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2018年9月24日 (月)

国立劇場 九月文楽公演 第一部

2018年9月8日(土)〜9月24日(月) 国立劇場 小劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/

第一部は【明治150年記念】関連施策との連動で、「明治期に初演された演目を上演します」とのこと。ちなみに、【明治150年記念】って何? という方はこちらをご覧ください。本日もロビーで義援金を募っていましたけど、お弁当タイムのせいか、募金している人は前回より少なめ。

『南都二月堂 良弁杉由来』

志賀の里の段
渚の方:豊竹睦太夫
小枝:竹本小住太夫
腰元:豊竹亘太夫
腰元:竹本碩太夫
    鶴澤清友
ツ八 :鶴澤友之助
 レ雲:野澤錦吾

桜の宮物狂いの段
    竹本津駒太夫
    竹本津國太夫
    豊竹芳穂太夫
    豊竹咲寿太夫
    鶴澤藤蔵
    鶴澤清馗
    鶴澤寛太郎
    鶴澤清公
    鶴澤清允

東大寺の段
    豊竹靖太夫
    野澤錦糸

二月堂の段
    竹本千歳太夫
    豊澤富助

〈人形役割〉
乳母小枝:桐竹紋臣
光丸:吉田玉峻
渚の方:吉田和生
腰元藤野:桐竹紋吉
腰元春枝:桐竹勘次郎
花売娘:吉田簑紫郎
吹玉屋:吉田勘市
船頭 :桐竹亀次
雲弥坊:吉田簑一郎
先供:桐竹勘介
良弁僧正:吉田玉男
弟子僧:吉田玉翔
弟子僧:吉田玉彦
腰元:大ぜい
里の子:大ぜい
里人:大ぜい
供人:大ぜい
奴:大ぜい
近習:大ぜい
輿舁:大ぜい

◇登場するかしら
乳母小枝:老女方
光丸:男子役
渚の方:老女方、婆
腰元藤野:お福
腰元春枝:娘
花売娘:娘
吹玉屋:三枚目
船頭 :男つめ
雲弥坊:又平
先供:検非違使
良弁僧正:上人
弟子僧:源太
弟子僧:検非違使

迷作とも駄作とも評される『良弁杉由来』が意外にも面白く。八雲琴(二絃琴)を使ったり、五挺四枚で華やかに盛り上げたり、耳に楽しい。

物語は至ってシンプル。「東大寺の開山、石山寺の開基として崇拝されている華厳宗の良弁僧正」が、幼い頃に鷲にさらわれ、後に母と対面したという逸話をベースにした、悪い人がひとりも出てこない、ある意味、何の捻りもないお話。

でも、ほんっとに音楽がよくてねぇ。今回ほど三味線を真剣に聴いたのは初めてかも。中でも、《桜の宮物狂い》で物語をグイグイ牽引していく藤蔵が印象に残る。
供廻りの奴たちによる槍捌きに始まり、良弁僧正の登場から述懐、そして、渚の方との親子の対面までを鮮やかに描き出した《二月堂》の千歳太夫と富助も忘れ難い。

渚の方の和生は、水に映る自分の姿を見て正気を取り戻す場面が、そりゃもう見事でございました。あと、狂乱していても、かつての身分はちゃんと感じられるのよね。

良弁僧正の玉男は、ほとんど動かないのに、常に気品を漂わせているあたりはさすがだな、と。
弟子僧の玉翔と玉彦もほとんど動かず。しんどいだろうに、よくやっていた。

その他、花売娘の簑紫郎と吹玉屋(しゃぼん玉屋らしい……この頃からしゃぼん玉ってあったンだ?)の勘市の賑々しい物売りや、奴たち(毛槍を、ふたりで向かい合って投げたり、後ろ向きで投げたり、ひとりで高く投げたり、頭の上で回したり)が好演。

そうそう、鷲が立派で驚いた。あれなら子供のひとりやふたり、楽勝でかっさらいそう。

『増補忠臣蔵』

本蔵下屋敷の段
  前:豊竹呂太夫
    竹澤團七
  切:豊竹咲太夫
    鶴澤燕三
  琴:鶴澤燕二郎

〈人形役割〉
井浪伴左衛門:吉田玉佳
加古川本蔵:吉田玉志
三千歳姫:吉田一輔
小姓 :桐竹勘昇
桃井若狭之助:吉田玉助
奴:大ぜい
近習:大ぜい
下部:大ぜい

◇登場するかしら
井浪伴左衛門:陀羅助
加古川本蔵:鬼一
三千歳姫:娘
小姓 :男子役
桃井若狭之助:源太

『仮名手本忠臣蔵』九段目《山科閑居》の前日譚。あれがああなってこうなって……と、パズルのピースが、次々、嵌まっていく感じ。

切の咲太夫が出てきた途端、隣のご婦人方が「咲さん、痩せた?」と口々に。確かに痩せたようにも見えるけど、声量は十分あり、終始、安定していた。三味線の燕三共々、圧巻。「未来で忠義を尽くしてくれ」の件には泣かされました。

若狭之助の玉助は、登場から直情径行な性格全開。あ、若狭之助だ! と、一瞬で納得。
三千歳姫の一輔が美しく、琴を弾く姿も見事。

それにしても、伴左衛門は絵に描いたような端敵よのぉ。

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