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2016年12月24日 (土)

国立劇場開場五十周年記念 十二月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』第三部

2016年12月2日(金)〜26日(月) 国立劇場 大劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/

今月は座組が薄いな、というのが正直なところ。開場五十周年記念なんだから、松竹ももっと協力したれよ。ってことで、一番見応えあったのは十段目。義平の歌六とお園の高麗蔵が好演。予想はしていたけど、九段目はまとまりなかったっすね〜。

加古川本蔵:松本幸四郎

本蔵妻戸無瀬:中村魁春

大星力弥(九段目)、寺岡平右衛門:中村錦之助
小林平八郎:尾上松緑

大鷲文吾:中村松江
高師泰:市川男女蔵

竹森喜多八:坂東亀寿
由良之助妻お石:市川笑也

大星力弥(十一段目):中村米吉
矢間重太郎:中村隼人
千崎弥五郎:中村種之助

桃井若狭之助:市川左團次

本蔵娘小浪:中村児太郎
茶道春斎:中村玉太郎
赤垣源蔵:市川男寅

矢間喜兵衛:中村寿治郎
一力女房お品:中村歌女之丞

織部弥次兵衛:嵐橘三郎
丁稚伊吾、織部安兵衛:澤村宗之助

医者 太田了竹:松本錦吾

和久半太夫:片岡亀蔵
義平女房お園:市川高麗蔵

原郷右衛門:市川團蔵
天川屋義平:中村歌六

大星由良之助:中村梅玉

『仮名手本忠臣蔵』全段完全通し上演の第三部は八段目から大団円を迎える十一段目までを上演。

八段目。背景が次々に変わっていく演出が楽しい。この段では特に語られるわけでもないのに、戸無瀬の魁春と小浪の児太郎から生さぬ仲を感じたり。

九段目。普段はあまり上演されない《雪転し》がつく。今月の由良之助は梅玉。この人の持ち味である柔らかみが、仲居たちに送られて朝帰りをするこの場面では生きた。出迎えるお石に笑也。人がいないので仕方ないとは言え、やはり硬いし薄い。

続いて戸無瀬の登場。魁春は花道の出に風格がある。お石との台詞の応酬になると、笑也に義太夫味が薄いので盛り上がらず。小浪の児太郎が可憐。最近、めきめきよくなっているような。力弥の錦之助も清々しく。
本蔵の幸四郎は言語不明瞭なことに加え、芝居がわざとらしく、時折、客席から笑いが起こるほど。

十段目は「天川屋義平は、男でござる」の名台詞が有名というか、それくらいしか見所ないと思っていたンだけど、意外や意外、これが面白かった。歌六のニンに合っているのはもちろん、侠気溢れる商人・義平をきっちりと造型していたのが大きいかな。お園の高麗蔵も情があっていい女房ぶり。

十一段目。“泉水の立ち廻り”は松緑と亀寿。さすがにこの世代だと、見栄えもするし動きもいい。本懐を遂げた後の財布の焼香(義弟・勘平の縞の財布を由良之助から手渡された平右衛門が判官の位牌に焼香する)の件は初めて観たけど、原作に描かれているものを加筆したらしい。

花水橋を渡ってくる義士たち。ちゃんと四十六人揃えていて壮観。彼らが背中に差している“いろは札”のカラカラと鳴る響きが何ともやるせない。見間違えでなければ、平右衛門は「ん」をつけていたような。誰がどの札をつけているのか、筋書に一覧を載せてくれると嬉しいな。
それにしても、若狭助の左團次は貫禄あり過ぎじゃ?

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