日(木) 国立劇場 大劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/

11時開演で終演は16時15分。途中2回の休憩を挟むとは言え、5時間超ともなるとお尻が痛い痛い。余力があれば、その後の伝統歌舞伎保存会研修発表会も観ていこうと思ったけど、さすがに無理でした。開演前の「エヘン、エヘン」を見逃したのが、返す返すも残念だ〜。

大星由良之助良兼:松本幸四郎

顔世御前:片岡秀太郎

早野勘平:中村扇雀
桃井若狭之助安近:中村錦之助
腰元おかる:市川高麗蔵
足利左兵衛督直義:中村松江

千崎弥五郎:市村竹松
大星力弥:中村隼人
佐藤与茂七:市川男寅
本蔵娘小浪:中村米吉 

高武蔵守師直、石堂右馬之丞:市川左團次

矢間重太郎:嵐橘三郎
鷺坂伴内:市村橘太郎
織部安兵衛:澤村宗之助

斧九太夫:松本錦吾
赤垣源蔵:大谷桂三
竹森喜多八:澤村由次郎

大鷲文吾:坂東秀調
本蔵妻戸無瀬:市村萬次郎
加古川本蔵:市川團蔵
原郷右衛門:大谷友右衛門

薬師寺次郎左衛門:坂東彦三郎

塩冶判官高定:中村梅玉

国立劇場開場五十周年を記念して、「三ヵ月にわたり、歌舞伎屈指の名作『仮名手本忠臣蔵』全十一段を、通常では省略される場面を含めて、通しで上演」(ちなみに、四十周年記念の時は真山青果の『元禄忠臣蔵』を通しで上演)。二段目は初めて観た。あ、あと、四段目の花献上の場も。美しく活けられた様々な桜が印象的だったな……。

今月の第一部は判官の梅玉に尽きる。気品があるのはもちろん、刃傷に及ぶまでの心中や切腹の際の思い入れが明確に伝わってくるのが、とにかく素晴らしい。
錦之助も直情径行な若狭之助を好演。
惜しむらくは師直の左團次。そこはかとなく愛嬌が滲むというか、判官をじわじわと追い詰めていく憎々しさが弱いンだよね。とは言え、今現在、この手の役を演じられるのが彼しかいないのも事実。
顔世の秀太郎に事件の発端となる存在感がある。ただ、足元が覚束なくなっているようにも見えて、ちょっと心配。

本蔵の團蔵が立派。戸無瀬の萬次郎は少しコミカルに振り過ぎのような(九段目と結びつかない)。
力弥の隼人と小浪の米吉はほのぼのとして可愛らしいンだけど、まだまだ段取りに追われている印象。しっかし、背が高いうえに顔が小さくて首が長い隼人は、つくづく歌舞伎には向かない体型だよな。ま、でも、そのうちこういう役者ばかりになっていくのかも。

勘平の扇雀とおかるの高麗蔵は、色気もあって意外によかった(このふたりで五・六段目を観たいかと訊かれれば、それはまた別の話)。
錦吾の九太夫、友右衛門の郷右衛門は過不足なく。

先程まで師直を演じていた左團次が、情に篤い石堂で再び登場。歌舞伎ではよくあることだけど、人いなかったのか?

由良之助は幸四郎。「由良之助はまだか?」と繰り返し尋ねる判官。ただ悲しげに首を振るばかりの力弥(若いせいか、この場面の隼人は厳しかったですね〜)。もはや対面は叶わぬと、腹に刀を突き立てる判官。極限まで高まる緊張感。そこへ息せき切って駆け込んでくる由良之助。その姿の大きさ、客席に広がる安堵感。いやいやいやいや、さすがは平成の大星役者! 城明け渡しの大音声も立派(時折、言語不明瞭になるけどな)。

12月には文楽の通し上演もあるので、それも観ておきたいな。チケット、取れるかしらん?

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