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2018年1月21日 (日)

梅田芸術劇場主催公演『黒蜥蜴』

2018年1月9日(火)〜28日(日) 日生劇場
http://www.umegei.com/kurotokage/

[原作]江戸川乱歩 [脚本]三島由紀夫 [演出]デヴィッド・ルヴォー
[美術]伊藤雅子 [照明]西川園代 [衣裳]前田文子 [ヘアメイク]UDA
[音楽]江草啓太 [音響]長野朋美 [映像]栗山聡之 [振付]柳本雅寛
[アクションコーディネート]諸鍛治裕太

緑川夫人(黒蜥蜴):中谷美紀
明智小五郎:井上芳雄
岩瀬早苗:相楽樹
家政婦ひな:朝海ひかる
岩瀬庄兵衛:たかお鷹
雨宮潤一:成河

一倉千夏、内堀律子、岡本温子、加藤貴彦、ケイン鈴木、鈴木陽丈、滝沢花野、長尾哲平、萩原悠、松澤匠、真瀬はるか、三永武明、宮菜穂子、村井成仁、安福毅、山田由梨、吉田悟郎

ダンサー:小松詩乃、松尾望

ピアノ:江草啓太
バンドネオン:北村聡
バイオリン:向島ゆり子
ベース:西嶋徹
ドラムス:堀越

土日は完売で諦めていたところ、譲渡掲示板で好みの席を見つけ、ソッコーで譲っていただく。いや〜、観てよかった。面白かった。

デヴィッド・ルヴォーの演出は、三島の流麗な台詞を敢えて歌い上げることはせず(あの有名な割り台詞──追われているつもりで追っているのか、追っているつもりで追われているのか……中略……法律が私の恋文になり、牢屋が私の贈物になる。そして最後に勝つのはこっちさ──さえも、驚くほど然りげなく発せられていた)、言葉の意味をひとつひとつ丁寧に読み解き、本作を精緻な心理劇/love storyに仕上げていく。

大掛かりな装置を使わず、盆を回し、簡易な扉や仕切り板、あるいは、ポールなどで物語を展開していくやり方も、観客の想像力を刺激して効果的。

中谷美紀が美貌とカリスマ性を有する黒蜥蜴を演じて見事。台詞に説得力があったのにも感心した。惜しむらくは、立ち姿。身体のコントロールが甘いというか、軸がぶれるというか、観ていて気持ち悪い瞬間が何度かあった。ただ、正直なことを言うと、この役は女優より女方に向いている気がしないでもない。突然の感情の発露など、女方としての“芸”で見せた方が抑制が効いて、より的確なんじゃ?

明智の井上芳雄は、犯罪に対する憧憬と、でも、自分は決して犯罪者にはなれないという諦念が感じられ、実に、実に実に魅力的! 昨年の『陥没』でも感心させられたけど、いい舞台役者になりましたね〜。

そして、ある意味、飛び道具の成河。やることがいちいち細かくて、観てると飽きない(笑)。

岩瀬早苗の相楽樹は、結構、舞台の経験があるンですね〜。思った以上によかった。ま、ワタクシ的には、早苗の衣裳はお着物にして欲しかったけど。
ひなの朝海ひかるに、従順でありながら、どこか黒蜥蜴に対する冷徹な視線がある。幕切れに見せたダンス(のようなもの)が印象的。

舞台上手にバンド。なかなか巧いね……と思ってプログラムを確認したら、そりゃ巧い筈だわ、このメンバーなら。ただ、音楽は多過ぎのような。

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