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2017年3月 4日 (土)

三月大歌舞伎 夜の部

2017年3月3日(金)〜27日(月) 歌舞伎座
http://www.kabuki-bito.jp/

今年最初の歌舞伎座。最近はもっぱら三階席なんだけど、“出端”が命の『助六』で花道が見えなきゃ意味ないじゃん……ってことで、久しぶりの一階席だよ!(思わずエクスクラメーションマークをつけてしまうくらい久しぶり)

『双蝶々曲輪日記 引窓』

南与兵衛 後に 南方十次兵衛:松本幸四郎
濡髪長五郎:坂東彌十郎
平岡丹平:松本錦吾
三原伝造:大谷廣太郎
母 お幸:市川右之助
女房 お早:中村魁春

与兵衛の幸四郎は相変わらず言語不明瞭。ンが、庭先の手水鉢に映る濡髪の姿に気づき、ハッと決まった形の美しさなどはさすがに魅せる。
濡髪の彌十郎。決して悪くはないンだけど、薄いというか、大味というか。

お幸の右之助に実の子と義理の子の間で揺れる母の苦悩があり、お早の魁春にもとは新町の傾城だった色気がある。

仲秋の名月と明かり取りの引窓が効果的に使われているので、この時期の上演だと季節外れは否めず。

『けいせい浜真砂 女五右衛門』

石川屋真砂路:坂田藤十郎
真柴久吉:片岡仁左衛門

男性が主役の『楼門五三桐』を女性に置き換えての上演。南禅寺の山門で景色を眺める傾城真砂路と、山門の下に佇む巡礼姿の男……。

真砂路の藤十郎も言語不明瞭。それでも、立ち姿の大きさ、豪華絢爛な衣裳に負けない存在感には、瞠目する。
久吉の仁左衛門の男ぶり。いや、もう、溜め息しか出ませんわ。

あっという間に終わってしまうけど、歌舞伎らしい色彩美や様式美を堪能できる一幕。

河東節開曲三百年記念
『助六由縁江戸桜』

花川戸助六 実は 曽我五郎:市川海老蔵
三浦屋 揚巻:中村雀右衛門
くわんぺら門兵衛:中村歌六
朝顔仙平:市川男女蔵
通人 里暁:坂東亀三郎
三浦屋 白玉:中村梅枝
福山かつぎ 和政:坂東巳之助
傾城 八重衣:坂東新悟
同  浮橋:尾上右近
同  胡蝶:大谷廣松
同  愛染:中村児太郎
同  誰ヶ袖:中村梅丸
男伊達 山谷弥吉:澤村宗之助
同   田甫富松:市川男寅
同   竹門虎蔵:市川猿四郎
同   砂利場石造:市川新蔵
同   石浜浪七:市川新十郎
文使い番新 白菊:中村歌女之丞
奴 奈良平:市川九團次
国侍 利金太:片岡市蔵
遣手 お辰:市村家橘
三浦屋女房 お京:大谷友右衛門
曽我満江:片岡秀太郎
髭の意休 実は 伊賀平内左衛門:市川左團次
白酒売新兵衛 実は 曽我十郎:尾上菊五郎

口上:市川右團次
後見:市川右之助

助六の海老蔵も今回で8回目。初日が開いて間もないということもあり、殊勝に勤めている(この人の場合、千穐楽に近づくにつれて崩れていくからね)。“出端”は肩の力が抜けたというか、自然体になったというか、とにかく余裕が感じられる。白酒売の菊五郎ともようやく兄弟に見えるようになってきたし、これで台詞がまともなら……ってゆうか、成田屋(いや、むしろここは「堀越家」と言った方がいいのか?)は決して台詞の巧い家ではないので、祖父や父の映像で勉強しても改善されないよね。これから先のことを思うと、かなり憂鬱。

それはさておき。

本日のお目当ては揚巻初役の雀右衛門。吉原で全盛を誇る花魁としての貫禄や侠気、色気はまだまだ。とは言え、そのあたりは所演を重ねていけば自ずと出てくることでしょう。しっかし、ますます先代に似てきたね。歌舞伎座で『本朝廿四孝』の八重垣姫を観られるのはいつかしらん?

驚いたのが白玉の梅枝。古風な美しさといい、場を収める賢さといい、いや、もう、完璧。
通人は亀三郎。さらりと演じて、これはこれでありかと。花道の引っ込みでは自身の襲名(團菊祭五月大歌舞伎での九代目坂東彦三郎襲名)を宣伝したり。

河東節、本日の出演者(「山彦」姓なので、女性の日ですね)。これは2階の掲示で、1階のエレベーター脇にもありました(そのすぐ傍には三津五郎の祭壇も)。

Katobushi

三味線に海老蔵の妹・ぼたん。語りの阿部知代はフジテレビの?(そう言えば、彼女、先日の赤坂文楽にも来ていた)

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