« 神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ2017『魔笛』 | トップページ | 日本俳優協会再建設立六十周年記念 第三十八回 俳優祭 夜の部 »

2017年3月19日 (日)

中村恩恵×新国立劇場バレエ団『ベートーヴェン・ソナタ』

2017年03月18日(土)〜19日(日) 新国立劇場 中劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/

[演出・振付]中村恩恵
[音楽]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
[音楽監修・編曲]野澤美香 [音響]内田誠 [照明]足立恒
[美術]瀬山葉子 [衣裳]山田いずみ [ヘアメイク]小林雅美

ベートーヴェン:福岡雄大
ジュリエッタ:米沢唯
アントニエ:小野絢子
カール、カスパル:井澤駿
ヨハンナ:本島美和
ルートヴィヒ:首藤康之

ハイドン:福田圭吾
娼婦:寺田亜沙子、五月女遥
ガレンベルク伯爵:木下嘉人
テレーゼ:奥田花純
ジョセフィーネ:盆子原美奈
ヨハン:中島瑞生

父:貝川鐵夫
母:丸尾孝子
兄弟:宝満直也
姉妹:堀口純

八幡顕光、清水裕三郎、福田紘也、渡邊峻郁、中田実里
益田裕子、宇賀大将、小野寺雄、関晶帆、高橋一輝

劇場に入ると、幕はすでに開いている。舞台には装置らしい装置はなく、中央から下手にかけて白い大きな布が吊るされているだけ。開演を待ちながら本を読んでいると、いつの間にか静寂が訪れる。ふと視線を上げた先に、客席通路を歩くダンサーの姿。客席通路だけでなく、舞台袖や舞台奥からもダンサーが現れる。彼らは皆、一様に白い衣裳を身につけている。

やがて、黒いスーツに身を包んだルートヴィヒの首藤康之が椅子を抱えて登場する。舞台中央にその椅子を置き、どっかり座ると、ベートヴェンが最期に残したとされる言葉「諸君、喝采したまえ、喜劇は終わった」を発する。

そうして、ベートーヴェンの福岡雄大とルートヴィヒの首藤の二人一役で、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという偉大なる作曲家の軌跡を辿る物語が始まる……。巧い幕開けだ。

音楽は、プロローグに流れるモーツァルトの『レクイエム』以外、すべてベートーヴェンの楽曲を使用。数々の名曲を背景に、ベートーヴェンと関わりのあった人々──曲を捧げた令嬢、師匠、両親、兄弟姉妹、愛した女性、自殺を図った甥とその母親など──を通して、彼の失意や孤独、苦悩や死を浮かび上がらせていく中村恩恵の手腕には、ただただ感嘆するばかり。いやいやいやいや、すんばらしかったです!

ダンサーも、首藤は言うに及ばず、皆、適材適所。中でも、ジュリエッタの米沢唯が中村の振付にピタリと嵌まって出色の出来。正直、初めて彼女をいいと思った。あと、八幡顕光も改めて魅力的なダンサーだな、と。

なるべく早く再演してくれると嬉しいけど、コンテは当分やらないンだっけ? うー、勿体ない。

|

« 神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ2017『魔笛』 | トップページ | 日本俳優協会再建設立六十周年記念 第三十八回 俳優祭 夜の部 »

2017年鑑賞記録」カテゴリの記事