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2017年5月30日 (火)

赤坂文楽 #17 〜文楽の伝統を受け継ぐ 其の八〜

2017年5月30日(火) 赤坂区民センター 区民ホール
http://www.kissport.or.jp/

前回がとても面白かったので、再びの赤坂文楽。基本的に火曜日はLIVEの仕事を入れないことになっているので、火曜日開催は助かるわ〜。いや、今日もほぼ満員!

【第一部】

『義経千本桜』渡海屋の場より“幽霊知盛”

【第二部】

お話:吉田玉男
聞き手:髙木秀樹(文楽研究家・イヤホンガイド)

【第三部】

『義経千本桜』大物浦の場より“錨知盛”

浄瑠璃:豊竹呂勢太夫
三味線:鶴澤燕三、鶴澤寛太郎、鶴澤清公、鶴澤燕二郎
人形遣い:吉田玉男、吉田玉佳、吉田玉翔、吉田玉路、吉田玉峻、吉田玉延、吉田玉征
お囃子:望月太明蔵社中

『義経千本桜』の《渡海屋》と《大物浦》から平家悲運の武将・平知盛に特化して上演。《大物浦》にツメ人形が1体出てきただけで、あとは本当に知盛の人形のみ。

間に挟まれたトークが、初心者にはいろいろと興味深く。
知盛の人形は10kgくらいあるとか、検非違使はきびきびで文七はどっしりとか、床本をよく読むとか(弟子にも読むように言っている)、人形遣いは無表情の方がいいとか(歌舞伎同様、大事なのは肚らしい)、“幽霊知盛”と“錨知盛”では前者の方がしんどいとか。

トークの実演では、左遣い(玉佳)と足遣い(玉路)も顔を出して登場。知盛が引っ込みで見せる団七走りを客席に向かってやってくれたり、その流れで(「団七と言っても、『夏祭浪花鑑』の団七じゃないンですね」「団七は韋駄天走りです」)ちょー珍しい知盛の韋駄天走りをやってくれたり。貴重なものをありがとうございました。

左遣いの人は愛嬌があるというか、いろんな意味で目が離せなくて。《大物浦》の時には滑って転んじゃったンですよ。でも、そこをすかさず別の人がフォローして、見事な連携でございました。
一応、私もフォロー。弟子の話になった際には「軍曹」と言われていたので、面倒見のいい人らしいですよん。

『曽根崎心中』の徳兵衛を当たり役にしていた先代の話も。『曽根崎心中』は近松門左衛門が書いた話だけど、長らく上演されていなくて、昭和30年の復活上演は「新作」と言ってもいいくらいで、女方の人形に足をつけること(例の有名な場面──縁の下に忍び込んだ徳兵衛がお初の足を喉元に当てて心中の決意を伝える──のことですね)を提案したのが先代だった、と。
そう言えば、先代は85歳(だったか?)で10kgもある知盛の人形を遣ったらしいっす。玉男氏曰く、「師匠は20kgと言ってましたけど、そんなにあったら持てません」。

知盛の入水は歌舞伎と違ってゆっくりと背中から落ちていき、足裏が見えたところで幕。この時は足を支える人がもうひとり入って、4人遣いになるそうな。
音響的には厳しい会場だけど、呂勢太夫の語りと燕三の三味線がよかった。

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